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「BIG-1」はSC30、SC40、SC54と大きく3世代に分けられる
今やホンダを代表するビッグバイクであり、ロングセラーバイクとして不動の人気を獲得しているCB1300シリーズ。
最新の2021年型では電子制御スロットル、ライディングモード、ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(トラクションコントロール)、クルーズコントロールなど現代的な電子制御機能を採用するなど、たゆまぬ進化を続けている。
そんな最新のCB1300シリーズにも続くコンセプトとしてホンダが語る「PROJECT BIG-1」という言葉。
これは1991年第29回東京モーターショーに登場したコンセプトモデルの名であり、「新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツモデルはどうあるべきか」という思想でもあり、CB1000SF(スーパーフォア)からCB1300シリーズまでの愛称にもなっている。
なお、コンセプトモデル「PROJECT BIG-1」発表の翌年(1992年)、ほぼそのままの形で市販化されたCB1000スーパーフォアから最新のCB1300シリーズまでは次の3世代に分けられる。
- 「SC30」の型式が与えられる、1992年〜1997年までのCB1000スーパーフォア
- 「SC40」の型式が与えられる、1998年〜2002年までのCB1300スーパーフォア
- 「SC54」の型式が与えられる、2003年以降のCB1300スーパーフォア。スーパーボルドールやスーパーツーリングなど派生モデルも登場する。
ホンダがフルモデルチェンジとしているのはSC30→SC40、SC40→SC54へと型式が変わった2回だが、時代に合わせ、マイナーチェンジで細かな熟成が行われてきた点も「BIG-1」の特徴でもある。
当記事ではマイナーチェンジや派生モデルも含めた22車の解説とともに、「BIG-1」30年分の進化を見ていきたい。
【画像26点】1992年CB1000SFから2021年CB1300SF/SBまで全3世代を写真で解説
1992年11月 CB1000スーパフォア(SC30)
猛烈な勢いで盛り上がったレーサーレプリカブームが終焉を迎えた1980年代末、日本のバイク市場では新たなカテゴリーとして「ネイキッド」が注目を集めていた。
当初は400ccが主軸だったネイキッドは1990年にオーバーナナハンの国内販売自主規制が解除されたこともあって、後にビッグバイクにも波及。こうした背景を経て生まれたのが「PROJECT BIG-1」というテーマを掲げて開発されたCB1000スーパーフォアだったのである。
1991年の東京モーターショーで大反響を呼んだBIG-1のコンセプトは、翌1992年3月に弟分というべきCB400スーパーフォアで具現化され、同1992年11月には真打ちのCB1000スーパーフォアがデビュー。いずれもホンダの販売計画台数を上回るヒット作となった。
1994年6月 CB1000スーパフォア(SC30)
衝撃的なデビューから2年を経た1994年、CB1000スーパーフォアは初のマイナーチェンジを敢行。外観から判別できる初期型との違いは、リヤショックのSHOWAのロゴが大きくなったことくらいだったものの、実際の改良点は多岐に及んでいた。
まず足まわりに関する相違点は、リヤショックは減衰特性を見直すと同時に、外部から伸び/圧縮ダンパーを調整できるアジャスターを追加。この変更にあわせてフロントフォークの設定も見直しを受け、リヤタイヤのコンパウンドも刷新されている。
一方のパワーユニットは、点火時期のマッピングとキャブレターセッティングを変更。さらにはファイナルレシオのローギヤード化(17/42→17/43)も図られている。
位置調整式クラッチレバーやハザードランプも導入されたほか、フロントブレーキディスクのデザイン変更も行われている。
1994年6月 CB1000スーパフォアT2(SC30)
CB1000スーパーフォア初の派生モデルとして登場したタイプ2=T2。
ビキニカウルの採用と車体各部のブラックアウトによって、すでに「BIG-1」のイメージとして定着していた白×赤とは趣が異なる、ワイルドさを追求したモデルである。
ブラックアウトされたのは外装部品に限らず、エンジンカバーやエキゾーストパイプ、バックミラー、フォークアウター、スイングアームなどもブラックに統一。
