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2025年9月の重慶ショーで、並列4気筒のミドルネイキッドCB500スーパーフォア、フルカウルモデルのCBR500Rフォアが公開されて以降「日本向けの400cc版が登場か」と話題を集めたのはご存知の通り。そしてホンダは期待通りのモデルを大阪モーターサイクルショーに展示した!
待望の400cc4気筒2モデルはいったいどんなバイクなのか? まずは報道陣向けの事前撮影会の様子をお届けする。詳細なスペックや価格、登場時期はまだ明確にされていないが、現時点で判明した情報を紹介しよう。


新4気筒エンジン、CB&CBR400の主役はE-クラッチ!?

22年秋の生産終了以来、空席となっていたホンダ400cc4気筒がついに再来。ミドルスポーツの爽快でフレキシブルなパワー特性を4気筒で体験したいという要望は確実にあったはずで、登場を待望していた向きも多いだろう。
ネイキッド版の車名は「CB400スーパーフォア」を継承しているが、まず気になったのは車名の後に、E-クラッチ(コンセプト)という名が付加されていること。E-クラッチは国内では24年登場のCB650R/CBR650Rに初めて仕様追加されたもので、クラッチレバーが装備されているものの(このためAT限定免許では乗れない)、これを使わずに発進、変速、停止ができる機構。一方で、通常のクラッチ操作でも運転でき、変速はシフトペダルで行うので自動変速ではないが、ゴーストップの多い状況では非常に便利な機構として、ホンダは各モデルで仕様を拡大している。
そして、CB400スーパーフォアにもこれが搭載される模様だが、E-クラッチを全面に打ち出すということは、こちらがメインモデルとなるか、もしくはE-クラッチ仕様に一本化するというウワサがある。しかし、同車の購入層には発進、停止時のクラッチ操作をスキルアップしたいという若年層もいるはずなので、E-クラッチのオフ機能の搭載を希望したい(※ただし、CB&CBR650系と同じE-クラッチのシステムならオフ機能は装備されるはず)。
スロットル・バイ・ワイヤ(TBW)採用で理想のパワーデリバリーを実現した、新型4気筒400cc

新たなCB&CRR400のエンジンベースとなったのは、海外で先行発表されたCB&CBR500系4気筒で、これのボア・ストロークを変更して400cc化している模様。具体的な数値、性能スペックなど取材段階では非公表だったが、新4気筒400の大きな進化は2点で、まずはエンジンだ。
電子制御スロットル(スロットル・バイ・ワイヤ※以下TBW)の採用で、従来より緻密なパワーデリバリーのほか、トラクションコントロールなどの協調制御を実現している。すでに上級モデルで普及しているTBWについて詳しくは触れないが、これによりパワーモードが付き、路面状況に合わせた最適なパワー特性が選択できる。
一方で、従来モデルに装備されていた可変バルブ機構のHYPER VTEC(回転数に応じて低中速域の2バルブから高速域の4バルブ作動に切り替わるもの)は廃止。ただし、進化した4気筒+TBWの恩恵で、全域でパワーデリバリーが磨かれているはずだから、あえて搭載する必要はなかったのだろう。
また、CB&CBR400でのE-クラッチを「第2世代のE-クラッチ」とアピールする。特徴はその配置で、従来の右側から左側になっている
取材の時点では非公表の部分は多かったものの、インタビューに対応してくれたのは、今回の新型CB&CBR400シリーズで開発責任者を務めた中村拓郎さん。以下では、氏のコメントを混じえて紹介しよう。

【スーパーフォアらしさをキープしつつエンジン&車体を一新】CB400スーパーフォア E-クラッチコンセプト

──今回のCB400スーパーフォアは実質従来モデルの後継と位置づけられますが、先代モデルとの大きな違いを教えてください。
「新エンジンに新規のスチール製ダイヤモンドフレームとなったので、オールニューのモデルとなりますが、ぱっと見でスーパーフォアだと分かる外観にしました。そして4つ並んだエキパイまわりの造形の美しさも、こだわった部分です」(中村氏※以下「 」同様)


──新エンジンは電子制御スロットルとE-クラッチ搭載が大きな特徴ですね。
「電子制御スロットル採用で、より緻密なパワーデリバリーが可能になりましたが、E-クラッチの搭載位置もこだわった部分です。従来のE-クラッチは、既存のエンジンに極力変更を加えずに機構を付加するねらいがあったため、機種によっては右側の足元が窮屈になるモデルもありました。しかし、今回のCB&CBRではエンジンの開発段階からE-クラッチ搭載を想定し、一番収まりをいい位置を検討して左側配置にしました」
──今回の新エンジンの特性はどんな感じになっていますか?
「400ccモデルは、街なかから高速、ワインディングまでオールマイティに使うモデルなので、バイクに乗って気軽に楽しめる、ファンライドできる性能を意識しました。そのため、エンジンはどの領域からでも軽く吹け上がっていく特性にしました」
──車体も一新ということですが、具体的にはどんな仕様になっていますか。
「従来モデルからの軽量化を目指し、フレームはエンジンを剛体とするスチール製ダイヤモンドタイプ(従来はダブルクレードル)として、フレームの部材を少なくしています。またサスペンションはフロントフォークがKYB製の倒立タイプ、リヤはプロリンク式のモノショックタイプ(従来は2本ショック)とし、最新のスポーツモデルにふさわしい性能を確保しています」


