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ここ数年、自分が住んでいて愛着のある地域名をナンバープレートに表示される地名に選ぶことが可能な「ご当地ナンバー」や、その地域特有のデザインが施された「地方版図柄入りナンバープレート」の取得がプチブームになっています。
事実上の取得費用として数千円程度の「寄付金」はかかるものの(通常ナンバープレートの取得費用と変わらない場合もあります)、本来ただ数字が羅列されただけの味気ないナンバープレートを華やかなものにし、郷土愛や個性を主張できるのが人気の秘訣のようです。
「ご当地ナンバー」そもそもなぜ始まった?
そもそもご当地ナンバーとは、従来の「自動車検査登録地」以外で、自治体が希望する独自の地名を表示したナンバープレートのことを指します。
かつては「自動車検査登録地の地名」をナンバーに記載するという決まりがありました。しかし、神奈川県の湘南に自動車検査登録地が新設され、1994年に新たに「湘南」ナンバーが導入されると、地名の持つ良好なイメージから、全国から取得希望者が相次いだといわれています。
これをきっかけに、各自治体が国土交通省に独自ナンバーの導入を要望したことで正式に導入が決まり、2006年に運用がスタートしました。
「ご当地ナンバー」となる地名の選定には「全国的に認知されている」等の他いくつか条件があるものの、従来の「自動車検査登録地」も含めたナンバープレートに使用される地名は2020年5月時点で全国に134種あり、現在も新たな自治体を募集中で、採用される地名は2025年5月頃に発表される予定なので、今後も増えていくでしょう。
「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」実は別モノ
また、「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」は厳密には異なります。後者は、比較的最近の2018年10月から交付がスタートし、地名だけでなく、その地域の特色がデザインされたナンバープレートのことを指します。
交付当初は全国41種類だった「地方版図柄入りナンバープレート」でしたが、こちらも2020年に新たに17種類が追加され、現在は合計58種類あります。また、2020年から追加募集されたご当地ナンバーは、応募条件として「地方版図柄入りナンバープレートを導入すること」も課されました。
住んでいない自治体の「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」は取得できない
魅力的な「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」。特に「地方版図柄入りナンバープレート」には、人気アニメや漫画のキャラクターがデザインされたものや、可愛らしい動物がデザインされたものなど、その自治体に住んでいない人でもほしくなってしまうようなデザインのものが多くあります。
しかし、結論から言えば、好きな地域の「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」を取得することは残念ながらできません。
クルマや排気量126cc以上のバイクは自身が住んでいる(住民票のある)土地の自動車検査登録地でナンバーを取得しなければいけません。125cc以下のバイク(原付一種、二種)は役所でナンバーを取得することが可能ですが、これもまた、ナンバーは自身の居住地の役所で発行手続きを行う必要があると同時に、住民登録もしくは住所が確認できる書類が必要になります。
どうしても好きな地域の「ご当地ナンバー」と「地方版図柄入りナンバープレート」を取得したい場合は、その地域に引っ越すなどして、免許証および住民票の住所を変更した上でナンバーを取得する他ありません。
一方、図柄入りナンバーについては、花柄や2025年大阪・関西万博の開催を記念した「全国版」も用意されており、こちらは日本各地どこからでも申し込むことが可能となっています。
レポート●糀本拓也 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実