ヒストリー

生誕50周年! ホンダ・CB750Fourの東京モーターショー発表時のインパクトはどれほど凄まじかったのか?

海外ではプラハの春や五月革命、日本では成田闘争や新宿騒乱など、世界中で社会運動が活発化した’68年。
高度経済成長期の真っただ中にあった日本は、GNPランキングでアメリカに次ぐ世界第2位に躍進し、後にロングセラーとなるさまざまなヒット商品が誕生。

─ その年、量産車初の並列4気筒車となる、CB750フォアが発表された ─

文/中村友彦 写真/山内潤也 編集部

※本記事は旧車二輪専門誌 モーターサイクリストCLASSIC2019年6月号に掲載されているものを再編集しています。

 

東京モーターショーの衝撃

予兆が皆無だったわけではない。
イギリスのBSA/トライアンフは、’67年の時点で情報をキャッチしていたようだし、モーターサイクリスト誌では’68年10月1日発売の11月号に、荒川テストコースを走るプロトタイプの姿を掲載している。
とはいえ、’68年10月26日~11月11日に開催された、第15回東京モーターショーを訪れた観客のほとんどは、ホンダブース中央に展示されたCB750フォアの堂々たる姿に、ドギモを抜かれることとなった。

●’68年10月1日発売の11月号で、モーターサイクリストは開発テスト中だったCB750フォアの走行写真を、独占スクープとして掲載(右)。当時のガソリンタンクとフロントブレーキドラムはCB450K1からの流用で、4本マフラーはブラック塗装だった

●そして約1年後の’69年10月号に掲載したのが、故・島英彦さんによる輸出仕様の試乗記。当時の島さんは同年にデビューしたカワサキ500SSマッハⅢを比較対象にしながら、CB750フォアの乗りやすさを絶賛していた

その理由は言わずもがなの、並列4気筒エンジンだ。
何と言っても当時の市販2輪車の主力エンジンは2気筒で、並列4気筒はGPレーサーと一部の超高額車のみに許されたメカニズム……と言われていたのだから。

●モーターサイクリストの’68年12月号では、第15回東京モーターショーの大々的な特集を行っているものの、日程的に現場の写真は間に合わなかったようで、誌面展開は会場のイラストと事前に撮影した(と思われる)車両の写真が中心。ここに掲載する2枚の写真は、いずれもショー会場とは異なる場所で撮影した、CB750フォアのプロトタイプだ

●プロトタイプと量産車の相違点は、シート、サイドカバー、サイドカバーエンブレム、マフラー、ヒートガード、フロントブレーキディスク、リアブレーキペダル、ホーンなど。
写真ではわかりづらいものの、プロトタイプのキャブレターはK1以降とは異なる構造のリンク式のようだ。なおプロトが装着していたステアリングダンパーは、量産車では未採用。その一方の量産車は、プロトには存在しなかった後部のアシストグリップを導入している

そんな中でホンダは、一般的な量産市販車として、CB750フォアを発表したのである。
当然ながら、この車両の周囲は常に黒山の人だかりで、マシンに近寄ることさえままならなかった。
以下に当時の会場を訪れた2名の話を紹介しよう。

「2輪は4輪より展示スペースが狭かった、という事情はありますが、確かに、CB750フォアの周辺はとてつもない混雑ぶりで、私が訪れた日曜日は、ナナハンの周辺だけが一方通行になっていました。当時の私自身の印象は、ものすごいバイクが出て来たな……としか言いようがないですね。でもその一方で、本田宗一郎さんが語っていたように、〝こんな大きいバイクに乗れる人がいるのか?〟とも思いました。だから翌年以降、街中のあちこちでナナハンを見かけるようになったことも、私にとっては驚きだったんです」(ショーの写真を貸してくれた水島 豊さん。当時の年齢は20歳)

「当時の僕はまだ6歳でしたけど、親父と出かけた’68年の東京モーターショーで、CB750フォアを初めて見た日のことは、今でもよく覚えています。人込みをかき分けて車両のそばにたどり着いて、各部をじっくり見てみると、祖父が乗っていたスーパーカブとも、保育園の駐車場にいつも停まっていたCB450とも全然違った。エンジンからはパイプが4本も出ているし、車体は異様にデカいし、メッキ+黒ではないカラーも新鮮だった。何だこれは? ってね(笑)。今になって考えるとあの経験で、以後の自分の人生が決まったのかもしれません」(モーターサイクリスト編集長・関谷守正)

●’68年の東京モーターショーが開催されたのは、中央区晴海の国際見本市会場(’96年春に閉館)。CB750フォアから20mほど離れた位置では、カワサキが500SSマッハⅢを展示していた

 

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