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バイク同様に開放感を楽しめるオープンカー、屋根を開けた状態での雨対策はどうなっている?
ごく一部の特別なモデルやカスタムされたマシンを除くと、バイクは雨の中を走ったからといってトラブルが起きないように設計されている。
インジェクターなどエンジン回りの電装部品はもちろん、ウインカーなどを作動させるスイッチボックスは雨の中でも問題なく機能するよう設計されている。洗車時に水をかけてもトラブルが起きることもない。
もちろん、水濡れ対策がされているから問題なく雨中も走れるわけだが、はたして四輪車はどうなっているのだろうか。
ゲリラ豪雨が増えている印象もある昨今、オープンカーで屋根を開けて走っている際、激しい雨に見舞われたとしよう。そんなときにスイッチ類は濡れても壊れず、しっかりと機能するのだろうか。雨対策のため、オープンカーは特別な仕様になっているのだろうか?
そうした素朴な疑問を包み隠さず、マツダの広報部へ投げかけた。日本のみならず世界で最も売れているオープンスポーツカーである「ロードスター」を作り続けている同社に伺うのが最適と思ったからだ。
結論からいうと「オープンカーだからといって特別な対策はしていない」という。
マツダ・ロードスターは「夕立ち」を想定したシャワーテストで耐水性能を確認済み!
以下、マツダからの回答を紹介しよう。
ロードスターと他モデルで、インテリアの防水性能の基準は変わりありません。
ただし、開発初期から該当部のユニットやコネクタ類は被水対策を講じたレイアウトとして、オープン時、夕立ち等でもルーフを閉じるまでを想定した実車確認(シャワーテスト)を実施し、その妥当性を最終確認しています。
実際は走行中に雨はほとんど車内に入りませんし(風の流れをコントロールしている)、停止したら短時間で幌を閉められるので、特別な防水は必要ないと考えております。
このように、突然の雨に見舞われることは想定した設計で、水をかけるテストなどで簡単には問題にならないことを確認しているということだ。
補足すると、オープンカーに限らずほとんどの四輪車において水がかかったくらいでトラブルを起こすようなスイッチや電装品は使われていない。オープンカーでなくともドアを開けて乗り込むときに激しい雨が室内を濡らしてしまうことはあるし、濡れた手でスイッチ類を扱うことも想定されているからだ。
わかりやすいところでいえば、パワーウインドウのスイッチが雨に濡れてしまうことは珍しくないが、それによって壊れてしまったという話を聞くことはないだろう。
さすがにファブリック(布張り)のシートがぐっしょり濡れてしまうと、かなり丁寧に陰干しするなどのメンテナンスは必要となるが、ちょっと水がかかったくらいであれば自然乾燥に任せておけば問題ないことが多い。
ミニバンなどでは飲料をこぼしたときに拭き取りやすいようシート表皮に撥水機能を持たせていることもある。
エンジンルームについてはボンネットでカバーしているように見えるが、実際は走行風も取り込んでいるし、むき出しになっているバイクと同様の環境にある。そのためエンジン関連の電装パーツも十分な防水・耐水対策が取られている。
コネクタなどトラブルにつながりそうなポイントを養生すれば、エンジンルームを高圧洗浄機で丸洗いしたからといって簡単に壊れるようなことはないレベルだったりするのだった。
とはいえ、四輪車はバイクのようにびしょびしょに濡れることを前提に設計されていないのも事実。ある程度のウェットテストはクリアしているとはいえ、わざと濡らすような使い方が推奨されているわけではないことも留意しておきたい。
レポート●山本晋也 写真●マツダ/八重洲出版 編集●上野茂岐