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長いトンネルは山型、海底トンネルはW字型になる

一方で、どちらが「入り口」でどちらが「出口」なのか、外見から判断することが困難なトンネルもあります。それが長距離トンネルと海底トンネルです。
長いトンネルの場合には両側から同時に掘り進めることもあります。
この場合、両端の抗口から中央に向けて緩やかに登り勾配をつけて掘っていき、結合部が一番高くなるようにするため、坑内は山形になることが多いです。
また、青函トンネルを始めとする海底トンネルの場合には、抗口から排水できないため、地上から海底のトンネル入口までは下り、その後緩やかに登って真ん中を過ぎるとまた下り、その後地上の出口まで登る……という断面で見るとW字型の構造か、両端の抗口から中央に向けて下り勾配をつけていき、中央が一番低くなるというV字の構造になっています。
これはW字、V字の凹んだ部分に水を集めて、効率的にポンプで地上に排水するためです。

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●熊本県観光連盟/JR北海道 参考文献●トンネル工法の「なぜ」を科学する(アーク出版)