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車検不要で高速道路も走れる軽二輪(126〜250cc)モデル「燃費は?最高速は?ホントに便利?」 素朴なギモンQ&A!

■タイトル写真:250cc並列2気筒エンジンで国産最強の42psの性能を持つホンダCBR250RR

メリットも多そうな軽二輪(126〜250cc)モデルだけど、気になる排気量や性能での不安etc.

最高出力はさほど高くないものの、オールラウンドな性能が光るスズキGSX250R(左)とジクサーSF250(右)

扱いやすいサイズとパワーであることや車検制度がないため年間の維持費が安いことのほか、高速道路も走行可能で、幅広い年齢層から人気を集めている軽二輪クラスのバイク。もちろん定期的なメンテナンスは必須なものの、車検の面倒さや出費がないだけでも維持のしやすさは段違い。展開している車種も多く、フルスケールの250ccのみならず、アジア市場をメインターゲットにして150ccや160cc、230ccなども登場している昨今。

アドベンチャーモデル風のデザインで人気のスクーター、ホンダADV160

しかし、中には「軽二輪モデルは排気量の大きなバイクに比べて大変な点が多いのでは?」と思う人もいるようで、「高速道路で流れに乗れる?」「ロングツーリングで大丈夫?」といった疑問もありそう。結論から言えば、日常使いから長距離ツーリングまでそつなくこなし「これ1台で十分!」と思えるものの、当記事ではそうした軽二輪モデルでの気になる点をQ&A方式で紹介しましょう。

ちなみにですが、当記事の筆者も経済的な面や現在の使い勝手から(都内移動とたまのワンディツーリングメイン)、ちょっと古いセロー225WEの1台持ちです。

筆者のヤマハ・セロー225WE。ヤマハは後継モデルのセロー250も生産中止となるも、是非当クラスのオンオフ系モデルの復活を望みたい

Q1:高速道路の巡航はやっぱりキツいですか?

スズキ・ジクサー150は高速道ほか自動車専用道ではほぼ最小と言える排気量ながら、100km/hは余裕で出る

A1:決してキツくはありません

法定速度の100km/hで走れない市販の軽二輪モデルはほぼありませんし、最近は振動の抑制もよく出来ているものが多いです。ただし、最近では新東名や東北道の一部、東関東道の一部に法定最高速度が120km/hの区間もありますが、あくまで「最高速が120km/h」ということ。流れを阻害するような遅い速度で走るのは考えものですが、上記の区間で80~100km/hで走っても構わないのです。

ただし、120km/hまでストレスなく速度が出せるほうが便利かつフレキシブルで、不安もないと思います。こうした性能を有する目安として、カタログ数値で最高出力20ps前後のモデルは、上記の目安になるかもしれません(筆者のセロー225WEも最高出力20ps/8000rpm)。市販される20psの公道モデルならば、よほど特殊なギヤレシオでない限り、120km/hまではストレスなく出ますし、場合によっては追い越し車線に出て前車を追い越すこともある程度できます。

一方、昨今登場してきた150~160ccモデルでは、絞り出して110km/h前後のモデルもあります。こうしたモデルにとっての高速道路は、あくまで移動区間、走行車線をキープして走るほうが無難かもしれません。ただし、遠慮がちに車線の端っこを走る必要はありません。中央付近を堂々と走っていたほうが、後方からの車間を取らない下手な追い抜きに巻き込まれなくて済み、むしろ安心だと思います。

国産250ccスポーツ系モデルは35ps~45psの数値の2気筒&4気筒エンジン車が市販されていますが、これらのモデルなら120km/hはまったくもって余裕。そして120km/h付近を境にして、風圧が強く感じられるようになるので、ウインドプロテクションや外乱への強さ、直視安定性のほうが気になってくるかもしれませんが、この点でも250ccの特にカウル付きモデルなら問題ないでしょう。

ちなみに、マイペースで走れるソロならば問題なくとも、グループツーリングで大型バイクと混走する際は、加速性能の違いなどから軽二輪モデルの不足を感じる場面はあるかもしれません。

高速道路の移動も、100km/h程度の速度がスムーズに出れば問題なし

Q2:250ccクラスは1000kmを超えるロングツーリングにも使えますか?

雄大な北の大地まで、250でもへっちゃらで行けます。写真はVストローム250

A2:安心して使えます

夏の北海道では本州ナンバーの250ccを含む軽二輪モデルをよく目にします。スーパーカブやスクーターで巡る人も珍しくありません。車体が大きく重くなれば取り回しに気を遣うようになるので、地図を見ながら初めての地を旅するなら、取り回しが楽なバイクの方が安心とも言えます。むしろ寄り道したり不慣れな道を走る場合は小型軽量なバイクの方が好都合でもあります。そして現代のバイクなら耐久性も十分。安心してロングツーリングを楽しめます。

Q3:ワンタンクで走れる航続距離では、不安はない?

