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かつてCB乗りだったライダーがCB1000Rにハマる理由(後編)

CB750は混雑した市街地からワインディング、高速まで、あらゆる道で扱いやすい万能性が気に入っていた。CB1000Rも同様のキャラクターを持っているが、バイク自体の素性に加え、出力特性の切り替え、ABS、トラクションコントロール、エンジンブレーキコントロールといった電子制御がさらに万能性・安全性の懐を大きくしてくれている(走行モードの「スポーツ」はやや過激すぎるのでは?と感じたが)。

とはいえ、いかにパワフルでもカウル無しのネイキッドなので、ツーリングでの高速移動はそれなりの配分に抑えたいとは思うものの、「高速を経由しワインディングまで一気に近付き、ワインディングを走り回って帰ってくる」という今の多くのライダーが楽しんでいる日帰りツーリングにはまさにフィットする。月1回しかバイクに乗れなくてもCB1000Rの気持ちよい加速・ハンドリングは気分転換にピッタリだし、仮に乗れない日が続いてもスーパースポーツをベースした高性能バイクという点が満足感をくすぐってくれるし、タンク・エンジン・フレームとそれぞれのパーツが主張する“バイクらしいデザイン”は眺めていても飽きない。価格は163万6200円と決して安くはない。ただ、もしライバル車種との比較検討をするなら、各種電子制御機構に加え、グリップヒーターやETCといったありがたい実用装備が標準となっているのを頭に入れておいてほしい。

なお最後に……これはあくまで余談だが、個人的にとても面白かったのは、出力特性が最も穏やかになる走行モードの「レイン」だ。「え?」と思う方もいるかもしれないが、スロットルを開けてからやや遅れてゆったりついてくる、ドロッとしたエンジンフィーリングがまるでキャブレターのようで、まさにかつて乗っていたCB750を思い出してしまったのだ。

コンセプトは「ネオスポーツカフェ」。スポーツバイクとして優れた運動性能を発揮するためマスの集中化と軽量化を追求しつつ、大人のライダーが所有感を覚える素材の質感・各機能部品の主張を生かしたデザインにまとめ上げられた。

ヘッドライト、テールライト、ウインカーなど灯火類はLEDを採用。ラジエターシュラウドはヘアライン加工を施したアルミ製で、燃料タンクは溶接痕を見せない「フランジレス製法」で仕上げられている。車体はキャンディークロモスフィアレッド(赤)と、グラファイトブラック(黒)の2色を設定。

シート高は830㎜。十分な座面を確保しつつ、足着きに配慮し前方を絞り込んだ形状のライダー側シート。タンデムシート下には標準装備のETC車載器が収められる。足着きは身長170㎝のライダーで両足のカカトがちょっと浮くといった感じ。リヤシート下には標準装備のETC車載器が収められる。シートレールはアルミダイキャスト製だ。

 

 

 

【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:75.5×56.5mm 最高出力:107kW<145ps>/10500rpm 最大トルク:104Nm<10.6㎏m>/8250rpm 燃料タンク容量:16ℓ 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2120 全幅:790 全高1090 ホイールベース1455 シート高:830(各mm) 車両重量:212kg タイヤサイズ:F120/70ZR17 R190/55ZR17 【価格】163万6200円 【カラー】黒、赤

CB1000Rのメーカーウェブサイトはこちら!

report●上野茂岐 photo●柴田直行

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モーサイ編集部

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