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警察学校時代・配属後の髪型規定
今回は、昔からよく言われている「警察官はハゲている人が多いのではないか」 という巷のウワサ・疑問について、私の実体験を交えながら解説(!?)していきます。

1 警察官は本当にハゲが多いのか?
結論から言うと、警察官にハゲが多いという明確なデータや根拠はありません。ただし、「そう見えやすい理由」は確実に存在します。
警察官といえば、端正な髪型が求められる職業です。男女問わず、警察官には髪型に関する細かな規定があります。特に男性警察官は、警察学校時代から髪型についてかなり厳しく指導されます。
ひと昔前は、男性=坊主頭/女性=ショートカットが、ほぼ強制のような時代もありました。私が警察学校に入った頃から徐々に緩和されてきた印象はありますが、それでも求められるのはスポーツ刈りや角刈りレベルの短髪でした。ただし、髪型の厳しさは、担当教官の方針や警察学校長の考え方によっても多少違いがありました。
警察学校には、通常の学校と同じように何クラスかが存在し、〇〇教場などと教官の苗字ごとにクラスが分けられ、教官は各部門のスペシャリストである場合がほとんどでした。
刑事経験が長い教官、交通経験が長い教官、警備経験が長い担当教官など、担当する教官によって教場の個性や色が大きく出ます。そして、刑事経験が長い教官が担当となると、生徒達は同じ刑事を目指す人が増える傾向がありました。
少し話が逸れてしまいましたが、幸いにも私のクラスの教官は元イケイケ刑事で(⁉)「坊主反対派」だったため、自ら進んで坊主となる人はいましたが、全員が坊主頭ということはありませんでした。
2 警察署に配属されるとどうなる?
警察学校を卒業し、警察署に配属されると、髪型については警察学校よりも少し緩くなります。
男性警察官では、ほぼいませんでしたが、女性警察官の中には髪を染める人も、ちらほら出てきます。男性警察官目線からするとかなり髪色の明るい女性警察官もいたので、時折「あの髪色でオッケーなんだ…」と、思うこともありました。
部署によりますが、男性でも髪を染めていたり、長髪、髭を生やしていたりと仕事内容によっては、逆に警察官と悟れないようにカモフラージュするような容姿の方もいました。
しかし、現場にいる多くの警察官(特に新人)は基本、髪がボサボサのだらしない印象になると、すぐに「髪長いな、切れ」と上司や先輩から指導が入ります。世間一般では「普通の短髪」でも、警察官の感覚では長髪扱いされることがよくあります。
本題・警察官はなぜハゲが多く見られるのか?

3 ここからが本題「なぜハゲが多く見えるのか」
警察官にハゲが多く見える最大の理由は、「現場で目にする警察官の年齢層が比較的高いことにある」のではないかと思います。
地域警察官や交通警察官は、基本的にペアまたはチームで行動します。多くの場合、「若手警察官+ベテラン警察官」という組み合わせになるため、どうしてもベテラン=薄毛という印象が強く残りやすいのです。
さらに、警察官は短髪が基本、誤魔化しが一切ききません。これも「ハゲが多い」と錯覚される大きな要因でしょう。
4 警察官ならではの“ハゲやすい環境”
警察官、特に地域警察官や交通警察官は制帽やヘルメットを長時間着用します。頭皮に良くないとされている「蒸れ・圧迫」という環境を見事に作り出しています。特に薄毛が進行している人にとっては、かなり過酷な環境です。
さらに、「当直勤務・不規則な生活・強いストレス」これらが重なり、本来ハゲるはずではなかった人まで脱毛してしまうそんな環境であることは否定できません。
当直勤務中、事件や事故が立て続けに発生すると、24時間以上シャワーを浴びられないことは当たり前のようにあります。その間ずっと、ヘルメットや制帽を被り続ける。……頭皮からすれば、もはや拷問です。
気にする警察官が多い、ゆえに話題になる「ハゲネタ」
5 実はかなりデリケートな話
屈強な体や強靭的なハートを持っていそうな男性警察官でも、ハゲを気にしている人は本当に多いです。私の身近な先輩や上司にも、薄毛の人が多くいた時期がありました。しかし厄介なのが、ハゲをネタにしてイジる人がいること。しかもよくあるのが、ハゲがハゲをイジる地獄の構図です。
6 理不尽すぎるハゲ事件
私がまだ若手警察官だった頃の話です。
直属の上司のハゲを、さらに階級が上の警察官が執拗にイジっていました。ここは体育会系の職場。もちろん、上司のハゲ話で笑うなんて論外です。ましてや目の前に当の本人がいるのですから。ところが私が無表情で耐えていると、その階級上位者が「俺の話、つまらないか?」と、こちらを笑わせにくるのです。
「笑ったら失礼、笑わなくても失礼」という究極の二択。私は大人の対応として苦笑いでやり過ごそうとしたのですが、不覚にもツボに入ってしまい、思い切り吹き出してしまいました。
当然、イジられていた上司の怒りは私に直撃。「お前、失礼な奴だな!」と顔を真っ赤にして激昂。今となっては笑い話ですが、当時は本気で焦りました。
ちなみに、イジっていた階級上位者もしっかりハゲていました。この時にハゲネタはデリケートな問題であることを強く実感したのでした。

バイク乗りも必須「頭皮の健全化」
7 バイカーの皆さんも要注意
少しこじつけになりますが、長時間ヘルメットを被るバイカーも要注意です。特に夏場はヘルメットの中は汗だく。さらにヘルメットを脱いだ後に、乱れた髪を隠すためにキャップをなどを被るとなると、頭皮環境は最悪です。
乱れた髪を隠したいという気持ちは分かります。しかし、帽子等を被らずできるだけ通気性を確保してあげた方が、髪と頭皮には優しいのです。
最後になりますが、残酷なことに年を取ると、シワや体の脂肪は増えていくのに髪は減っていきます。特にバイクに乗られる人はヘルメットという過酷な環境がさらに脱毛を加速させる可能性があります。
ツーリング後のバイクのメンテナンスも大事ですが、頭皮のメンテナンスにも気を配ってみるのも良いかもしれません。

文●陸良田俊彦
睦良田 俊彦(むらた・としひこ) 1986年北海道生まれ
趣味:クルマ、バイク
歯科技工士を経て警察官となり、約15年間勤務(白バイ隊員歴約10年)。警察学校卒業後は約3年半の交番勤務を経て交通部門へ。白バイ警察官として第一線で交通取締りをメインに活動し、ライダーのための安全講習、交通安全啓発イベント、マラソン大会先導、大統領車列先導など、様々な経験を重ねてきた。
県警主催白バイ大会での優勝経験もあり、白バイ新隊員の育成などにも携わった後、巡査部長の階級で依願退職。現在は退職後の夢でもあったライディングレッスンなど、ライダーのためになる活動が出来る場を作るべくYouTuber「臨時駐車場チャンネル」として活動。バイクイベント等に積極的に参加し、出身の北海道で開催のライディングレッスンで講師も務めている。
