高性能なCBR250RRでもツーリングでの実測燃費は32.3km/Lで、タンク容量は14L。少し燃費が悪化しても350km以上は走れるでしょう

A3:まったく不安なし。むしろ大型バイクより遠くまで走れます

航続距離は、燃料タンク容量と燃費が関係してきますが、この点で軽二輪はかなりメリットがあります。250ccモデルではツーリングで概ね30km/L以上の燃費が出るモデルが多く(一方リッタークラスの大排気量モデルは15~20km/L前後でしょう)、ジクサー150(タンク容量12L)などは公道燃費で50km/L前後です。250ccのスポーツモデルは、タンク容量は10~15Lくらい確保している場合が多いため、ツーリングならば実質300~400kmは無給油で走れます。

一方でツアラーを除くリッタークラスのモデルだと、上記より少し多い程度の燃料タンク容量となるため、遥かに航続距離が短いものも多いです。マイペースで遠くまで走れるのも軽二輪モデルの大きなメリットです。

Q4:国産メーカーの海外生産車は品質面で不安はないの?

インドネシア工場などで現地生産されているホンダの250ccエンジン

A4:以前より格段に向上しています

外装品の建て付けが悪かったり、ボルトやナットがオーバートルクだったりといったひと昔前に見られた品質面での問題は、最近ではほとんどありません。国産メーカーの海外生産車は部品も現地調達なのですが、その材料の品質もここ数年で大幅に向上していますし、開発は日本で行われているケースもあります。

グローバルモデルは製造コストと品質面を両立させ東南アジアの各工場より全世界へ出荷されています。その品質は世界基準といっても過言ではありませんので、安心して乗れるモデルがほとんどと考えていいでしょう。

Q5:250ccほか軽二輪各車の最高速はいったいどれくらいなの?

国産唯一の並列4気筒モデル「ニンジャZX-25R」は、250ccモデルで最強の45psを発揮し、クローズドコースでは180km/h前後出ると言われている

A5:法定速度を大きく上回ります

厳密なテストを行っていませんが、クローズドコースでテストを行った際のデータとしては、42psのホンダCBR250RRで160km/h以上。また24psのスズキ・GSX250Rだと135~140km/h、20psのヤマハセロー250で130~135km/hほど(いずれもメーター読み)という結果でした。とはいえ、あくまでストレート区間でのメーター数値ですので、長い直線があればもう少し出るかもしれません。

ちなみに、アンダー200ccのモデルで試したところでは、スズキジクサー150が110km/h強、スクーターのホンダPCX160で110km/h弱でした。

実際に出すわけでなくても知りたいのが最高速というものですが、カタログスペックで最高出力45psを公称するのが、現在の250ccクラス最強で国産唯一の並列4気筒モデルのニンジャZX-25R。こちらはクローズドコースで180km/h前後出ると言われています。

最高出力35ps/12000rpmを発揮するヤマハYZF-R25も人気の250ccスポーツモデル
人気の軽二輪スクーター「ホンダPCX160」の最高出力は15.8ps/8500rpmで、実測の最高速は110km/h弱
2024年秋に登場したカワサキW230は最高出力18ps/7000rpm。メーターでの実測の最高速は120km/h弱

Q6:簡単な心がけで燃費を良くする方法はありますか?

積載性の高さとウインドスクリーン装備での快適性、十分余裕のある17L容量の燃料タンクなどが支持されユーザーの多いスズキVストローム250は、ある意味最良のロングツーリングバイクかも

A6:“急”が付く動作をしないことです

排気量にもよりますが、トップギヤで最高出力発生回転数の半分ほどの回転数を維持して走ると往々にして燃費が良くなる傾向にあります。ただし、トップギヤから急にアクセルを開けてダラダラと加速しようとすると、非常に燃費が悪くなります。急加速などをしなければ、WMTCモード値より低燃費で走ることも十分可能なので、ぜひ穏やかな走りを心がけてみてください。

ちなみにモーサイ編集部で最近行ったツーリング試乗では、最高出力42psのホンダCBR250RRで32.3km/L、24psのスズキGSX250Rで33.5km/L、26psのジクサーSF250で35.4km/L、13psのジクサー150で49.2km/Lでした。特にエコランを心がけなくても、高速・一般道でオールラウンドに走ってこのレベルの燃費となるのが、軽二輪クラスの魅力のひとつでもあります。

まとめ●モーサイ編集部・阪本一史 写真●モーサイ編集部ほか

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