■「赤信号に向かって走っても信号無視にならない」ことがある
これって信号無視にならないの?ルールを再確認
信号が赤なら「止まれ」、青なら「進んでヨシ」というのは子どもでも知っている基本です。しかし、実際のシーンでは信号で規制されている道路でも、どの信号に従えばよいのか迷うこともあります。
今回は意外と間違って理解している人も多いシチュエーションを参考に、信号のルールを再確認していきましょう。
【問題】こんな交差点でコンビニから道路に出るときはどうする?
信号のある十字路でカドの部分から直接交差点内に入るシチュエーション……コンビニの駐車場から道路へと出るときなどです。このとき、このクルマは信号無視になるのでしょうか? なお、クルマが進もうとしている方向の道路は赤信号です。
A:進行方向の道路は赤信号なので信号無視になる
B:信号無視にはならない
このシチュエーションの場合、正解はBの「信号無視にならない」です。
たとえ交差点内に赤信号で停止しているクルマがいたとしても、信号無視にはなりません。

なぜ進行方向の信号が赤なのに違反にならないのか?
このクルマが信号無視にならない理由を知るために、法令を確認してみましょう。
道路交通法施行令第二条(信号の意味等)
「赤色の灯火」
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。
【引用】道路交通法施行令|e-Gov
道路交通法施行令は、道路交通法だけでは規定しきれない細かい部分を定める政令です。
この規定によると、赤信号のとき、クルマは「停止位置を越えて進行してはならない」とされています。言い換えれば、停止位置を越えているクルマは、この規定による制限を受けません。
つまり、前記のようなシチュエーションだと、コンビニの駐車場から道路に出るときすでに停止線よりも交差点の内側にいるので、目の前の信号の制限を受けないことになります。極端にいえば、カドから直接で道路に出る限り、このクルマはどの方向から見ても停止線を越えた位置から交差点に進入することになるので、たとえすべての信号が赤になっているタイミングであっても信号無視にならないのです。
信号無視にならないが事故った場合は断然不利になる
ここで言いたいのは「こうやって道路に出れば信号無視にならない」という法の抜け穴みたいな話ではありません。
たとえば、コンビニの駐車場から道路に出るとき、通りにほかのクルマがいるわけでもないのに信号が青に変わるのをモタモタと待つ必要はないという話です。混雑しやすい交差点なら、わざわざ信号待ちのクルマの間に割り込んで迷惑をかけなくてもスムーズに道路に出られます。
ただし、駐車場や店舗の敷地などから停止線を越えた交差点内に出るときは特に注意を払わなくてはなりません。
信号の規制を受けないということは、ある意味で無敵のように見えるかもしれませんが、反対に「信号による保護」を受けないのだと覚悟してください。
道路外から道路に出るクルマには、道路を走行しているクルマやバイクの進行を妨げてはいけないというルールがあります。そのため、青信号に従って道路を走るクルマと道路外から出てきたクルマとの間で交通事故が起きた場合、道路外から出てきたクルマのほうが重い責任を負うのが定石です。事故の状況によって多少の上下はありますが、事故の責任割合は道路外から出てきたクルマ側が80%の責任を負います。カンタンにいえば「事故ったら負け確定」です。
また、道路に出る際は、歩行者や自転車がいないかもしっかり確認しなくてはなりません。進行方向の道路が空いているからといって急いでクルマを発進させると、人身事故を起こしてしまう危険があります。
道路外から道路に出るときはどうすればよい?
法律上のルールに従えば、道路外の施設などから道路に出る際は次の2つのルールを守らなくてはなりません。
1.歩道を横切る前に一時停止する
2.道路外に出る際は徐行する
これらを守りつつ、道路を走るクルマなどの進行を妨げない、歩道上の歩行者などを保護するといった決まりも遵守する必要があります。「今だ!」と急ぐあまりに一時停止や徐行を怠ると違反になるだけでなく事故を起こしてしまう危険があるので、しっかりと周囲の安全を確認してください。
今回は「信号無視にならないケース」を紹介しましたが、筆者が考える安全運転のコツは「規制された道路を走ること」です。信号がある交差点と信号のない交差点、安全なのはどちらなのかを考えれば、誰が考えてもわかるでしょう。
急いでいたり焦っていたりするときこそ、より安全な方法で運転するように心がけてください。
レポート●鷹橋公宣 写真/図版●鷹橋公宣/モーサイ編集部

元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、noteでは元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。





