一方、プラグコードとリヤショックのスプリングはあえてレッドに。
基本構成は同年(1994年)のスタンダードモデルに準じているが、ビキニカウルの装着で重量は2kg増となっている。
なお「T2」という車名は、当時流行していた映画『ターミネーター2』の略称にならったようだ。
1998年2月 CB1300スーパフォア(SC40)
「2代目BIG-1」として1998年から発売が始まったCB1300スーパーフォアは、大排気量車ならではのトルクフィールと初代とは一線を画する扱いやすさを求めて、ほぼすべての部品が新設計となっている。
1997年に登場した「X4」と基本設計を共有する水冷4気筒は、当時のビッグネイキッドで最大となる1284ccの排気量に。
そのエンジンを搭載するフレームは、ホンダ独自のモノバックボーンタイプとなり、足まわりには対抗6ピストンキャリパーやダブルプロリンク式リヤショックなど、他社製ビッグネイキッドでは見られない革新的なメカニズムが採用されていた。
なお数値では初代から10mmしか下がっていない2代目のシート高だが(800mm→790mm)、実際の足着き性は格段によくなっていた。
1999年2月 CB1300スーパフォア(SC40)
デビューイヤーの1998年に国内オーバー750ccクラスで販売台数1位を記録したCB1300スーパーフォアは、発売から1年後に早くもマイナーチェンジを実施。
最大の注目点はグレードアップされた前後ショック。
フロントはプリロードと伸び減衰力が無段階、リヤは従来までのプリロード5段階に加え、伸び/圧縮減衰力がそれぞれ4段階に調整できるようになった。
点火時期マップを変更してパワーフィールを改善したり、センタースタンドを追加したりと、改善の手は細部にまで及んでいる。
この変更で価格は従来型プラス1万円となったものの、ユーザー層の拡大を考えるホンダは、上記の改良装備を省略したソリッドカラー車を89万円という価格で1999年4月に追加設定している。
2000年9月 CB1300スーパーフォア(SC40)
2000年秋から発売が始まった2001年型は、スーパースポーツ「VTR1000SP-1」譲りの異型4ピストンキャリパーを採用すると同時に、フロントブレーキハブやフロントフォークダンパーロッドのアルミ部品化、リヤホイールやマフラーの薄肉化などで従来型に対して5kgの軽量化を達成。
また、ハンドルクリップ位置を上方に2mm/手前に27.8mm移動したり、マフラーステーに荷掛けフックを追加するなど、使い勝手の向上も行っている。
この2001年型をベースとして、2001年に世界グランプリ通算500勝を記念したスペシャルバージョン(限定500台)、2002年にBIG-1生誕10周年を記念したアニバーサリーバージョン(限定450台)が発売された。
2003年2月 CB1300スーパーフォア(SC54)
初期のコンセプトはそのままに、時代のニーズに応じて進化を遂げてきた「BIG-1」。SC54の型式となった3代目では「感動性能」を磨き上げることをテーマとして、再びゼロからの開発が行われた。
実際に設計を進めていくなかで、もっとも重視されたのは軽量化である。初代の乾燥重量が235kgだったのに対し、2代目は246kgとなっていた。威風堂々としたスタイルと乗り味が魅力の2代目ではあったが、その数値は当時の他社製ビッグネイキッドの平均値を大幅に上回っていた。
こうした事情を踏まえて設計に取り組んだ開発陣が具体的に掲げた数値は「2代目マイナス20kg」。最終的に、エンジンで8kg、足まわりで5kg、シャシーで7kgの軽量化を達成し、シリーズ最軽量のモデルとなったのである。
2005年2月 CB1300スーパーフォア(SC54)
足着き性の改善を行うため新設計サイドカバーや(片側10mmずつスリム化)、良好な乗り心地とホールド感を両立した新形状のシート(ライダー側とタンデム側で表皮も異なる)を採用したほか、エンジンの低速域におけるレスポンス向上を狙ってインジェクションマッピングの変更が行われるなど、様々な部分に手が入れられた2005年型。
国内二輪メーカーでは早期からABS普及に熱心なメーカーだったホンダだが(1992年に輸出専用車の大型スポーツツアラー「ST1100」から導入を開始)、この2005年型からCB1300スーパーフォアにもABS仕様が設定された。
2005年2月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
