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初心者ライダーにとってはバイクライフをスタートさせる最初の相棒として、ベテランライダーにとってはチョイ乗りを楽しむセカンドバイクとして、リターンライダーやビジネスライダーにとっては日常の移動を快適にしてくれるデイリーユースバイクとして……今、様々なカタチで支持を集めているのが「ゲンニ」と呼ばれる原付二種バイクです。
そんな“手軽に乗れる”というイメージのある「原付二種」ですが、手軽さのためには欠かせない足着きはどうなのでしょうか。
この記事では身長159cmの女子ライダーが、ホンダの原付二種モデル6車(ダックス125/モンキー125/CT125・ハンターカブ/クロスカブ110/スーパーカブC125/スーパーカブ110)の足着き性をチェックします。
CT125・ハンターカブ「シート高は800mmの大台!! かかとの浮きは6cm程度」
スーパーカブC125をベースとしてトレッキング性能を追求して開発されたCT125・ハンターカブは、アクティブ系カブシリーズの上級車。
荷掛けフックを4カ所に備えた大型の専用リヤキャリヤが搭載されており、キャンプ道具などの大荷物も余裕をもって積めるのも長所です。エンジンは低中速域での力強さを重視した出力特性が特徴であり、2022年12月発売の最新型では、出力特性はそのままに最高出力をアップさせつつ最新の排ガス規制に対応しています。
そんなCT125・ハンターカブ、シート高こそ800㎜の大台ではありますが、車体が細いのと、クロスカブ110と比べてシートが少々前に長く、着座位置の自由度が高いため、前の方に座れば足着きは悪くないと感じます。それでもかかとは6cmほど浮きました。
アップマフラーと特大リヤキャリヤの視覚的な圧が強いのですが、嵩張るパーツはほとんどライダーよりも後ろについているため、運転中の視界はスッキリ。またがってしまえば車体も軽く、恐怖感はゼロです。
クロスカブ110「車体がひょうたん型でまたがりやすい!! かかとの浮きは4cm程度」
クロスカブ110は、スーパーカブ110をベースにアウトドアイメージのスタイリングと装備を採用したモデルです。2022年型からは、力強さと心地良い伸びを感じられるロングストロークの新エンジンが搭載され、前後キャストホイール&フロンディスクブレーキも採用されました。ハンターカブほどではないものの、大きなリヤキャリアを搭載しており、ちょっとした荷物からレジャー用品まで十分に積載することが可能となっています。
そんなクロスカブ110、車体を真上から見るとひょうたん型のシルエットで、中央がキュッとくびれているため見た目以上にまたがりやすいのが印象的です。ライダーの足周りに干渉してくるものがないので立ち乗りも容易。一方で、着座位置がハンターカブに比べると後ろ寄りなので、シート高784mmから想像するよりは若干足着きが悪くなってしまいます。かかとは4cmほど浮きました。
モンキー125「肉厚クッションは座り心地最高!! ただし足着きはやや犠牲に……」
初代からホンダを代表するレジャーバイクとして高い人気を誇る「モンキー」。125ccモデルとして再登場してからも、シンプル、コンパクト、愛らしさといった魅力をしっかりと継承しつつ、ボディ&走りをスケールアップしています。
2021年型から搭載されているエンジンは従来よりロングストローク化が図られ、力強い走りを実現しつつ最新排ガス規制にも適合させており、トランスミッションも4速から5速に変更されています。
そんなモンキー125は、肉厚なシートのクッション性がとても高く、座り心地最高。引き換えに足着き性はやや犠牲になっている印象を受けます。かかとの浮きは5cm程度ですが、大きく開脚して足を下ろすことになるので、同じくらいの足着きになるダックス(後述)と比べても安定感が失われ、今回試乗した6車のなかでは体感的には最も足が着かないと感じました。とはいえ、車体も軽く、目線も低いので、恐怖感はありません。
ダックス125「前後に長く、フラットなシートでライポジの自由度が高い!! かかとの浮きは5cm程度」
モンキーと同様、初代からホンダを代表するレジャーバイクとして高い人気を誇る「ダックス」。2022年に登場したダックス125は、スリムで特徴的なスタイルをモダンにアップデート。タンデムライドの快適性にもこだわり、ダブルシート&グラブバーが装備されています。
エンジンはモンキー125と同型のものが搭載されていますが、5速マニュアル(ハンドクラッチ)のモンキーと異なり、自動遠心クラッチと4速トランスミッションが採用されています。
そんなダックス125の車体はコンパクトですが、シートが肉厚なのでかかとが5cmほど浮きます。フラットで前後に長いシート形状のため、どこに座っても足着きはほとんど変わりません。775mmのシート高に対してハンドル位置が低く、かなり後方に着座しても手が届くのでライディングポジションの自由度も高い印象です。今回試乗した中では最も前傾姿勢になりました。
スーパーカブC125 「ほぼベタ着きだがかかとはうっすら浮く」
スーパーカブC125はレッグシールドからリヤフェンダーへと滑らかにつながるスーパーカブシリーズの特徴的なデザインをモダナイズ、先進の装備も搭載し、上質感を追求したモデルとして2018年に登場しました。
搭載されるエンジンは低振動と低ノイズを追求した設計で、シフトフィーリングもスムーズ。2021年型では最新の排ガス規制に適合しつつ、最高出力と燃費向上を達成しています。
そんなスーパーカブC125。シート高738mmのスーパーカブ110に比べると、780mmと顕著にシートが高いものの、その差をあまり感じないほど足着き良好。両足はうっすら浮く程度で、ほぼベタ着きと言ってもいいでしょう。スーパーカブ110に比べると若干膝とハンドルグリップの位置が近い気がすします。それでも全体的にはスペースに余裕のある作りで、自然な体勢で乗れるのがうれしいですね。
スーパーカブ110「文句なしの両足ベタ着き!! ママチャリに近いライポジで乗りやすい」
スーパーカブシリーズのスタンダードモデルであるスーパーカブ110。
2022年型から軽量で頑丈なキャストホイールとパンクの際の修理が楽なチューブレスタイヤが採用され、さらに優れた制動力を発揮するフロントディスクブレーキと車輪ロックを回避できる1チャンネルABSも標準装備。110ccモデルでありながら、C125の足周りと肩を並べています。
その他にも、買い物に便利な荷物用フックや盗難防止効果の高いメインスイッチ一体式のハンドルロック機構など、実用性の高い装備を採用する堅実さもスーパーカブ110の特徴。風や泥はねなどをしっかりと防いでくれる大型のレッグシールドは、もはや実用装備にとどまらずスーパーカブのスタイリング上の「象徴」と言えるでしょう。
そんなスーパーカブ110の足着きは、文句なしの両足ベタ着き!! シート高738㎜で、今回試乗した他のモデルと比べると全体的に脱力して乗れる印象です。一般的なママチャリに近いライディングポジションなので、ライダーの体格を問わず窮屈感なく乗ることができそう。C125と比べるとエンジンが車体から出っ張っているので、くるぶしグリップしやすいのも嬉しいです。
まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●山内潤也/北村誠一郎