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中身の70%を刷新し、パワーアップと振動・騒音の低減を果たした新エンジンを採用
現在販売されるベスパの中で、ラージボディの車体や排気量も含めて、最上級に位置するのがGTSシリーズ。11月初旬の伊ミラノEICMAショーでは、その最新型となる新型310ccエンジン搭載のGTS310シリーズが発表された。従来の水冷278cc単気筒のストロークを63mmから70mm強に伸ばし、排気量は310cc化、出力も25hp(従来23.8hp)に向上。加えてエンジンパーツの70%以上のパーツを新しくしているという。
ロングストローク化により開け始めからトルクフルな特性を味わえ、インジェクター、シリンダー前傾角、始動システム、メカノイズを低減するクランクケースの設計、駆動ベルトの設計なども見直し、振動と騒音レベルも低減。欧州の最新排出ガス基準Euro5+に適合し、ピアッジオは「史上最高にパワフルなベスパ」とアピールする。
堅牢なオールスチール製の車体にエンジンや各種機器を搭載し、前後12インチホイールの車輪をセット。ABS付きの前後ブレーキのほか、後輪には電子制御のトラクションコントロールのASRシステムを採用し、優れたハンドリングと安定性を確保している。またメーターをマウントするハンドルバーには、円形のフルLEDヘッドライトが組み込まれ、新型GTSには従来のイグニッションスイッチに代わってキーレスシステムを新たに採用。
全体のフォルムやスタイリングは従来のGTSを踏襲しているものの、シートは足着き性に配慮した形状に最適化。加えて後席も座面を大きくし快適なシート形状に見直している。収納面では、フロントボディ背面(内側)の収納コンパートメントに、モバイルフォーンや電子機器の充電に便利なUSBポートも装備する。さらには独自の「ベスパMIA」システムも装備することで、Bluetoothを介してスマートフォンとの接続が可能で、TFT液晶メーターに各種情報の記録、表示が可能となる(GTSスーパースポーツに標準、他のグレードにはオプション設定)。
GTS310シリーズは3つのグレードに豊富なカラーラインアップを用意
なお、新たなベスパGTSシリーズには以下の3つのグレードが用意され、それぞれに特徴的な意匠、カラーリングが設定される。
【GTS310(スタンダード)】
最もスタンダードでクラシックな装いのバージョン。メタリックカラーのボディ色に、クロームメッキのモールを全体的に配して落ち着いた雰囲気が特徴。グレートーンのシート、ホイールを採用し、カラーはエンベロープ・ベージュ(肌色)、ネロ・コンヴェント(黒)、ヴェルデ・アマービレ(薄緑)の3色を用意。
【GTS310 スーパー】
1955年のVespa GS150、1965年のVespa 180SSから1985年のT5「ポール ポジション」までの伝説的なスポーツモデルの伝統を継承し、高いレベルのスポーティさを演出した仕様。ダイヤモンド仕上げのカラーリムグラファイト、パイピング付きシート、ブラックの前サススプリングを採用し、ビアンコ・イノチェンテ(白)と、ロッソ・コラッジオーソ(赤)というパステルカラーの2色とメタリックなネロ・コンヴェント(黒)の3色を用意。
【GTS310 スーパースポーツ】
GTSシリーズで最もスポーティなイメージを演出した仕様。専用グラフィックをあしらったリム、全体にめぐらされた黒いモール、オレンジステッチ入りのブラックシートを採用し、蛍光オレンジの差し色がアクセントに入る。カラーは光沢のあるブルー・エクレッティコ(水色)とビアンコ・イノセンテ(白)の2色と、マット系のヴェルデ・アンビツィオーソ・マット(薄緑)、グリジオ・トラヴォルジェンテ・マット(グレー)、ネロ・コンヴィント・マット(黒)という3色の計5色を用意。
GTS310シリーズは2025年モデルとして市場に投入されるが、日本導入時期、発売価格などは未定。
<GTS310/同スーパー/同スーパースポーツ主要諸元>
■エンジン 水冷4ストローク単気筒OHC4バルブ ボア・ストローク75×70.1mm 排気量310cc 点火方式エレクトリカル 始動方式セル
■性能 最高出力18.4kW(25hp)/6500rpm 最大トルク28.9Nm(2.95kgm)/5250rpm
■変速機 無段変速CVT
■寸法・重量 全長1980 全幅765 全高─ 軸距1380 シート高790(各mm) キャスター─ トレール─ タイヤF120/70-12 R130/70-12 車両重量─
■容量 燃料タンク8.5L
■日本導入時期・価格 未定
まとめ●モーサイ編集部 写真●ピアッジオ
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