──足着き性やライディングポジションは、従来モデルと比較してどうですか?
「先代モデルも取っつきやすさが好評でしたから、大きく変えていませんし、またがっただけで、これは400スーパーフォアだなと思えるようなものにしています。また、今回はシルバー×ブルーラインの車体色しか公開していませんが、カラーリングはほかにも用意されます」
──メーターは上級モデルにも採用される四角いTFTカラーの液晶タイプになりました。
「足回りではリヤサスをツインショックからモノショック化したように、機構的に必要かつ汎用的に活用できるものとして、最新のTFTメーターを採用しました。ネイキッドのスーパーフォアなので丸形の2眼メーターがいいとの声もあるのかもしれませんが、最終的に最新の技術を盛り込もうという方向になり、TFTメーターを選びました」






【レーシーな印象とは異なる、日常でのスポーティさを込めたデザインフォルム】CBR400R フォア E-クラッチコンセプト

続いて、同時発表となったもうひとつの400cc4気筒モデルが、フルカウル版のCBR400Rフォア E-クラッチ コンセプト。撮影用に用意されたのはシルバー基調の外装をまとったシックな印象のモデルだが、これも別のカラーバリエーションが用意されるだろう。
特徴的なのは、グラフィックやラインなどの装飾でレーシーに見せる意匠とは異なること。この辺に、新たなCBR像の創出を感じさせる。
──フルカウルモデルのCBR400Rフォアは、スーパーフォアのように先代のイメージを踏襲した雰囲気とは異なる印象です。400cc4気筒のCBR自体が90年代以来の久びさ登場ですが、現行のCBR250RRともイメージが異なります。
「これまでのCBRシリーズは、レースシーンのイメージが強かったですが、新世代のCBRを目指すべく、日常のスポーティさを新たに提案するようなイメージにしました。外装類はエッジを効かせるゴツゴツした印象ではなく、流麗で面を意識しつつ側面をナイフでスパッと切り出したようなフォルムとし、あえてストライプも入れずにすっきりしたイメージにしました。ヘッドライト周りも、これまでCBRとも異なる左右一体型のデザインとしました」


──跳ね上がったテールのフォルムは、400スーパーフォアと違いますね。
「リヤ周りのフレームは専用設計とし、テール部を跳ね上げつつすっきりしたフォルムとしました。排気系はエキパイ部こそスーパーフォアと共通ですが、サイレンサー部は専用設計で、角度もより立ち上がった形状にしています」
─小さくすっきりしたテールランプも特徴的です。
「軽量化も目指してできるだけ小さくし、見た目にも軽そうに見える方向をねらいました」

──エンジンは基本的にスーパーフォアと共通かと思いますが、CBRは独自の味付けがされているんでしょうか。
「基本のエンジン特性はスーパーフォアと一緒ですが、CBRのほうはラムエアダクトが付くので、高回転域では少し性能が上乗せされています」
──一確かに、あまり目立たないですがヘッドライトの左右下にダクトが配置されていますね。
「高回転で高速域を走ったときなど、スーパーフォアと少しパワーの上がり方で違いが実感できると思います。ただし、CBRのほうも、全体的な特性としてはゴリゴリのスーパースポーツではなく、日本の街なかで走ってもスポーティさを感じられるようにしています。また、吸気音などにもこだわって作り込んでおり、音の部分でも常用域からスポーティさを感じられるようにしました」







──新たなホンダ製4気筒400cc2モデルのアピールポイントを、最後に教えてください。
「大きな特徴はTBWとE-クラッチ採用で、進化したエンジンです。安心して乗ってもらえるような機構を搭載した分、エンジン特性はオールマイティなものとしました。特にエントリーユーザーでも、自信を持って乗ってもらえるような走り味としています。そして両モデルともスタイルにもこだわったので、これを“カッコいい!”と一目惚れして買ってもらっても、次の日からスッとスマートに乗りこなせるような、取っつきやすさを実感して楽しんでいただきたいと思っています」


CB400スーパーフォア E-クラッチ コンセプトと、CBR400Rフォア E-クラッチ コンセプト、ともに現段階では「コンセプト」の車名が付記されるように、市販の前段階だが、無論のこと車名からコンセプトが取れ、26年内に市販車が世に出るのは確実。そして大阪/東京/名古屋モーターサイクルショーでは両モデルがベールを脱ぎ、実車に触れられるとの情報もあるので、各会場へ足を運び、自身の目でホンダの新4気筒400を確認してみてほしい。
まとめ●モーサイ編集部・阪本 写真●柴田直行、山内潤也
ホンダ
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