「1JNのSR500」はヤマハSR最強モデル!? 400とはどう違うのか、1JNの特徴とは【1985年型SR500試乗】

SR500 ヤマハ 1JN 1985
試乗車の1985年型SR500(1JN)。ほぼSTDな状態の同車の主な特徴は、フロント18インチホイール&ドラムブレーキ&エアアシストフォークの採用や、従来から2L増量の14Lタンク、ハンドル形状&ステップ位置変更による新ライディングポジションなど。
SR500 ヤマハ 1JN 1985
上記年式のSR400/500は、エンジン細部のパーツを見直して作動性や耐摩耗性を向上。その一方フォークブーツ採用や前述の18インチ化、ドラムブレーキ採用など、深化と退化の混じる変更も行っている。同時期に新登場したSRX400/600にスポーツ版単気筒モデルの位置づけを譲りつつクラシカルな立ち位置に移行にしたとも言え、これを機にクラシックカスタムの方向性を鮮明にして、SRは大きな人気を獲得することになった。ただし、SR500シリーズは1999年型を最後に姿を消し、堅調な需要が続いたSR400のみ2021年まで存続した。
SR500 ヤマハ 1JN 1985
ヤマハ SR500(1985年型)
SR500 ヤマハ 1JN 1985
ヤマハ SR500(1985年型)
SR500 エンジン ヤマハ 1JN 1985
エンジンの基本は変更ないが、1JNでは耐久性向上をねらってカムシャフト処理、ロッカーアームスリッパー面の処理、ガスケットシリンダーなど細部を変更。ステップ位置の120㎜後退で、キック始動は右ステップを折りたたんで踏む方式となった。
SR500 キャブレター ヤマハ 1JN 1985
キャブレターはミクニ強制開閉型VM35SSで、500のみ加速ポンプ付き。シャープなレスポンスが特徴で、暖機後の再始動をスムーズに行うウォームエンジンスターター付き。この後の型で、扱いやすさ重視の負圧式CVキャブに改められている。
SR500 ヤマハ 1JN 1985
エンジン右上部の小さな丸窓がキックインジケーター。デコンプレバーで圧縮を抜いた状態でキックを踏み、この窓枠内の回転子に明るい部分が出たら上死点。そこを起点にキックを踏み下ろし始動を容易にするSRの特徴的装備ながら、暗がり時は確認不可。
SR500 ステップ ヤマハ 1JN 1985
ハンドル形状の変更(幅のスリム化&クリップ位置の低下)と後退されたステップにより、SRでは最もスポーティな乗車姿勢となった1JN型。シフトは従来のダイレクト式からリンク式となった。しかし、このポジションは’96年発売の型(400=3HT8、500=3GW7)以降から、元に戻された。
SR500 メーター ヤマハ 1JN 1985
シンメトリーに配置された速度&回転計は、白文字盤を採用。
SR500 スイッチ デコンプレバー ヤマハ 1JN 1985
クラッチレバーより短めで下向きに配置されるデコンプレバー。ウインカーは、プッシュキャンセル式をSRで初採用。
SR500 フレーム オイル ヤマハ 1JN 1985
XT500から方式が継承されるドライサンプ潤滑のオイルタンク・イン・フレーム。オイルの熱源が近いことから、SRのステムベアリングは、小まめなグリスアップないし、早めのベアリング交換が推奨される。
SR500 ドラムブレーキ ヤマハ 1JN 1985
同じ1985年に登場のSRX400/600との差別化を図り、1JNの前ブレーキからはクラシカルな雰囲気のツーリーディングドラムを初採用。以降'90年代末まで、フロントドラムは、SRのアイコン的存在となった。
SR500 マフラー サスペンション ヤマハ 1JN 1985
SRらしいサウンドと静粛性を両立するサブチャンバー付きのメガホンマフラー。リヤサスは5段切り替え式。ドライブチェーンは同年式まで530サイズ、以降の型からは428にサイズダウンされた。
筆者のSR初試乗は'95年終わりごろのSR400。ドラムブレーキ&CVキャブ化された同車について、「スロットルを開けると数mのみググッとした力強い出足が感じられるものの、鼓動も力強いトルクも予想したほど感じない。3000~4000rpmで流すのが気持ちよい」と記している。
XT500 ヤマハ
2005年に、ベースのXT500とSR400を同時比較。XTは予想以上に軽い回転感で、スロットルに対して脱兎のごとく路面を蹴って、回転上昇の俊敏さを実感。だが、これをそのままSRに載せると、400のダルで平穏な加速感というSRらしさは損なわれるだろうと感じた。
SR400 ヤマハ FI
2009年末、2010年型のSR400FI仕様を従来のキャブ仕様と比較。FI仕様は出力で1ps、トルクで0.1kgm減ながら、基本特性は変わらない上に、2500rpmからの加速では歯切れのよさが増した印象があり、従来型より雑味を濾した鼓動が感じられた。
SR500 ヤマハ 1JN 1985
ヤマハ SR500(1985年型)
SR500 ヤマハ 1JN 1985
ヤマハ SR500(1985年型)
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