1997年に生産終了となった「CB1300スーパーフォアT2」以来、久しぶりの派生モデルとして登場した「CB1300スーパーボルドール」。ロングツーリングの快適性を追求したモデルで、フレームマウントされたハーフカウルは(T2のビキニカウルはステムマウント)高速走行時の風圧軽減に役立つだけでなく、安定性の向上にも貢献した。
車名の由来となったのは当時展開していたホンダの純正ライディングギアから……ではなく、世界的に有名なフランスのボルドール24時間耐久レース。
CB1300スーパーフォア自体がこのレースに参戦したわけではないが(ただしCB1300スーパーフォアは2003〜2005年に鈴鹿8耐に参戦して好成績を収めている)、1980年代初頭のホンダは耐久レースにおける圧倒的な活躍を記念してカウル付き仕様に「ボルドール」のペットネームを与えてきた。
スーパーボルドールは約20年ぶりにその慣例を復活させたのである。
2008年3月 CB1300スーパーフォア(SC54)
ヤマハ XJR1300とスズキ バンディットが2007年、カワサキ ZRX1200が2009年にインジェクション化したのに対し、国産ビッグネイキッドのなかでは2003年といち早くキャブレターからインジェクション化を行っていたCB1300スーパーフォアだが、2008年型では厳しくなっていく環境規制に対応。
スロットルボディ内に吸入空気量を制限するIAVCを導入し、レイアウトを一新した排気系はキャタライザーが内蔵されるようになった。
2008年3月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
CB1300スーパーフォア同様に、環境規制に対応するためスロットルボディとマフラーを刷新した2008年型のCB1300スーパーボルドール。
なお、2008年型CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールでは機能性の向上を図った細かな改良も行われており、グリップをより握りやすさを重視した素材としたほか、視認性と質感を高めるためにメーターの書体を変更。
また、シートはタンデムシート部分の形状を改めたうえで、シート表皮の変更も行われている。
2009年12月 CB1300スーパーフォア(SC54)
2010年型のCB1300スーパーフォアは2010年型でマイナーチェンジを実施。
一番の改良点は乗りやすさを追求したライディングポジションで、グリップ位置を14mm手前、23mm上方にくる新形状のハンドル、シート高が従来型比マイナス10mmの780mmとなる新形状のシート、さらにスリムな形状としたサイドカバーを採用し、親しみやすさが格段に高められた。
2009年12月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
CB1300スーパーフォア同様に、ハンドル、シート、サイドカバーを変更し、より乗りやすいライディングポジションとなった2010年型CB1300スーパーボルドール。
ライディングポジションに関連する部分以外でも2010年型CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールは細かな変更が行われており、テールカウルのデザインを一新するとともにグラブバーが左右分割式に。
またABS仕様はホンダ独自の前後連動式「コンバインドABS」となった。
2009年12月 CB1300スーパーツーリング(SC54)
スーパーボルドールに続く新たな派生モデルとして2010年型から登場したのがCB1300スーパーツーリングである。
外観からもわかるようにベースとなっているのはCB1300スーパーボルドールだが、スーパーボルドール以上にロングツーリングを意識して開発されたモデルで、テールカウル両サイドにパニアケースを標準装備し、スクリーンは上端が延長されたものとなっている。
ただし、それらのパーツを「後付け」しただけではなく、パニアケース装着時のハンドリングを最適なものとするためヘッドパイプ下にはクロスパイプが追加され、シートレールは構造を見直すなど補強が施されている。
また、ナビやグリップヒーターといったアクセサリーの使用を想定し、大容量のジェネレーターも採用されている。
ライディングポジションもよりゆったりとしたものとするため、CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールよりグリップ位置が40mm手前/12mm上方となる専用のハンドルを装備する。
