ウエア

“護る”最新アイテム「DAINESE GPS内蔵エアバッグモデル」

“究極のセーフティ”を続々と市場へ投入
GPS内蔵エアバッグモデル増加中!「DAINESE」

●エアバッグが作動すると約5㎝の厚さで均等に膨らみ衝撃を吸収。この“均等に膨らむ”技術はダイネーゼ独自のものだ。もちろん、ジャケットやレザースーツは膨張後の厚さを考慮して製作されている

アクシデント発生時にライダーを守る究極のシステム、エアバッグ。その先駆者であるダイネーゼでは、Dエアーと名付けられたワイヤレス式エアバッグをリリースしている。
「2014年に全世界でDエアーをリリースして以降、弊社では作動した3000台以上のエアバッグの交換を行いました。つまり、世界中で3000人以上のライダーの命を救ったことになります」 そう語るのは、Dエアーシステムについて話を伺ったダイネーゼ社日本総代理店・ユーロギア代表の勝川久也さん。

●ユーロギア代表・勝川久也さん。「まず最高の製品を開発し、次に安価で普及させていくのがダイネーゼ社の特徴。性能に妥協はありません」

Dエアーシステムの特徴は大きく分けて2つ。ワイヤレス式であることと、GPSを内蔵していることだ。
バイクとライダーをつなぐワイヤーが事故発生時に外れてエアバッグが作動する方式と異なり、ワイヤレス式はエアバッグシステムがライダーの状況を常にチェックする必要がある。そのためDエアーは、3つの角度センサーと3つの加速度センサー、GPSという計7つのセンサーを搭載し、1秒間に1000回ものセンサリングによって事故発生時にエアバッグを作動させるか否かの判断を行っている。このときGPSは速度を検知して作動の判断に活用するとともに、アクシデントの状況や場所の記録にも使われる。このデータはシステム交換時に回収され、製品にフィードバックしているという。

●センサーやGPSなどDエアーの電子システムはバックプロテクター上部に内蔵されている。なお、事故に遭いエアバッグが作動しても、ウエアが無事ならメーカーでユニット交換できる

「GPSを搭載せず、加速度センサーのみでライダーの動きを解析するシステムもマーケットにはありますが、弊社では速度もエアバッグ作動を判断する重要な要件だと考えています。ですので、レース向けのDエアーレーシングは、50㎞/h以下では回転を伴う転倒でなければ動作しない、という判断ができるのです」

●付属のUSB充電器なら6時間で満充電となる内蔵バッテリーにより、最長24時間作動する

事故の最初の衝撃は事故発生から僅か0・08秒で受けることが多いというが、Dエアーが展開するまでのタイムラグはそれよりもはるかに短い。ストリート向けのDエアーロードはヨーロッパの法規基準である「45㎞/hでクルマに45度以内の角度で衝突」した場合、0・015秒で作動判断を行い、続く0・03秒でエアバッグが膨張する。両者を合わせた完全膨張時間は0・045秒だ。この僅かな時間で作動するのは、レースシーンを含めた膨大なデータを持つダイネーゼならではのもの。

●システムの状況やバッテリー残量は左腕のLED表示で確認可能。走り始めると消灯する

「作動のアルゴリズムを作るのに必要なのが、データです。ストリートだけでなくMotoGPなどレース活動でのデータも持っているというのが、Dエアーの強みですね」

●写真は「DAINESE CYCLONE D-AIR JACKET」価格:27万円 サイズ:44〜60 カラー:ホワイト×ブラック 防水透湿性素材ゴアテックス製のDエアー内蔵ライディングジャケット。6つのセンサーとGPSにより、左右それぞれ45度の角度内の衝突と、回転を伴うハイサイド、スリップダウン(回転の有無は問わない)時にエアバッグが展開しライダーを守る。なお、Dエアージャケットは「ミサノ」に新色が追加され2色に。この「サイクロン」と「コンチネンタル」も登場し、4タイプから選べるようになった

●Dエアーのセンサーユニットは背中と肩のプロテクターとともにインナーとしてジャケット内に装着される。着脱可能な中綿入りライナーも装備している

●エアバッグ式プロテクターとしてはもちろん、背中と肩、肘のプロテクターもCE規格をクリア。総合的に衝撃を吸収してくれる

●胸に大型エアインテークを、背中にはエアアウトレットを装備。ウエストベルトや腕のボタン式フラップでフィット感の調整が可能

●ダイネーゼ「Dエアー」システムの研究が始まったのは1994年。2000年にはすでにサンプルを使ったテストが行われ、11年にはMotoGPなどレースに実戦投入。ストリート向けは12年にヨーロッパ、14年には全世界で市販化された

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