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「タイヤは走行性能を左右する超重要部品」というのは、バイクを愛するライダーなら知っていて当然とも言える知識です。それゆえに、雑誌「モーターサイクリスト」の編集部員である筆者もタイヤの情報については常にアンテナを張っています。今回はスポーツライダーからの評価が厚いイタリアンブランド「ピレリ」のファンサイトで見つけたタメになる情報をレポートします。
有力サプライヤーらしく、レースレポートが目を引く
ピレリは1872年創業、1890年から二輪車用タイヤを、1901年から四輪車用タイヤを生産開始した歴史ある企業です。近年ではF1(2011年から)をはじめ、スーパーバイク世界選手権(2004年から)やロードレース世界選手権Moto2/Moto3(2024年)のオフィシャルサプライヤーとして、レース界でその名を轟かせています。

今回紹介する「ピレリファンサイト」はバイク用タイヤユーザー向けに作られたもので、さまざまなコンテンツが用意されていますが、トップページで目を引くのはやはり各種レースレポートです。

今季Moto2のチャンピオンの座に確実にコマを進めている日本人ライダー、小椋 藍選手の活躍を確認できるなどレースファンにとってうれしいコンテンツですが、レースファン以外にもタメになる情報も、もちろん用意されています。
イチオシは「DIABLOMAN」だ!
ピレリファンサイトには各種レースレポート以外に、最新カタログの閲覧や、用途・車種別に適応する銘柄が提示される「タイヤ検索」といったコンテンツもあり、さらに「新製品」や「インプレッション」など、コラム的に各種情報がまとめられたページも用意されています。

中でも、筆者が面白いと感じたのが「DIABLOMAN」(ディアブロマン)とカテゴライズされたコラム群です。その内容に触れる前に、まず「ディアブロマンって何?」という読者に説明しておくと、彼をひとことで表すなら“ピレリのアンバサダー的キャラクター”という感じでしょうか。

“キャラクター”と言いましたが、面白いことにディアブロマンには“実体”があり、ピレリジャパンの公式ライディングインストラクターとして実際にバイクに乗ってマンツーマンで一般ライダーにレクチャーを行う「DIABLOMANコーチング」という企画も展開されています。

話をピレリファンサイトに戻すと、「DIABLOMAN」のカテゴリーで連載されている「教えてディアブロマン」が非常にタメになる内容なのです。一般ライダーを代表するような質問役の問いにディアブロマンが答えていく会話形式でまとめられているのですが、まず、その疑問がとても“現実的”なものとなっています。
直球の質問に真摯に回答している
例えば連載Vol.1【タイヤってどうやって選ぶんですか?】は、質問役の「タイヤは消耗品。だから減ったら交換しないといけないのは知っています。でも愛車に合うサイズをみると種類が多すぎて何を選んだから良いかわからないのが正直なところ。できたら試し履きをしたいくらいだけれど、それは無理。そもそも銘柄による違いなんてわからないと思うんですよ。やっぱり、いちばんリーズナブルなやつにしちゃいますか……」という、かなり赤裸々なセリフから始まります。「自分のセンサーに自信がなく、価格という絶対的数値で有利なものを選んでしまう」という心理、共感がモリモリ湧いてくる人も少なくないはずです。

そんな質問に対してディアブロマンは、バイクショップやタイヤショップへの相談を薦めるのですが、それだけでなく「自分のバイクライフにマッチするタイヤはどういったものなのか」を質問役が自覚できるように、会話の中で導いていくのです。あくまでも「リーズナブルなタイヤでいいんじゃないの?」という姿勢に寄りがちな質問役を説得するその手際(口際?)は見事! 読んでいてしっかり納得できるものとなっています。

そのほかにもVol.3【標準(ノーマル)タイヤと違うタイヤを履いても良いの? 履くメリットって?】なども、多くのライダーが気になっていることに対してディアブロマンの名回答が冴え渡っているように筆者には感じられました。

また「ディアブロ」や「ファントム」といったタイヤ名の由来について答える豆知識回や、ピレリのタイヤ作りに対する姿勢を説明する回(Vol.2、5、6)なども読ませる内容になっています。次回がアップされるのを楽しみにしているファンは筆者だけでなく結構いるのでは……?

お気に入り登録しておくと吉
なお、先述した各コンテンツのアップデートに加えて、サーキット走行会「ファントラックデイ」などのスケジュールも随時更新・提示されています。すぐに申込数が定員に達してしまうクラスもあるので、折に触れてチェックしておきたいところです。

ピレリファンサイトには、バイクライフを充実させるタイヤ知識が詰まっています。ピレリファンでなくとも、ブックマークしておいて損はないサイトと言えるでしょう。まだ閲覧したことがないライダーは、ぜひ一度、アクセスしてみてください。
report●林 康平












































