ナンバープレートをリヤフェンダーの奥に取り付ける異色カスタムは、是か否か?

1.「裏ペタ」という不思議なカスタム
SS系やストリートファイター系のカスタムバイクで、時折見かけることがある「裏ペタ」。要はナンバープレートを、リヤフェンダーの内側に貼り付けるカスタム(!?)のことです。いつ頃から現れたのかは定かではありませんが、ナンバープレートをリヤフェンダーの奥のほうに装着して、後輪で隠すように走行しているカスタムバイクですが、これは違反になるのか? ならないのか? どうなのでしょう。
2.もちろん違反です
ネットや動画サイトでは「年式によってはセーフ」「ギリギリ大丈夫そう」という画像投稿やコメントを見かけたりしますが、マシンの画像を見る限り、そのほとんどが違反に抵触するものとなっています。
裏ペタにより、ナンバープレートにリヤタイヤの一部が被っていたり、そもそも標示されているナンバープレートが傾斜していることで番号等の読み取りが困難となってしまっています。
ナンバープレートは本来、道路運送車両法により取り付ける位置等を定められています。なので、ナンバープレートを見えづらい位置に装着したり、あえて見えなくする装着方法等を行うと「番号標表示義務違反」となってしまいます。
また、裏ペタと同様に、ナンバープレートを被覆(ナンバープレートカバーやガムテープ等の貼り付けで隠すなど)してナンバープレートの識別を困難にしている場合も違反となります。
そのほか、ナンバープレートを水平に装着したり、ナンバープレートを折り曲げたり、ナンバプレートに袋を被せたり、ペンキや泥等を塗り付けたり、雨降りに付着した泥をこびり付かせたままにしていたり、番号を見にくくすることも同様です。
そして、裏ペタの様にそもそもナンバーの装着方法に疑義が生じる恐れがあるバイクは、そもそも車検が通りません。車検のない軽二輪や原付一種/ニ種のバイクに関しても、車検がないから大目に見てもらえるということはありません。
バイクではありませんが、四輪車の字光式ナンバーの配線を切って番号を見にくくすることも違反となりますし、車内ダッシュボード上にナンバープレートを置く(いかに前方から登録番号が判別出来る場合であっても)行為も「確実に取り付けた」ものとは解されないので「番号標表示義務違反」となります。
余談ですが、夜間、ナンバー灯(番号灯)のライトの部分のみをガムテープなどを貼ってその光を遮り、結果としてナンバープレートを読み取りにくくした場合は、ナンバー灯(番号灯)の無灯火の違反となります。

平成28年4月の改正で厳格化されたナンバープレートの表示方法
3.装着方法が厳格に決められている
ちなみに、ナンバープレートの装着に関する基準については、度々改正されていますが、現在は平成28(2016)年4月から施行の道路運送車両法施行規則等の一部改正で、より厳格化されました。
●ナンバープレートを覆うカバーの装着禁止(透明も不可)
●水平以外の回転させた取り付けの禁止
●被覆で文字が見えなくなることの禁止、全ての文字が見えなければならない
●ナンバープレートの折り曲げ禁止
そしてバイクの場合、ナンバープレートの取付け角度は上向き40°~下向き15°、左右向き0°とされています。
昔は車検に通ったのに、今は通らないという話はよく聞きますので、注意が必要です。



