バイクライフ

MT-25がRZに!? 快速ランナー【RZ25】横浜のカスタムショップ「モトドーウェル」の野心作に肉迫!  Part.1

■タイトル写真:赤タンク仕様の初期型からオーナーに引き渡し前の最終仕様まで、3台が勢揃い。それぞれの仕様が少しずつ違っているのも注目ポイント。

限定33台はすでに完売ながら、是非見ておきたかった「RZ25」  

東名高速の横浜町田インターからほど近い場所にある、ショップ「モトドーウェル」。兼ねてからじっく拝見してみたいと思っていた車両群を、同店のご協力で細部まで見させていただきました。

そのひとつが、モーターサイクルショー等で話題になったショップカスタムの「RZ-25」。車名の通り、往年の名車RZ250をモチーフにしたモデルで、ベース車両は4ストロークネイキッドスポーツのMT-25。相当な手間をかけ、同車をRZイメージに昇華させたことがひしひしと伝わってくるモデルです。

初期・中期・後期の分かりやすい相違点。モトドーウェルオジリナルマフラー「アナコンダ」のエキパイの作り方、繋ぎの数などでいつ頃の製作かが分かりそう。

ネット上で多々話題に上った事もありましたが、原型となったMTの車体構成をここまで作り込む意気込みや苦労は、ほかのWeb記事や画像を見て察する事が出来ました。

実は以前、モトドーウェルの女性CEO・菅野さんらが作り上げたkatana”フォーエバー”の撮影にお邪魔したことがあり、その際にもこのRZ25の存在は気になっていました。限定33台で製作されたRZ-25は既に完売。今のところ再生産予定はないようですが、その出来栄えを是非見ておきたいモデルであったし、今回の撮影では、初期型と中期、最終仕様(オーナー車)の3台を揃えて下さっていたのは大変有難いことでした。

美しい白タンク仕様の最終モデル。他の2台との主な相違点としては、ブレーキがブレンボに変更されている点が分かりやすいが、細かい部分もマイナーチェンジされて熟成。
中期(?)に作られ、オーナーはスポーツ走行も楽しんでいる車体。こちらがRZ25の標準モデルと言えそうです。別の部分もこの中期仕様をメインに撮影したので、ご覧ください。
赤タンク(これも懐かしい)仕様のRZ25初期モデル。正立フォークが似合っていると感じるのは、筆者がRZ250発表当時にRD250を愛用していたためか、倒立に微妙な抵抗(?)を抱くせいかも。

妥協なき試行錯誤と意見のぶつけ合いから生まれた「フルカスタム」

製作にあたっての考え方としては、気軽に乗れる古き良きデザインのバイクを、現行車で再現してみたかったとのこと。しかも「”RZ250のフルカスタム”をイメージしつつも、乗りやすさや利便性は犠牲にせずにカッコ良くしたかった」と。

とはいえ、元々初代RZのフレーム構成やステアリングヘッドの位置を意識しつつ、MTのオリジナルからRZ風タンクへの換装も必要となれば、軽度なカスタムで済むとは思えません。実車からは、相当苦心されたのではという部分が散見されました。

タンクはFRP製のカバー内にインナータンクを内蔵する構成。上面はフラットにまとめられており、タンクキャップは飛び出していません。
やや幅を感じさせるタンクに対して、テールカウルはスリムな印象。
初期仕様のエキパイは中間部分の分散度が少し広かったとのことですが、悪くない印象。
中期仕様のエキパイ。繋ぎの溶接箇所が俄然増え、作業の手間が大幅に増えたかも?
最終型のエキパイは、中期仕様の連結を踏襲して熟成。

初期の仕様から、菅野代表と当時在籍していたメカニック氏の”良いものを作るための口闘”は熾烈だったようで、雇用主と従業員の主従関係を時には忘れたかのような意見のぶつかり合いも少なからずあった模様。菅野さんの知らぬうちに、材質がより高品質なものに変わっていたなど、コスト度外視なメカニック氏の“信念の暴走”(?)が発生したり、別の箇所の車体変更でも、法的に問題のない方法をめぐって菅野さんとメカニック氏とでぶつかるなど、賑やかなプロセスを経てきたことが伝わってきました。

初期仕様と後期仕様での、エキパイ(モトドーウェルオリジナルの「ツインアナコンダ」)の構成の違いは分かりやすい部分ですが、一見すると分からない箇所にも、互いに”より良いものを作りたい”ための衝突があったそうです。何かを作ってもすぐ改良を考え、そこで立ち止まる(満足する)ことがないのでしょう。

オーナーのリクエストでキャリパーがブレンボに、サポートはオーバーの製品を採用。
最終仕様のサイレンサー周辺のリヤビュー。リヤもブレンボのキャリパーに変更。
MT用のタンクをベースに構造変更したインナータンク。寸法の変更や耐圧実験で手間がかかったという力作。
内側のパイプ類もしっかり作り込まれて、安全性や燃料の流れをよく考えてあります。
タンクの構造変更のための作業、なんと、ディスクサンダーでこの形状にオリジナルのMT用タンクを切断していたようです。

常に進化させたい意識は、実は菅野さんのラジコン製作でも以前から見られており、筆者(小見)は今はなきモーターサイクリストの姉妹誌「ラジコンマガジン」の撮影現場や知人からの談も含め、ご本人のラジコンにおける奇想天外なアイデアや改良の実行力を知っていました。そんな彼女のクロスオーバーで柔軟な思考は、これからも続いていく事でしょう。

RZ25中期仕様・車体と細部紹介

倒立フォーク&TZを思わせる赤フェンダーが特徴の中期仕様。うまくまとまってますね。
RZ25中期仕様の反対側、後方からのスタイリング。
オーバーのステップとリヤサスのYSSが見える。サスは今後セッティング変更したいそうです。
元祖RZのイメージそのままのサイドカバー。よく出来てます。
この中期仕様はブレーキ周りは純正を流用。制動力は十分でしょう。
マスターシリンダー付近とブレーキフルード用タンク。ここは変更されている模様。
こだわりのヘッドライトにはネコのマークが!
このヘッドライトハウジングは鉄製で、しっかりした造り。
ウインカーは小型で洒落てますね。オレンジのウインカーも似合ってます。
オーナーがスポーツ走行を楽しんでいるらしいコクピット周り。
シートレールの加工やテールカウルのラゲッジスペースに、苦心が偲ばれます。

なお今回のRZ25に続き、モトドーウェルのカスタム車の後編では、直近で話題になった現行カタナをベースにした”刀フォーエバー”からさらにオーナーが手を入れたカスタム車、そしてリトラクタブルヘッドライトを搭載した3型刀のイメージを菅野流に解釈&作り直された新たな力作”リトラ”を紹介します。ご本人自ら「製作途中に発狂しました」と言うほど複雑なリトラクタブルのKATANA Rも必見ですので、乞うご期待!

謎のミニバイクと刀のプラモ(田宮御謹製)でご満悦のモトドーウェル菅野代表。

取材協力:モトドーウェル

https://www.motodowell.com/

レポート&フォト●小見哲彦

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