中華料理と戦闘は火力、そしてバイクは積載能力がモノを言う……らしい。エイプで釣りに行くために、突発的かつどうしてもエイプ100用リヤキャリアが欲しくなったので、無謀にも自作を画策したしたというのが前回までのお話。
で、色々と調査した結果、重量物を積むにはやはりゴツイほうがよかろうという結論に至ったわけだが、エイプ用としてどの程度ならばゴツくしてもいいのだろうか……? そんなことを考えながら、なんとなくリヤキャリアの製作を開始することにしたのである。
いざ製作開始
リヤキャリアを製作するにあたり、とにもかくにも必要なのは素材となる鉄パイプと、それを曲げるパイプベンダー。
まず鉄パイプだが、ホームセンターで入手しやすいφ19.1、厚さ1.2㎜のものをチョイスした。価格も安いし、厚さもそれほどではないので加工しやすいんじゃないか?と踏んだわけだ。

直径19.1㎜、厚さ1.2㎜の鉄パイプ。ホームセンターの資材館などで、単管パイプと一緒に並んでいるものだ。2mを1本と、1mを2本購入。それでも価格は1000円ちょっと。う〜ん、リーズナブル(笑)。
お次は避けて通れない、鉄パイプの曲げ作業をどうするか? 当初はパイプの中に砂を詰め、バーナーであぶって曲げようかとも考えたが、失敗を避けるためパイプベンダーを素直に購入することにした。

パイプベンダーはインターネットショップなどで入手できる、海外製の10トンタイプを購入(価格1万5000円ほど)。ベンダーシューが6種類付属しているが、錆びていたり形状が安定していなかったりと、使う前からかなり不安なのだが……。
そして何より重要なのが固定方法だ。キタコのリヤキャリアはシート固定用ボルトとリヤフェンダーのフレーム固定用ボルトの計4本で固定している。ほかにネジ穴がないので同様の固定方法にするしかないが、それでは積載量を増やすことが難しい。

キタコ製のリヤキャリアは、左右それぞれが8mmと6mmのヘックスボルトで留められている。ちょっとした荷物なら十分だろうが、重量物を載せるとなるといささか心許ない。
そこで、まず使用しないであろうタンデムステップを取り外し、ここからキャリア固定用の「足」を伸ばすことにした。それなら重量物を搭載してもへこたれることはないだろうし、キャリアの面積も拡大することができると踏んだわけだ。

車体の形状を見る限り、タンデムステップのステーを利用してキャリアを支えるステーを出す方法がよさそうだ。ここなら強度も問題ない……はず? タンデムステップを取り外し、差し金を当てて角度のチェック。複雑な曲げを行わずとも問題なさそうだし、結構いけるんじゃないか?
あとはどのような形状であれば製作しやすいかを考えつつ、現物合わせでパイプを曲げればいいわけだ。
無論、そう簡単にいかないわけで
というわけで、さっそく作業を開始。
とは言ってもパイプベンダーがどの程度使用できるのかわからないので、手探りで作業を進める必要がある。さすがに心配なので、試しにパイプをそのまま曲げてみることにする。

鉄パイプをパイプベンダーへセット。油圧シリンダーがせり出してくると、ベンダーシューのアールに沿って部材が曲がるという寸法だ。
部材をセットしたら、油圧シリンダーのレバーをエッサホイサと上下に動かす。徐々に手応えが出てきて、「お、今曲がっているな」という感覚が伝わってくるのだが、しばらくするとその手応えが「フッ」となくなってしまった。なにごとかとベンダーシューをのぞき込んでみると……。

あ、これはあかんパターンや……。
……ものの見事にポッキリ折れてしまった。
これではどうにもならないので、パイプ曲げでは必須とも言える「内部に砂を詰めてみる作戦」で再挑戦してみる。

パイプの端部に、木の丸棒で栓をする。多少径が合わなくても、先端さえ噛み込んでくれればOK。あとはハンマーか何かでたたき込んでしまえばいい。

片側に栓をしたら、砂を流し込んでもう一方にも栓をする。ちなみに砂は極力透き間がないように流し込むのがいいらしい。 プロは砂を押し固めるのに、エアハンマーなどで徹底的に押し固めるのだとか……。さすがにそこまではできないので、丸棒とハンマーで極力突き固めることにした。
砂を詰めたパイプを先ほどと同じようにベンダーへセットし、せっせと油圧シリンダーを動かしていく。すると、先ほどとは打って変わって、パイプがきれいなアールを描いて曲がっていく。おお、これは意外と面白いぞ……!

ようやく素直に曲がってくれた。ベンダーシューの径とパイプの径が異なっていたのが原因なのか、それとも砂の詰め方が悪かったのかはわからないが、パイプが若干つぶれてしまった。こればかりはまぁ仕方ないか……。
ひとまずは問題なく曲げられそうなのがわかったので、ようやく本番の曲げ作業を行ってみることにしよう。
今回は釣り道具を満載することが前提なので、極力キャリヤのスペースを大きく取りたい。キャリヤを装着することで全長が変わらないようにしなければならないが、全幅はハンドル幅以内に収めていれば大丈夫……だったはず。ということで、キャリアの幅は40cmにして、できる限り広く取ることにした。

ここまで検証したことを踏まえていざ曲げ作業を開始。曲げすぎないよう差し金を当てつつ、慎重に曲げていく。

ひとまず1本目が完成。これがタンデムステップからシート後方まで延びる足の役割をする。ここにキャリアを溶接するという寸法だ。
幅40cmというサイズを基本にして、各部の形状を考えつつ曲げ作業を行う。1本目が曲げ終わり、キャリア部分となる2本目の曲げを行ったところで、エイプの車体に仮留めして寸法やバランスの確認を行ってみることにした。
すると……。

自身の描いた設計図どおりにパイプを曲げ、仮組みをしてみたのだが……。うーむ、なんだか仰々しすぎてまったくもってスタイリッシュではないではないか。
強度優先で径の太い鉄パイプを使用したのもマズかったか。これはさすがに格好悪いなぁ……。
できる限り曲げる回数を減らしてラクをしようと思ったことがアダになったのか、かなり仰々しいビジュアルになってしまった。やはりきちんとした設計図を引くなり、塩ビパイプなんかでダミーキャリアを作るなりしたほうがよかったかもしれない。うーむ、これはさすがに失敗だなぁ……。
もっと簡単にできるかと考えていたリヤキャリア製作であるが、その想定から逸脱して、いきなり迷走を始めたようである。うぬぅ、これはきちんとした形になるのか? というか、そもそも釣りに行けるのか?
というわけで、続きは次回!
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