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日本最速を争うJSB1000が、宮城県SUGOで開催
ツーリングシーズン真っ盛りですが、バイクレースも盛り上がってます。MFJの全日本ロードレース選手権が6月4日(土)と5日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されます。
最近のスポーツバイクブームでフルカウルの車種をよく見かけませんか?
そうしたフルカウル車の中で、各メーカーの最速・最高峰マシンが1000ccスーパースポーツ。それをベースにしたマシンで戦うのが「JSB1000」というレースです。いわば、日本最速のスーパースポーツを決める戦いとも言えます。


■日本最高峰の市販車ベースレース「JSB1000」のマシンってどうなっているの?
第4戦の舞台は宮城県スポーツランドSUGO
バイク好きなら絶対に知っておいて欲しいサーキットのひとつ、それがスポーツランドSUGO。1975年にヤマハのテストコースとして建設され、数々のレースが開催されてきました。スーパーバイクやモトクロスの世界選手権も行われた国際的なサーキットです。

SUGOにはオンオフ様々なコースがありますが、今回、全日本ロードレースが行われるのは1周3.621kmの「インターナショナルレーシングコース」。国内のコースとしてはアップダウンが多く、高低差が69m、最大勾配10%という上り坂もあるのが特徴です(高速道路の最大勾配は5~7%)。

この上り坂をJSB1000のマシン達が全開で駆け上る──その排気音がSUGOの森に響き渡りレースを盛り上げてくれるのです。そしてホームストレートに差し掛かると、登って来た勢いそのままに前輪が浮き上がり、目の前を駆け抜けて行く。公道では聞くことが難しい1000ccの全開音と迫力を、SUGOの全日本ロードレースで堪能して欲しいと思います。

今回の全日本ロードは5クラス開催
6月4日、5日と2日間に渡って開催されるSUGOの全日本ロードレースですが、全日本格式のJSB1000、ST1000、ST600、GP3の4クラスに加え、皆さんもおなじみのホンダCBR250RRやヤマハのYZF-R25/YZF-R3などが走るJP250クラスも開催されます。
JSB1000とST600は土曜と日曜に決勝が行われる2レース制で開催。ちなみにST1000とST600はJSBに比べ改造範囲のより狭い規則となっており、それだけにJSBとは違ったレース展開が楽しめます。出かける前にタイムスケジュールの確認をお忘れなく。

映画『汚れた英雄』の上映会などイベントも盛り沢山
レース以外のお楽しみイベントもたくさん用意されています。6月4日土曜日の夕方からグランドスタンドで伝説のバイク映画『汚れた英雄』を上映。映画の主人公「北野晶夫」が駆け抜けたそのSUGOホームストレートで観られるのです。 しかもレース観戦券があれば無料で観覧可能!
その他にもイベントが目白押し。バイクで来場した人は自分のバイクでレースコースを走れる「SUGOスーパーバイク・メモリアルパレードラン」を実施。これまたレース観戦券があれば無料で参加できます。こちらは日曜のレース後に開催予定となっています。
加えて、SUGO会場内にテントを貼ってゆったり観戦できるツーリングキャンプ(こちらは日曜の朝に特別枠でレースコースを走れる)や、4日土曜日夕方にガイド付きでコースを巡るバスツアーもあります。もちろんバイクメーカーや用品メーカーのブースも多数出店予定。
チケット購入は、前売り券はローソン、ファミリーマート、セブンイレブン等のコンビニで購入可能。またスポーツランドSUGOのオンライン会員になると、ネットからチケットの予約購入もできます。SUGOはモトクロスやトライアルの全日本戦、そして8月にはアジアロードレース選手権も開催予定。レースっていいねと思ってくれたら、こちらもぜひ観戦してみてください。
遠くから電車で観戦に来る方のために、リーズナブルな運賃(片道1080円、小学生540円)で仙台駅から臨時バスが出ます。
また初めてレースを観戦する人、または初めてSUGOを訪れる人のために、ウェブサイト内「はじめてのSUGO」というコーナーではQ&A形式で丁寧な解説があるので要チェック。「SUGOを走ってみたいのですが……」なんてクエスチョンにもしっかり回答してくれています。
2022シーズンのロードレース事情はどうなっている?
ヤマハ YZF-R1が優勢で進んでいる2022シーズンの全日本ロードレース。R1に乗る中須賀克行選手が開幕戦から連勝を続けており、チームメイトの同じくR1の岡本裕生選手が2位を3回獲得(つまりヤマハ1-2フィニッシュが3回)。22歳の岡本選手はルーキーながら先輩の中須賀選手を脅かす走りを見せています。



同じく2位を3回獲得しているのがヨシムラスズキ GSX-R1000Rの渡辺一樹選手。毎戦のように中須賀選手と熱戦を繰り広げています。鈴鹿では300km/hに達するストレートで触れ合わんばかりの接近戦を演じ、会場を大いに沸かせました。

ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード勢は健闘しているものの、表彰台を獲得したのは開幕戦3位の濱原颯道選手のみという状況。しかしホンダ勢もリザルト以上にレースを盛り上げてくれています。

4位を4回獲得している亀井雄大選手はプライベートチームの鈴鹿レーシングからエントリー。第3戦九州オートポリスは自身も含めわずか3名での参戦でしたが、予選トップのタイムを叩き出し、スタートから8周をトップを快走したのです!

さて、JSB1000を見て「自分のバイクでSUGOを走りたい」「レースに出場してみたい」と思った皆さんには、サーキットライセンスの取得をお勧めします。
モータースポーツを楽しむには、スポーツランドSUGOは最適な施設のひとつですから。
*当記事の写真は開幕戦もてぎ、第2戦鈴鹿2&4と、2020年のSUGO戦のものを使用しています。
レポート&写真●柴田直行 編集●上野茂岐