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SHOWAとNISSINに新シンボルマークが登場
鈴鹿サーキットの最終シケインにその名がついたこともあり(2021年〜)、バイクやクルマ好きの人なら「日立Astemo」という名称を見かけたことがあるのではないでしょうか。
既にご存知の方もいるかと思いますが、日立Astemo株式会社は日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社が経営統合して2021年1月に設立。いわば、二輪を含む自動車部品の総合メーカーとなったのです。
KEIHIN、SHOWA、NISSIN、TOKICOは同社のブランドとなり、その製品は各方面で今も活躍しています。
そのSHOWAとNISSINの二輪ハイパフォーマンス製品に関し、日立Astemoは新たなシンボルマークとブランドロゴを2024年11月5日に発表しました。
このシンボルマークは、グローバル市場でトップクラスの技術力を誇るSHOWA、NISSINブランドが融合し、 革新的な製品を生み出すことに挑戦するという想いを込めたものといいます。

世界トップクラスのレースで活躍しているSHOWAとNISSINの製品ですが、その性能の高さは過酷なレースシーンの中で日々進化をしているからこそ。それを表現すべく、同社の選抜されたプロフェッショナルチームによって技術の粋を結集し開発された特別な製品に、このシンボルマークが与えられるとのことです。
また、2025年のモータースポーツシーンからこの新しいシンボルマーク、ブランドロゴ(および刻印された製品)が順次展開される予定となっているので、ぜひ注目してみてください。
とはいえ、ただ2ブランド共通イメージのシンボルマークを作ったというわけではなく、具体的な製品開発もその2ブランドが「融合」していくというのです。
フロントフォークとブレーキが一体化!? SHOWAとNISSINが技術面でも「融合」
2024年11月上旬に開催されたEICMA(ミラノショー)では、その一例が展示されました。
フロントフォークアクスルとブレーキキャリパーを一体化したコンセプトモデルで、「機能協調デザイン」をコンセプトとしたもの。

あくまでコンセプトモデルということですが、次のような具体的数値・効果なども示されています。
・従来製品に比べ、設計の最適化と締結部品の省略化でバネ下重量を200g軽量化(左右合わせて)
・フロントフォークが放熱部品として活用できる。具体的には、フロントフォークのアクスルホルダーとブレーキキャリパーの接触面積が30%増加したことで、ブレーキの熱をフロントフォーク側へ放熱させるヒートシンク効果が拡大。キャリパーの平均温度が5%低減
また、EICMA会場の日立Astemoスタッフの方に話をうかがうと「フォークアクスル前方に開口部を設け、ブレーキに導風することで冷却効果を高めている点もポイントです。もちろん十分な剛性も確保しています」とのこと。
(導風口のアイディア自体は先んじてスーパーバイク世界選手権のカワサキ ニンジャZX-10RRにも取り入れられている)


この「機能協調デザイン」はSHOWAとNISSIN、つまりサスペンションとブレーキの部門の共同作業なくしては実現できなかったと言います。
「サスペンション、ブレーキの人間が一緒になって開発することで、例えばですけど、ブレーキング時にサスペンションがどう動くかなど、解析結果をすぐに皆で共有できるんです。これまでは、それぞれが独自に開発して、出来上がったものをそれぞれ組み合わせてみて、そこからまた開発を進め……という感じが強かったのですが、一緒になってやるとフィードバックがとても早いですし、新しいアイディアも生まれてくるんです」
このフロントフォークアクスル&ブレーキキャリパー一体化形状の技術は、今後の製品デザインに反映されていくとのこと。もちろん、そこには新たなシンボルマークも刻印されるはずです。
レポート●モーサイ編集部・上野 写真●日立Astemo/モーサイ編集部




































