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【ピアッジオ・マイムーバー試乗】巨大ボックス装備のデリバリー用125スクーターは、レジャーにも活躍しそう!!

マイムーバー ピアッジオ 3輪 デリバリー

ピアッジオブランド唯一の日本販売モデルは、「デリバリー用スリーター」

スクーター系としては大径の前輪16インチを採用。対する後輪は12インチの2ホイール。大型のリヤボックスに負けない高さの大型風貌も特徴的だ
存在感満点のリヤボックスは、最初に発進で後方確認をすると、白いボディの物体が接近しているように見えてドッキリする。何のことはない、箱のはみ出しが視界に入っての錯覚なのだが

小社が毎年春に刊行しているムックに「最新バイク図鑑」というのがある。その中では毎年、何台ものニューモデルが登場して誌面を賑わせているが、そんな中、決して目立ちはしないが気になる存在のモデルというのがちらほらある。そんな1台を今回クローズアップしてみることにした。そのモデルの名前は、ピアッジオ・マイムーバーだ。

イタリアのメジャーブランドであるピアッジオは、現在アプリリア、モトグッツィらのスポーツモデルの製造を傘下に収め、老舗スクーターブランドのベスパの生産を担っているが、自社名の「ピアッジオ」を冠して日本で販売されているのは、このマイムーバーのみ。

本国のサイトを見ると、ピアッジオブランドのラインアップはもっと豊富で、前2輪/後1輪のスリーターであるMP3(530/400/310cc)のほか、大型スクーターのビバリー(400/310cc)、中型スクーターのメドレー(200/125)、小排気量スクーターのリバティ(150/125/50)、小型電動スクーターのピアッジオ1などが販売されている。

これらの中にはかつて日本で販売されたモデルもいくつかあるが、現在日本で販売のスクーターはベスパに集中させようという狙いがあるのだろう。ピアッジオブランドのモデルは、特殊な構造で用途が明確なマイムーバーのみに絞っているのだ。バイクでもスクーターでもなく、前1輪、後ろに小径の2輪を持つ、スリーホイラーのマイムーバー。大きな特徴は、車体後部に装備された巨大な収納ボックスだが、この大きな箱を背負ったデリバリー用バイクが、さてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々で触れてみた。

セールスポイントは、リヤボックス、フロントラック、A3サイズのセンターバッグなど。フロントトランクには、便利なUSB充電ポートも装備
イタリアの郵便配達用に採用されているマイムーバー。彼の地の郵便車は赤ではなく黄色がイメージカラーのようだ

良好な足着き性と圧倒的な存在感の巨大リヤボックス

原付二種にふさわしい動力性能を確保しているピアッジオ・マイムーバー

前述したように、マイムーバーの立ち位置は明確で、リヤに261L容量で最大積載量60kgの巨大ボックスを標準装備することからも分かるように、デリバリー(配達)用に特化している。実際に、本国イタリアでは郵便配達用に正式採用されているようで、そうした業務での使い勝手はいいだろう。実際にまたがってみると、乗降性に配慮されたシートは低めの設定で、フットボードも比較的スリムで足着きの不安はなく、身長173cmなら両足カカトまでべったりと接地。

なお、ピアッジオの日本法人によれば、日本でもデリバリー業務用に特化して、配達業などに販売しているのかと聞けば、特にそういうわけではなさそう。日本でデリバリー用と言えば50ccスリーターのホンダ・ジャイロが利便性、コストパフォーマンスで定着しているのが現状のため、マイムーバーは125ccでの動力性能の余裕とその収納性能で、ひとレベル上のデリバリー性能を求める業者のほか、釣りやキャンプ泊といったレジャーユースでの一般ユーザーの購入も想定しているようだ。

ともあれ走り出してみよう。ライダーは屹立した大型のウインドスクリーン越しに前を見ることになるが、前方に見える景色はスクーターのそれと変わらない。後輪が小径の2輪で駆動されている感触は確かにあり、その分若干重たい印象はある。しかし、クローズドで試した限りでは、速度を60km/hまで上げるのはあっという間。そして70km/hまでの到達も問題ない。そこから上はじわじわと加速し、メーター読み80km/hまでは行きそうだが、幹線道で流すのにさほど不足のない巡航性能は確保されている。

