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運用が始まった新型白バイ・ホンダ NT1100P
各地で目撃情報があがっているほか、TVのニュースなどでも取り上げられている新型白バイ「ホンダ NT1100P」。3月21日〜23日開催の大阪モーターサイクルショー2025では大阪府警がその実車を展示したほか、デモ走行も行われました。
白バイ・NT1100PのベースとなっているNT1100は1082cc並列2気筒エンジンを搭載する大型ツアラーモデル。日本ではオートマチックトランスミッションのDCT仕様のみが販売されますが、NT1100Pでは通常のマニュアルトランスミッション車となっています。
(NT1100の海外向けモデルとしてはマニュアルトランスミッション車もラインアップされている)
そのほか、大阪府警の展示車から白バイ・NT1100Pの装備・特徴を写真で見ていきましょう。ちなみに、現場にいた大阪府警の方によると「エンジン特性は白バイの用途に最適化されている」そうです。
ベースとなるNT1100のエンジンは最高出力102psの性能で、ライディングモードにより出力特性も切り替わるのですが、NT1100Pでは「白バイ専用モード」一択になっているとか??
新型白バイ・ホンダ NT1100Pの装備を観察

サイレン、赤色灯、前後エンジンガード(バンパー)、サイドケースを装備。リヤシートは無く、ケースが装備されています。

白バイ・NT1100Pはマニュアルトランスミッションで、クラッチレバーがついています。ただ、スイッチボックスにはDCT車でシフト操作に使う「+」「−」のボタンが残されています。何か別の機能に置き換えられているのでしょうか。

当たり前ですが、マニュアルトランスミッションなのでシフトペダルもあります。

左右のスイッチボックスも通常のNT1100とは異なっています。左スイッチボックスには「REAR PAT」(後部の赤色灯用?)、「SIREN」のボタンが。右スイッチボックスには「P・M・S」という見慣れない表記のボタンがありました。
また、現在販売されている最新型NT1100は電子制御サスペンションとなっていますが、トップブリッジ周辺にその配線類は見当たらず、白バイ・NT1100Pは通常のサスペンションのようです。
展示用だからか計測用機器らしいものはなく、液晶モニターのメーターは通常のNT1100と同様に見えます。でも、もしかしたらそのあたりの情報もモニターに表示できる!?

車両後部のケースの側には黒い箱状の物体が。形はETC車載器に似ているような気がしますが、何らかの通信機器? 後部エンジンガードは取り回しがかなり複雑な形状に見えます。

新型が登場しても一気に切り替わるわけではなく、白バイ・ホンダ CB1300Pもまだまだ現役稼働することでしょう。ちなみにベース車の車重は、NT1100が238kg(マニュアルトランスミッションの海外仕様の数値)、CB1300スーパーボルドールが272kg。それぞれの車両のエンジンガードやケース類などが同じものかはわからないので何とも言えませんが、NT1100Pの方がかなり軽量であるのは間違いなさそうです。
白バイのベースとなったホンダ NT1100

現在販売中のNT1100(2025年1月23日発売:184万8000円)。2025年型でマイナーチェンジが行われ、エンジンは低中回転域のトルクを強化。また、電子制御サスペンションが採用されたほか、IMUを搭載しバンク角などを検知して制御にフィードバックする「コーナリングABS」も新たに搭載。灯火類のデザイン変更なども行われている。従来型同様、日本ではDCT仕様のみのラインアップ。
レポート●上野茂岐 写真●モーターサイクリスト編集部/ホンダ