雑ネタ

トンネルはどちらが「入り口」?答えは坑内の高低差にあった!!

「トンネルは低いほうが入り口」が結論

勾配のあるトンネル坑内。

トンネルはどちらが入り口でどちらが出口なのでしょうか?

トンネルが対面交通になっている場合、ある方面に向かうバイクやクルマにとっては「入り口」でも、反対方面に向かう対向車にとっては「出口」となるわけですから、当然どちらの口も「出口」であり「入り口」でもあります。
しかし、道路設計上、また管理上はトンネルを掘り始めた方が「入り口」で掘り終わりの終着点が「出口」とされます。

「そんなの、掘り終わってしまえば分からないじゃないか」と感じるかもしれませんが、実はそれほど長くない一般的なトンネルについては、見分ける方法があります。

トンネルの内部にはわざと勾配(高低差)が付けられています。
それほど長くない一般的なトンネルの場合、この勾配は入り口(掘り始め)の方が低く、出口(終着点)の方が高くなっているのです。

トンネル内に高低差があるのは排水のため

トンネルの中に勾配が付けられているのは、主に工事中の排水のためです。
トンネルを掘っていると、山に染み込んだ雨水や地下水脈、海底トンネルの場合には海水が染み出してくることがあります。これを「出水」といい、出てきた水は速やかに外に出さなければ工事に支障が出てしまいます。そこで、堀り始めの方を低くして、水が自然と抗口(掘り始めた口)の方に流れ出るようにしているというわけです。

トンネル工事と「出水」とは切っても切り離せない関係で、1988年の開通から2016年まで28年間もの間「世界一長いトンネル」の名を冠していた青函トンネル(青森県東津軽郡今別町〜北海道上磯郡知内町)の工事中にも複数回の異常出水事故が起きています。特に大きかった1976年5月の事故では、作業坑から最大毎分85トンもの水が出てトンネル内が約130mに渡り水没。作業員に死者も出ました。

また、出水のために工事が中断されたトンネルも少なくありません。
例えば、熊本県阿蘇郡高森町では旧国鉄が主導して県境を越える鉄道を計画し、1973年から掘削を行っていましたが、工事途中の1975年に地下水源を切断し、大量の出水に見舞われて鉄道建設は中止。
その跡地はトンネル工事や水資源について学べる資料館を併設した「高森湧水トンネル公園」として整備されています。公園に現存する掘りかけのトンネルの長さは2055mで、湧水量は現在も毎分32トンにもなるといいます。

青森県東津軽郡にある青函トンネル記念館。海面下140mの世界を体験できる「体験坑道」や施工当時の様子を知ることのできる資料の展示が行われている。
熊本県阿蘇郡高森町にある「高森湧水トンネル公園」。

1kmのトンネルで、20m登ることも

地上にある(海底トンネルではない)トンネルの場合、一般的な勾配の目安は0.5〜2%の範囲で設定されています。この勾配が1km続くと、0.5%では約5m、2%では約20mも登ることになります。

長いトンネルは山型、海底トンネルはW字型になる

青函トンネルの抗口(青森県側)と東北新幹線「はやぶさ」。

一方で、どちらが「入り口」でどちらが「出口」なのか、外見から判断することが困難なトンネルもあります。それが長距離トンネルと海底トンネルです。

長いトンネルの場合には両側から同時に掘り進めることもあります。
この場合、両端の抗口から中央に向けて緩やかに登り勾配をつけて掘っていき、結合部が一番高くなるようにするため、坑内は山形になることが多いです。

また、青函トンネルを始めとする海底トンネルの場合には、抗口から排水できないため、地上から海底のトンネル入口までは下り、その後緩やかに登って真ん中を過ぎるとまた下り、その後地上の出口まで登る……という断面で見るとW字型の構造か、両端の抗口から中央に向けて下り勾配をつけていき、中央が一番低くなるというV字の構造になっています。
これはW字、V字の凹んだ部分に水を集めて、効率的にポンプで地上に排水するためです。

青函トンネルの断面図。中央が一番低くなる、V字の構造になっています

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●熊本県観光連盟/JR北海道 参考文献●トンネル工法の「なぜ」を科学する(アーク出版)

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