2014年3月 CB1300スーパーフォア(SC54)
カラーチェンジや特別仕様車の設定は随時行われてきたが、2009年以来となるモデルチェンジが行われた2014年型。
一番大きな変更点はミッションが従来型までの5速から6速へと変更されたこと。ギヤの多段化により100km/h巡航時のエンジン回転数は従来の3480rpmから3040rpmに抑えられ、インジェクションセッティングの変更と合わせて燃費も25.2km/Lから26.8km/L(60km/h定地計測値)へと向上。
またマフラーは排気バルブが廃され小型となったほか、市街地で多用する低回転域のトルク特性を重視した構造に。前述のインジェクションセッティングや吸排気系の見直しも合わせて、「BIG-1」の受け継がれるコンセプト「威風堂々」を表すかのような、低回転からズ太いトルクを感じる走りを実現している。
動力面以外の変更点では、ホイールが10本スポークの新デザインとなったほか、メーターとサイドカバーの形状を変更。そして、この2014年型からABSが標準装備となった。
2014年3月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
ミッションの6速化、メーター、ホイール、サイドカバーの変更など、CB1300スーパーフォアと同様の変更が行われた2014年型CB1300スーパーボルドール。
そのほか、スーパーボルドールはカウルが新形状となり、ヘッドライトにはLEDを採用(スーパーフォアはバルブ式のまま)。バックミラーもシャープなデザインに変更されている。
ライディングポジションの見直しも行われており、CB1300スーパーフォアが軽い前傾姿勢となるのに対し、CB1300スーパーボルドールのハンドルバーは9mm高く、9mm手前の設定で、ツーリング時の快適性に改めて配慮。
なお、CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールともにフレーム剛性バランスの見直しとともにシートレールの強度が高められ、シリーズで初めてリヤキャリヤ、トップボックスが純正アクセサリーとして設定された。
さらにCB1300スーパーボルドール用として純正のパニアケースも用意され、ケース装着を考慮しマフラーの角度がCB1300スーパーフォアより抑えられている。
2017年10月 CB1300スーパーフォア(SC54)
平成28年度二輪車排出ガス規制(ユーロ4相当)に対応し、EBL-SC54から2BL-SC54に型式が変更された2017年型。
規制をクリアしたうえで、エンジンは高回転域に磨きを掛け、従来型から最高出力は9.5馬力アップの110馬力へと向上している。このほか、クラッチレバーの操作荷重を軽くし、急激なシフトダウン時に後輪のホッピングを防ぐアシスト&スリッパークラッチも追加されている。
また、車体面では前後サスペンションのセッティング、フロントブレーキキャリパーのピストン径が変更されたほか、LEDヘッドライト&小型バータイプのLEDウィンカーが採用された。
加えてグリップヒーターやETC車載器など、従来型の上級グレード「Eパッケージ」同等の装備が標準装備となった。
2017年10月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
エンジンの改良、前後サスペンションの設定、フロントブレーキキャリパーのピストン径など、CB1300スーパーフォア同様の変更が行われた2017年型CB1300スーパーボルドール。
CB1300スーパーボルドールは従来型からLEDヘッドライトを採用していたが、この2017年型ではウインカーもLEDとなり、灯火類のフルLED化が果たされた。
このほか2017年型CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドール共通の新装備として、電装品の給電に使えるシート下のアクセサリーソケット、空気圧調整時に使いやすいL字型エアバルブ、質感と耐久性の高いウエーブキーなどが挙げられる。
また「PROJECT BIG-1」の原点、1992年11月発売のCB1000スーパーフォアの登場25年を記念し、フューエルタンク上に25周年専用マークが加えられた。
2018年10月 CB1300スーパーフォアSP(SC54)