4.捕まったらどんな罪になるの?
ちょっとした整備不良程度に考えてしまい、安易にナンバープレートを曲げたり、フェンダーの裏にナンバープレートを隠すように装着している方もいると思います。しかし、これも意外と面倒なことになるのです。
というのも原付一種/ニ種以外のバイク(つまり軽二輪、自動二輪)での「番号標表示義務違反」は、いきなり刑事事件として扱われてしまうからです。反則切符(青切符)などで処理される軽微な違反とは訳が違います。
「番号標表示義務違反」は違反点数2点、50万円以下の罰金(道路運送車両法)となります。また、軽自動車および車検のない二輪の小型自動車についても道路運送車両法第73条第一項により、番号標の表示義務が規定されています。
5.小型特殊自動車及び原動機付き自転車は別
一方で、小型特殊自動車及び自動車以外の原動機付き自転車については、番号標の表示義務が規定されていません。
しかし、原動機付き自転車等に関してもナンバープレートをきちんと装着していない場合には「公安委員会遵守事項違反」として取り締まり対象となり、交通反則切符(青切符)で処理される違反の対象となってしまう可能性があります。
6.「取り締まりを受けない」は、都市伝説!?
これは都市伝説かもしれませんが、ナンバープレートを裏ペタ(隠蔽)しても捕まらないとう話をたまに聞くのですが、もちろんそんなことはありません。違反行為であることは間違いないので、取締りの対象となってしまいます。
また、警察官はナンバープレートを確認する癖が付いているので、ナンバープレートの隠蔽工作等をしていると間違いなく目を付けられます。仮に検挙されたことがないという方がいれば、たまたまなのかもしれません。
7.とは言え……
これはちょっと聞いた話なのですが、裏ペタ等のナンバー隠蔽はいきなり刑事事件(基本事件)として扱うことになる可能性があることから、交通警察官としてはあまり扱いたくないらしいです。
なぜなら、通常の交通取締りで使用する反則切符などに比べて手間も時間も掛かり、正直、労力ばかり掛かるので警察官としてもあまり扱いたくないとか……、あくまでも一部で聞いた話なので真意は明かりませんが。
8.声を掛けられやすくなり、違反の可能性は高まる
そして、ナンバープレートを見えにくいような細工をしていると、交通違反として検挙される以前に、警察官から声をかけられやすくなるのは事実です。
ナンバーを隠蔽しているイコール、何らかの犯罪に使用されている車両又は盗難車両等の可能性があると勘繰られてしまうからです。俗に言う「職質対象車両」となってしまいます。これは四輪車も二輪車も同じです。
9.「裏ペタ」により別な違反になる場合も
番号標表示義務違反の他にも、裏ペタをすることによって他の違反に問われることがあります。裏ペタをすることによって大事な保安部品が取り外されている可能性が高いのです。それは、ナンバープレート付近に装着されていることが多い反射鏡(リフレクター)です。
裏ペタ等ではなくてもフェンダーレスカスタム等をしている車両にも多いのですが、フェンダーレス化に伴い、純正リヤフェンダーに装着されていた反射鏡も一緒に取り外されてしまうことがほとんどだからです。
反射鏡が装着されていない車両も、立派な整備不良車両として検挙されてしまうので注意が必要です。
最後になりますが、バイクに乗っており、特に車両のカスタム等を好んでされる方で、ナンバープレートが邪魔臭い、格好悪いと思っている方もいるかもしれません。
しかし、勢いでカスタムして公道を走行してしまうと、思いがけずパトカーや白バイに止められてしまうことがあります。カスタムする際には、慎重に下調べをしてから行いましょう。
文●睦良田俊彦 写真●睦良田俊彦、モーサイ編集部
睦良田 俊彦(むらた・としひこ) 1986年北海道生まれ
趣味:クルマ、バイク
歯科技工士を経て警察官となり、約15年間勤務(白バイ隊員歴約10年)。警察学校卒業後は約3年半の交番勤務を経て交通部門へ。白バイ警察官として第一線で交通取締りをメインに活動し、ライダーのための安全講習、交通安全啓発イベント、マラソン大会先導、大統領車列先導など、様々な経験を重ねてきた。
県警主催白バイ大会での優勝経験もあり、白バイ新隊員の育成などにも携わった後、巡査部長の階級で依願退職。現在は退職後の夢でもあったライディングレッスンなど、ライダーのためになる活動が出来る場を作るべくYouTuber「臨時駐車場チャンネル」として活動。バイクイベント等に積極的に参加し、出身の北海道で開催のライディングレッスンで講師も務めている。

































