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ヤマハ新型YZF-R9は超欲張りマシン「レース参戦を想定した高性能、でも扱いやすくて、価格はMT-09 SPと同じくらい!?」

ヤマハ YZF-R9「MT-09系の900cc 3気筒を搭載した新型スーパースポーツ」

2024年10月26日、ヤマハは三重県・鈴鹿サーキットで新型スーパースポーツ「YZF-R9」を国内初披露した。YZF-R9はMT-09の3気筒900ccエンジン(CP3=クロスプレーン3気筒)を使った新しいスーパースポーツモデルで、日本では2025年春以降に発売予定とヤマハは発表している。

その特徴は、性能面や価格面において突出していたYZF-R1やYZF-R6とは違って、スーパースポーツモデルとしての高いパフォーマンスを与えながらも、YZF-R7のように扱いやすく、そして求めやすい価格を実現している点だ。

展示車はブルー、ブラック、ホワイトの3タイプが用意された(ヨーロッパではブルー、ブラックの2色、北米ではブルー、ブラック、ホワイトの3色というラインアップ)。

ヤマハ YZF-R9
ヤマハ YZF-R9
ヤマハ YZF-R9

そのYZF-R9について、商品企画担当の兎田潤一さんは「目指す山の頂上の高さは同時くらいで、斜面が急なのがR1やR6だとしたら、R9はもう少し斜面がなだらかな感じ」と言う。つまり高い頂上=絶対的パフォーマンスはあるが、幅広いユーザーが親しめるようにその裾野を広くしたということである。

それを裏付けるのは、2025年からはYZF-R6に代わって、YZF-R9がスーパースポーツ世界選手権=WSSに参戦予定だということだろう。

WSSは長らく4気筒600ccのマシンで戦われてきたが、スロットル開度制限などを設けることで排気量制限が変わり、トライアンフ ストリートトリプルRS(3気筒765cc)やMVアグスタ F3RR(3気筒800cc)、ドゥカティ パニガーレV2(2気筒955cc)が相次いで参戦し、2023年と2024年にはドゥカティがチャンピオンを獲得。これに対抗するための900ccモデル(厳密には890cc)として、レースポテンシャルを与えたわけだ。

基本的な骨格はMT-09に準じているものの、車体・足まわりはスーパースポーツである事を前提としており、フレームは専用設計としてサーキット走行を考慮した車体剛性に調整されている。

さらに、サスペンションは2025年モデルのYZF-R1と同じファクトリーマシンのノウハウを反映したKYB製フルアジャスタブルを装着。ブレーキはブレンボ製スタイルマを採用している。フルカウルボディのフロントには大きなウイングレットを装備するなど「やる気満載」だ。

加えて車速やタイムラップ、アクセル開度、バンク角、ブレーキ圧力などのデータを、専用のスマホアプリで確認できる「Y-TRACK」を採用。さらにはレース専用パーツも順次ラインナップされる予定だ。

そして、扱いやすさ、求めやすさという点では開発PLの津谷晃司さんは「スーパースポーツモデルに乗ることの敷居を下げることで、気軽に走りにチャレンジできて、かつ無理のない手が届く価格帯のモデルを目指したので、楽しみにしていて欲しい」と言う。

ヤマハ YZF-R9の開発プロジェクトリーダー・津谷晃司さん(左)と、商品企画担当・兎田潤一さん(右)。ちなみに津谷さんは現行型MT-09で開発プロジェクトリーダー、兎田さんも現行型MT-09で商品企画を担当している。

それが分かりやすいのはライディングポジションだろう。ハンドルの高さはYZF-R7と同レベルで下半身も比較的ゆったりした設計。YZF-R1やYZF-R6に比べるとゆとりを持たせたポジションで、ツーリングユースにも対応できるだろう。

さて気になる価格だが、北米市場ではMT-09 SPとほとんど変わらない価格(約1万3000ドル)なので、日本国内でもMT-09 SPに近いものになるだろうか。

ヤマハ YZF-R9主要諸元(欧州仕様)

[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:78.0mm×62.0mm 総排気量:888cc 圧縮比:11.5 最高出力:87.5kW<119ps>/10,000rpm 最大トルク:93Nm(9.5kgm)/7,000rpm 変速機:6段リターン

[寸法・重量]
全長:2070 全幅:705 全高:1180 ホイールベース:1420 シート高:830(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量:195kg 燃料タンク容量:14L

[車体色]
アイコンブルー、テックブラック

フロントカウルにはウイングレットを装備
インナーチューブ径43mmの倒立式フォークはKYBのフルアジャスタブルタイプで、YZF-R9用に設計されたもの。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製のスタイルマを採用
フロント同様、リヤサスペンションもKYB製でフルアジャスタブル(スプリングの色は車体色によって異なる)。車体左側にはリモートプリロードアジャスターがつく。
スイッチボックスはMT-09とほぼ同様。操作スイッチがあるように、クルーズコントロールもMT-09から継承されている。
最高出力119ps/10,000rpm、最大トルク9.5kgm/7,000rpmの性能数値(欧州仕様)はMT-09と同様だが、マッピングやギヤ比は変更されている。
メーターは5インチのフルカラー液晶。ライディングモードはスポーツ、ストリート、レインの3種があるほか、パラメーターを任意に調整できる2つカスタムモードと、4つのトラックモードがある。
国内仕様はブルー、ブラック、ホワイトの3色ラインアップとなるか?

身長168cm、体重55kgのライダーがまたがった様子。足つきは、両足ではつま先から指の付け根くらいまでが接地する。ライディングポジションはスーパースポーツらしく相応に前傾するものの、キツ過ぎるという感じではない。

レポート●関谷守正 写真●柴田直行/編集部 編集●上野茂岐

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