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歴史を彩った名車シリーズ BMW R100RS

それはモーターサイクルの新しいカタチを創造するところから始まった

’60年代までは伝統を重んじる保守的なメ−カー、と呼ばれることが多かったBMW。そんな同社にとってターニングポイントとなったモデルが、’76年にデビューしたR100RSだ。量産車初のフルカウルを採用した同車で、明確な手応えを感じたBMWは、以後はさまざまな分野を新規開拓すると同時に、次世代を見据えた新技術を次々と開発。R100RSの登場から十数年が経過するころには、かつての保守的なイメージはほとんど消え去っていた。

’70年代を代表するBMWと言ったら、多くの読者が頭に思い浮かべるのは、’73〜76年に販売されたR90Sか、’76年から発売が始まったR100RS、あるいはそれらの基盤となった’69〜73年型R75/5だろう。もっとも僕としては、その3台の中で最も重要なモデルは、R100RSだと思っている。R75/5とR90Sが、既存の2輪の手法を踏襲する形で生まれたのに対して、R100RSの開発目的は、モーターサイクルの新しい形を創造することだったのだから。

そう、R100RSはモーターサイクルの新しい形、具体的に言うならスポーツツアラーというジャンルの基盤を作ったモデルなのだ。その象徴と言えるのが、快適性に加えて高速域でのダウンフォースを意識して開発された量産車初のフルフェアリングで、純正オプションとして設定されたクラウザー製パニアケースも、当時のロードバイクでは珍しい装備だった。いずれにしても、大排気量・高出力化とカタログデータの向上が命題だった’70年代の2輪業界で、R100RSが示した方向性は非常に画期的で、以後は数多くのメーカーから、BMWの姿勢に追随するスポーツツアラーが続々と登場することとなったのである。

 

文字盤は刷新されているものの、計器類の構成はR90SやR100Sと同様。カウル側の小径メーターは電圧計と時計だ。

R75/5に端を発するOHV2バルブフラットツインは、当時のBMWで最高値となる70psをマーク。4本フィンの角型ヘッドカバーは’76年型以降の特徴だが、昨今では’75年型以前の標準だった、2本フィン仕様に変更するオーナーが多いようだ。

キャブレターは負圧式のビング。RSの口径が40㎜であるのに対して、ベーシックモデルのR100/7は32㎜を採用。

前後ホイールはBMW初のアルミキャストだが、極初期のモデルにはスポーク仕様が存在。当初はアーテだったフロントブレーキキャリパーが、ブレンボに変更されたのは’81年型からで、この年式では同時にリヤのドラム→ディスク化も実施。

従来はダイレクト式だったシフトペダルは、R100RS以降はリンク式に変更。タンデムステップは多少の位置調整を前提にした構成。かつてはギヤボックス後部に装着されていたキックアームは、/6シリーズの途中からオプション扱いになった。

 

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