1924年に創立された目黒製作所。日本最古級の二輪車メーカーであり、戦前から大排気量車を手掛けてきたことから「国産大型二輪車の名門」といえる言える存在だった。
戦後はカワサキと提携するも倒産、最終的にカワサキ傘下となるが目黒製作所の培ってきた技術はカワサキに受け継がれていく。
昭和時代に活躍したカワサキWシリーズは、まさに1960年に目黒製作所から発売されたメグロ500K1をルーツとするモデルだ。
その歴代Wシリーズの変遷を、関係者への取材をはじめ、当時の貴重な写真、図版やカラーカタログとともに詳細に解説した書籍が『カワサキW メグロ─メイハツ─カワサキへと連なる伝統』(三樹書房)である。
著者はこの分野の第一人者である小関和夫氏で、20年以上の調査・取材により執筆された大著となっている。
カラーカタログ収録ページでは、平成になって登場したW650/W800、メグロSGをモチーフとしたエストレヤ、令和になって蘇ったメグロ・メグロK3といった近年の車種も網羅。また、巻末には年表、各車の諸元表、四面図、配線図なども収録されている。
2024年は創立100周年を迎える節目の年であり、それを踏まえ、カワサキから新型車「メグロS1」も発表された。
こうしたタイミングで、あらためてメグロやWシリーズの歴史を知るのに最適な書だ。
書名:『カワサキW メグロ─メイハツ─カワサキへと連なる伝統』
著者:小関和夫(おぜき・かずお)
発行:三樹書房
体裁:B5判、上製、312頁(カラー160頁)
定価:7150円(本体6500円+税10%)
発売:2024年3月20日
まとめ●モーサイ編集部