バイクのよろずはなし

「安全で快適」であるため、ライディンググローブに願い、組み込まれた技術とは!? 【バイクのよろずはなし 002】

■指のマチ部分にも工夫。夏物には風通しの良い伸びる生地を使用。

見ちゃったんです……バイクでコケた友人の、赤い手のひらを

みなさんこんにちは。上野です。

今回はグローブについてお話したいと思います。

みなさんはバイクに乗るとき、ちゃんとグローブをはめていますか?

私からすると、グローブを着用せずにバイクに乗るなんて……ああ、恐ろしくて考えたくありません!

なぜか?

子供のころ、歩いたり、走ったりして転んだこと、ありますよね?

私は走って転んで手をついただけで、かなりの擦り傷ができた記憶があります。小石がキズに刺さったりもしていました。

「手をついただけでも、アスファルトの上だとこんなに怪我するんだ……」と子供のころの記憶に残りましたよ……。しかもその傷跡、まだなんとなく残ってるし。

ってことはですよ!! 自転車だともっとすごいことになり、ましてやバイクだと……想像するだけで、怖っ!!

アスファルトの上でバイクから投げ出されると、ウソのように滑べります。スピードによりますが、滑っている間はいろいろな部分が削られます。

車両だけでなく、運転者も同じく削られていきます。

私は以前、知り合いが50ccのスクーターでカッコつけてこちらに飛ばしてきて、ブレーキをかけ、そのままコケて私の目の前で飛んだときのことを鮮明に覚えてます。

膝も怪我しましたが、手のひらがいちばんスゴイことになってましたよ。ちなみにその人、グローブをしてませんでした。

「ああ、そっか……素手でのバイクの運転って、すごい怖いことなんだ!」と再確認したときでした。

転倒で手のひらに傷がついたライディンググローブ

痛い話ばかりして、すみません。

ですが転倒により手が削れてしまうことは、私にも、アナタにも、現実に起きることです。

でも、グローブをしていれば、グローブが身代わりになってくれるんです。

しかも手にはたくさんの神経が通っています。 

これを守るためにも、グローブ着用を強くお勧めします!!

手の感覚はだませない……だから、しっかり選びたい!

私自身もグローブの製造と販売に携わっています。

製品を企画、生産するにあたり大切にしていることがあります。

それは、「快適性と安全性」です。

このワードは、言うのは簡単なのですが、本当に大変なことなのです。

快適性を求めれば、安全性を失ったりすることもあります。

場合によっては相反するものですから。

では具体的にどうしてるの?

……それは、以下、詳しくご説明していきますね。

メッシュ、プロテクター、縫製……素材と作り込みに工夫あり!

ライディンググローブの快適性と安全性について……ではまず快適性から。

わかりやすいところでいうと、夏物と冬物では素材が違います。

メインに使う生地はシーズンに合わせたものを使用します。

夏はメッシュ生地を主体に、風通しの良いものを、冬は防風のナイロン生地を使います。

指のマチ部分にも工夫がされています。 

夏物は風通しの良い伸びる生地を使っています

冬も今度は防風の伸びる生地を使います

この伸びる生地を使用することで格段に運動性能が上がりました。

快適性には「動かしやすさ」「運動性能」も必要となりますから、重要です。

指の関節部分のシャーリング(蛇腹部分)も、指を動かしやすく操作性をよくするための設定です。

指の関節外側に、指を曲げやすいよう、シャーリングを設定

次に安全性。

わかりやすいところでは、こぶしの部分につくプロテクターです。

ナックルカップと言いますが、素材はTPU、CFRPなどさまざま。

拳部分を守るため、適度な固さの素材を用いたカップを設定

このナックルプロテクターにも快適性を求めるため、フローティング加工なる浮かせ加工をしています。

ナックルプロテクターのフローティング加工

浮かせたことによりプロテクターがこぶしに当たりにくくなり、それで指を閉じたり開いたりの動作がしやすくなるんです。

ただ、ワザとこの加工を使わない製品もあります。その方がダイレクト感があっていいという人もいて、好みが分かれるところなのです。

ダイレクト感を求めて、フローティング加工をしない場合

最近ではフローティング加工は手間がかかるので、メーカーさんによってはダイレクト感がある直縫いの方法を取ることが多く見られます。実際、弊社でも直縫いの製品はあります。

では、手のひら側の安全面はどうでしょうか? 手のひら側にもプロテクターがあります。

パームスライダーといって 転んだときに路面で滑りながら手を守るものです。

手のひらにパームスライダーを設定

もちろん衝撃にも備えられるので、安心感を得られると思います。

よく「手のひら側もメッシュ素材で蒸れないものを作ってほしい」と言われますが、強度的な問題と安全面を考えると、なかなか難しいのが現状です。

なので牛や山羊の革を使ったり、丈夫な人工皮革を使ったりするわけです。

たかがグローブと言わないでくださいね。小さな部分にも製造会社のノウハウが込められています。

たくさんの試着で、サイズ、機能、好みがピッタリのグローブを!

そして、実際にグローブを選ぶときなのですが……

手はたくさんの神経が通っている場所なので、繊細です。

そんな手の感覚を、自分でだますことはできません!!

ご自分の手に合った、快適で操作性が良好なグローブを探し出してみてください。

実際にいろいろなメーカーさんのものを、お店で試着してみてください。

「手の感覚を、自分でだますことはできません!!」……大事なことなので2回言いました。(笑)

より良いライディングを求めるためにも 本当に自分に合ったグローブとの出会いを求め、お店に向かってください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

次回は「大事なグローブ選び、具体的にはどうすれば?」をテーマに、Q&Aでお話しいたします。

レポート&写真●上野時夫

Profile●上野時夫

メーカー側からのコラム発信場所として「バイクのよろずはなし」をやらせていただいてます!! 「フラッグシップ」の上野と申します。とりあえず、所有バイクはWR250R と50ccのカブ、です。

バイクが持つ懐の広い世界にどっぷりと浸かっています。

バイクのアパレルに限らず、バイクそのものや用品、ほかいろんな事柄について、器大きくお話ができたらいいなーと思っています。

ひと月に1、2回、アップしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

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