120km/hスケールのアナログ式速度計の右に、必要最小限の表示を持つ液晶パネルを配置。こちらに時計、トリップ、積算距離、燃料残量などを表示
シート右側に配置のパーキングブレーキレバー。後方に引いてブレーキロック。反対側のセンターロックレバーも同様だが、分かりやすい方式で操作もしやすい
シート左側に配置のセンターロックレバー。車体を直立させた状態でレバーを後方に引いて固定

無限に荷物を積み込めそうな、夢膨らむライディングムーバー

フレキシブルなスイング機構を持つ車体で、素直にバンクも可能なピアッジオ・マイムーバー

エンジンユニットと一体となった2輪の駆動部は常に路面に接地しており、前輪+シート+後部の積載スペースまでが左右にスイング(傾斜)する機構は、ホンダのジェイロなどと同じ。利点は、荷物の重心がライダーと一緒にスイングすることで、車体が安定して路面を捉えられること。試乗時は荷物は空だったものの、車体のスイングも自然で、2輪のスクーターと比べて特別に思ったるい切り返しではない。そして何より、125ccなりの動力性能で、一般道で不満なく流せることが、マイムーバーの利点だろう。

そしてもうひとつ、特徴的なのが車体の停止方法のこと。同車にはセンタースタンドやサイドスタンドは装備されず、停止時はシート右側のレバーを倒してまず車体を直立状態で固定。シート左側のレバーでパーキングブレーキを作動させるだけ。またこの機構は機械式のため、車体の電源オンと関係なく作動させられる点が、逆に扱いやすいと感じられた。

大人がひとり、身体を丸めればそのまま入ってしまいそうなほど巨大なリヤボックス(最大積載量60kg)には、テントやシュラフ、マットなどを入れても十分余裕があって、ほかのレジャー用品もまだまだ入りそう。おまけに、フロントの頑丈そうなラックにも最大20kgまでの荷物が積載可能。吊るしの状態で、これほど荷物を詰めるバイク(いや3輪?)もなかなかないだろう(※1)。

マイムーバーを走らせながら、荷物をいっぱい積み込んで、さてどこへ遊びに出かけようかと一瞬考えて、ワクワクした気分にもなれる。バイクレジャーの夢と楽しみをたくさん詰め込める、特別な移動ツールがマイムーバーなのだ。

※各積載部の最大積載量の数値は、技術的に算出されたもので、車体合計の最大積載量は60kgまでと定められている

261Lの大容量リヤボックスは最大積載量60kgと公称。箱のオープンはフロントハンドルスイッチ類に近接した場所のボタンで行う。大人が身体を丸めればすっぽり入りそうな大きさ!
荷物積載の自由度が高そうなフロントラックは、最大積載量20kgを公称
フロントトランクスペースの外側に装着できるセンターバッグはA3サイズの大きさで、最大積載量5kgを公称。配達からレジャーまで、アクセスしやすく重宝しそうな収納スペース
ブレーキは240mm径ディスク+2ポットキャリパーの組み合わせで、必要十分な制動力を確保。大径16インチのタイヤはミシュラン・シティグリップを標準装着
90/90-12サイズのミシュラン・シティグリップを装着するリヤ2輪。ブレーキは200mm径ディスクを左右各ホイールに装着し、前後連動のコンビブレーキを採用
シートを跳ね上げると燃料給油口にアクセスできる。タンク容量は余裕の10Lを確保

ピアッジオ マイムーバー主要諸元

■エンジン 水冷4ストローク単気筒OHC4バルブ ボア・ストローク52×58.7mm 排気量125cc 圧縮比9.4 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル
■性能 最高出力8kW(10.9ps)/8750rpm 最大トルク10Nm(1.02kgm)/5250rpm 
■変速機 無断変速(CVT)
■寸法・重量 全長2155 全幅795 全高1690 軸距1380 シート高760(各mm) キャスター― トレール― タイヤF90/80-16 R90/90-12✕2 車両重量200kg
■容量 燃料タンク10L エンジンオイル–
■車体色 ホワイト
■価格 94万6000円

文●モーサイ編集部・阪本一史  写真●モーサイ編集部

CONTACT

ピアッジオグループジャパン
TEL:03-3453-3903(ピアッジオコール)
https://www.piaggio.co.jp/models/mymoover/

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