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今年の夏は水冷式で行こう!! 暑い夏を涼しくするTAICHI リキッドウインド

タイチ リキッドウインド

猛暑対策の新兵器

最高気温が30℃を超える日が増えてきて、バイクで出掛けるには少々気が重い季節が巡ってきたが、アールエスタイチから発売された「リキッドウインド」は、この夏こそ積極的にツーリングに出掛けたくなる画期的なアイテムだ。

リキッドウインド エアフローベスト
価格:5830円 サイズ:M〜XL カラー:グレー
アンダーシャツの上に着用するとジャケット(メッシュ必須)との間に風を通す空間が生まれて効果が高まる。右側にポケット装備

原理自体は気化熱を利用して体感温度を下げるという、これまでにも多くの製品で取り入れられているしくみを採用するが、リキッドウインドの特徴は数値上の体感温度低減だけでなく、これまでにない爽快感や清潔感、効果の持続力がはっきり体感できる点にある。

リキッドウインド アンダーシャツ
価格:4730円 サイズ:S〜XL カラー:グレー
送水チューブを通すガイドを4か所に配置する専用設計。日焼けを防ぐストレッチ性の高い吸水速乾生地で着心地は良好

新機構も数多く、アンダーシャツの首周りにスプレーボトルと接続されたチューブを配管。ここから、スプレーボトルから送り出された冷却水が出てアンダーシャツの首周りをぬらす。アンダーシャツ自体も胸部の生地を二重にすることで保水力を高め、汗をかきやすい脇部分はメッシュ生地を配しているほか、冷却水は化粧品でおなじみのマンダム社との共同開発品。無香性で、メントールと消臭成分が配合されて心地良い冷たさが長時間持続。ベトつかず、生乾きの洗濯物のようなニオイの発生も解消している。さらに、スプレーボトルを収納するポーチは保冷剤を挟んでおけるなど、微に入り細に入りよく考えられた構造だ。

リキッドウインド スターターキット
価格:6050円
スプレーボトルと収納用ベルト&ポーチ、冷却水、送水チューブのセット。各々単品でも販売されており、冷却水は1パック660円
スプレーボトルは保冷剤をはめ込むくぼみ付き

年々過酷になる真夏のツーリング……

編集部調べによると、東京の気温が35℃のとき、ライダ−の上体付近(地上120cm)の温度は41℃だった。ミスナール式体感温度計算式に、時速60km(風速16.7m/s)、その日の湿度64%を当てはめてみると、体感温度はなんと38.7℃! 体温より高い温風をいくら浴びても涼しくならないということなのだ。

グラフは気象庁が公開している、全国主要都市13箇所における猛暑日の年間日数の推移。ここ25年間で急増しているのが分かる

そこで気化熱利用のリキッドウインド。
でも、そもそも気化熱ってナニ?

↑スプレーを何回か噴射すると、このように染み渡る。アンダーシャツの胸部は二重構造で、保水力が高く、メントール成分が涼感を持続させる

気化熱とは液体が気体に変化する際に、液体の周囲から吸収される熱のこと。パーツクリーナーを皮膚に吹くとヒヤッとするのはまさにこれ。「打ち水」もこの効果を利用したもので、地面にまいた水が蒸発する際に地面の熱が奪われて涼しく感じられるようになる。古くから行われているだけでなく、来る東京オリンピックの熱中症対策のひとつとしても導入されている。ただ、昔と違って地表の多くがコンクリートやアスファルトに覆われた現在では水をまいてもすぐに蒸発してしまって地面の熱が十分に奪われないことから、保水力を高めて地面の熱がしっかり奪われるようにした「保水性舗装」が併せて導入されている。リキッドウインドのアンダーシャツの胸部が二重構造になっているのも同じ理屈によるもので、保水力を高めることで涼感が長く持続するようにしている。


猛暑日が待ち遠しい!?

上で紹介しているスターターキットとアンダーシャツ、ベスト、その上にメッシュジャケットを着用して、シャツの表面温度が最大で5.2℃下がるという効果のほどを確認してみた。首周りへの配管作業に少々手間取るが、慣れれば5分くらいで装着完了。冷蔵庫でキンキンに冷やした冷却水をスプレーボトルに入れ、レバーを数回引くと首周りのチューブから冷却水が出て、氷枕を当てたかのようなひんやり感に包まれる。

アンダーシャツの胸部表面に、データロガー付き温度計のセンサーをセット。1分ごとに自動計測するよう設定した。Bluetooth経由でスマホのアプリに計測データが送信される仕組みだ。冷却水を染み込ませたアンダーシャツに走行風を十分に当てるため、風通しの良いメッシュジャケットが必須だ
実験開始時の天気は曇り。気温は27.5℃。乗車前の体感気温は、暑くもなく寒くもなくといったまずまず快適な温度だったが、いざ乗車して公道に出ると、なかなかに暑かった。まずは冷却水を使わずにしばらく走行し、その後、暑さを感じたタイミングで適宜スプレーを繰り返して走行した

首周りと書くと効果が不十分なのではと思われるかもしれないが、実は首部のように血管と皮膚が近い部分を冷やすと体が効率よくクールダウンされる(冬にマフラーを巻くと体全体が温まるのと同じ理屈)。体感的に暑さは感じるものの、速乾性インナー+メッシュジャケットの状態と比べて不快感が格段に低減される。冷却水に配合されるメントールの効果が大きいと思われるが、1回スプレーすればひんやり感はある程度持続する。冷却水1パックの容量は300mlで約1日分と少なめだが、それも十分納得。もちろん走行時のほうが爽快感は高まるが、信号待ちなどで暑さにより頭がボーッとしてしまうことが低減されるのが何よりもありがたい。安全性をも高めてくれる優れモノだ。

出発直後渋滞にはまり、アンダーシャツの表面温度は34℃付近に。冷却水をチューブ全体に行き渡らせるため、最初は約20回スプレー。表面温度は急下降し、その後、約8分ごとに平均3回のスプレーを繰り返すと、表面温度は28℃前後を保った。1時間の走行でスプレーボトル内の冷却水を8分の1程度消費した

保冷剤で常に冷却水を冷やしながら走行したほうがより気持ち良い!(モーターサイクリスト編集スタッフ・林)
スプレーのし始めはジワッとするが、走行風ですぐに清涼感に変わった!(モーターサイクリスト編集長・太田)

report●高野栄一 photo●北村誠一郎 

問い合わせ先

アールエスタイチ
TEL:0120-22-3403
https://www.rs-taichi.com

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