バイクライフ

広告にソフィア・ローレンを起用!「ホンダ ロードパル(1976)」はファミリーバイクブームを巻き起こした立役者……【昭和原付の記憶帳 1】

■1976年発売時、ソフィア・ローレンをCMや広告に起用

72年に発売された「ホームバイク」こと、シャリイではまかないきれなかった女性向けに開発されたモデル。5万9800円という低価格(当時のスーパーカブC50DXが9万9000円)で変速動作も不要、車重44kg(シャリイCF50 3型が76kg)という軽便さで、それまでバイクを敬遠していた女性をしっかり取り込み、発売から1年で25万台を販売した大ヒット作。以降の原付クラス隆盛のきっかけとなった。最高出力2.2ps/5500rpm、タイヤサイズは前後2.00-14。

■1976年発売時の広告。イタリアを代表する女優で、日本でも人気の高かったソフィア・ローレンをCMや広告に起用。ホンダのCMで外国人俳優が起用されたのはこれで3人目(1人目はエルシノアCR250Mのスティーブ・マックィーン、2人目は1300クーペ[4輪]のピーター・グレイブス)。CM中でタップスターターを踏むときに発した「ラッタッタ」という掛け声が、日本ではファミリーバイクを表す言葉にもなるほど巷にも浸透。漫才コンビ『のりお・よしお』の西川のりおも持ちネタにしていた

■エンジンをステップホルダーが覆い隠すような造形も親しみやすさを追求した工夫の一つ。ドライブチェーンはオイルバス式でメンテナンスの手間を低減

■速度計は50㎞/hスケール。その下のメインキー部には「停止」、「走行」、「夜間」と漢字で書かれる。ウインカーとホーンのスイッチ、チョークレバーともにハンドル右側に装備。ヘッドライトにハイ・ローの切り替えはない

■2スト空冷ピストンリードバルブエンジンの始動方式は、女性に敬遠されるキックスターターに代わる「タップスターター」を採用。キックペダルを踏み込むとゼンマイが巻かれ、リヤブレーキレバーを引くとゼンマイが解放されてエンジンが始動する。この図で書かれている「速度調整装置」とはスロットルが全開にならないように規制するネジのことで、簡単に着脱できた

■1976年 初期型ロードパル 試乗


■1977 ロードパルL


■従来のタップスターターに加えて後輪が約30m前進、あるいは約21回転後退すると1回始動分のゼンマイが自動的に巻かれるクイックスターターを新採用したバリエーションモデル。シートは大型化されてフロントバスケットを標準装備する


■1978年のアクセサリーカタログ。オルゴール付きコインケースや携行用空気入れ、センターバッグ、花柄のリヤトランク、ラケットやゴルフクラブなどが運べるスポーツキャリヤなど、かなり充実した内容になっている


■1979 ロードパルE
初のフルモデルチェンジ。最高出力が2.5馬力となり点火方式をCDIに変更。ヘルメットホルダー兼用のハンドルロックや使いやすくなった大型燃料コックレバー、オイルの残量確認がやりやすくなった点検窓を採用。


■1979 ロードパルS


■「パワードライブ」と呼ばれる2速ATミッションを採用(他は自動遠心無段)、登坂力を高めている。エンジンの始動方式は普通のキック式に変更され、フロントバスケット標準装備。ヘッドライトの位置もバスケットの下に変更されている。カタログの表紙を飾るのは大竹しのぶで、登坂力の高さをアピールするとともにCDI点火方式やオートチョークの新採用、バックミラーの大径化、低シート高(705mm)、「入」「切」と日本語で書かれたメインスイッチなどをアピール


■大竹しのぶの貴重な(?)走行シーンが目を引く1979年パルシリーズのカタログ。78年にはパルフレイ、パルホリデー、パルディンと兄弟車が続々登場、シリーズカタログまで作られるほどワイドバリエーション化された

レポート●高野栄一 写真●ホンダ/八重洲出版

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