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トンネル内に高低差があるのは排水のため
トンネルの中に勾配が付けられているのは、主に工事中の排水のためです。
トンネルを掘っていると、山に染み込んだ雨水や地下水脈、海底トンネルの場合には海水が染み出してくることがあります。これを「出水」といい、出てきた水は速やかに外に出さなければ工事に支障が出てしまいます。そこで、堀り始めの方を低くして、水が自然と抗口(掘り始めた口)の方に流れ出るようにしているというわけです。
トンネル工事と「出水」とは切っても切り離せない関係で、1988年の開通から2016年まで28年間もの間「世界一長いトンネル」の名を冠していた青函トンネル(青森県東津軽郡今別町〜北海道上磯郡知内町)の工事中にも複数回の異常出水事故が起きています。特に大きかった1976年5月の事故では、作業坑から最大毎分85トンもの水が出てトンネル内が約130mに渡り水没。作業員に死者も出ました。
また、出水のために工事が中断されたトンネルも少なくありません。
例えば、熊本県阿蘇郡高森町では旧国鉄が主導して県境を越える鉄道を計画し、1973年から掘削を行っていましたが、工事途中の1975年に地下水源を切断し、大量の出水に見舞われて鉄道建設は中止。
その跡地はトンネル工事や水資源について学べる資料館を併設した「高森湧水トンネル公園」として整備されています。公園に現存する掘りかけのトンネルの長さは2055mで、湧水量は現在も毎分32トンにもなるといいます。


1kmのトンネルで、20m登ることも
地上にある(海底トンネルではない)トンネルの場合、一般的な勾配の目安は0.5〜2%の範囲で設定されています。この勾配が1km続くと、0.5%では約5m、2%では約20mも登ることになります。
「入り口」「出口」、外見から判断することが困難なトンネル






