2018年に登場した「SP」は、前後サスペンションとフロントブレーキを高性能パーツに換装したスペシャルモデル。ただし、限定車や特別仕様車などではなく、通常ラインアップに上級グレードとして追加される形となった。
前後サスペンションはオーリンズ製で、ホンダとオーリンズがCB1300シリーズ用に共同開発したもの。
フロントサスペンションはインナーチューブ径43mmの正立フォークで(径自体はスタンダードと同径)、圧/伸び側のオイルオリフィスが完全分離したワンウェイカートリッジ式。圧側20段の減衰圧が調整可能になっている。
リヤサスペンションは49mm径の大容量リザーバータンクを備え、圧側減衰力は20段階の調整可能。
フロントフォークのアウターチューブや、リヤサスペンションのリザーバータンクとスプリングはオーリンズおなじみのゴールドとなる。
フロントブレーキにはラジアルマウント式のブレンボ製モノブロック4ポッドキャリパーを採用。マスターシリンダー径やホース剛性なども同車用にマッチングが図られており、高いコントロール性を実現している。
車体色は青を基調としたトリコロール「パールホークスアイブルー」1色のみだったが、2019年10月には赤を基調とした「キャンディークロモスフィアレッド」が追加され、2色が選択可能となった。
2018年10月 CB1300スーパーボルドールSP(SC54)
オーリンズ製前後サスペンションとブレンボ製フロントブレーキキャリパーに換装した「SP」はCB1300スーパーボルドールにもラインアップ。
前後サスペンションの換装により、CB1300スーパーフォアSP/CB1300スーパーボルドールSPとも最低地上高とシート高はスタンダードに比較して10mmアップとなっていて、わずかだが前下がりの車体姿勢となっている。
「SP」のカラーリングは1982年発売のCB750FCに設定された「キャンディーカピオラニーブルー」をイメージさせる「パールホークスアイブルー」。CBの伝統と特別さを感じさせるものとなっている。
なお「SP」の登場と同時にスタンダードのCB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールにはダークネスブラックメタリックのカラー追加が行われている。
2019年10月にはCB1300スーパーフォアSPと同様に、CB1300スーパーボルドールSPにも赤を基調とした「キャンディークロモスフィアレッド」が追加され、スーパーボルドールSPも全2色のラインアップとなっている。
2021年3月 CB1300スーパーフォア(SC54)
平成32年度二輪車排出ガス規制(ユーロ5相当)に適合し、型式が8BL-SC54に変更された2021年型。
一番のトピックはこのほか電子制御スロットル(スロットルバイワイヤシステム)の採用を筆頭に、各種電子制御デバイスの追加が行われたこと。
エンジンは吸排気系の変更とともに、スタンダード、スポーツ、レインの3段階の走行モードが選べ、シーン別に出力特性が選択可能に。後輪のスリップを検知・抑制するホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(トラクションコントロール)や、クルーズコントロールも搭載された。
電子制御スロットルの採用にともない、走行時にクラッチ操作なしでシフトアップ、ダウンがアップができるクイックシフターも純正アクセサリーとしてラインアップされている。
2021年3月 CB1300スーパーボルドール(SC54)
電子制御スロットルを採用したエンジンや電子制御の採用など、CB1300スーパーフォア同様の改良が行われた2021年型のCB1300スーパーボルドール。
従来型まではパニアケースの装着を考慮してマフラーの角度がCB1300スーパーフォアと比べると下向きとなっていたが、2021年型ではスーパーフォアと同様になった。
このほか、2021年型CB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドール共通の変更点では、急制動時にハザードランプを高速点滅させ、後続車に急減速を知らせる「エマージェンシーストップシグナル」が採用されている。
また、白と赤を基調とした2021年型の「パールサンビームホワイト」のカラーリングは、赤いフレームや金色に塗られたクランクケースカバーなど、1981年に発売されたCB1100Rのイメージで仕上げられている。
対して「ベータシルバーメタリック」は外装の塗色の違いのほか、フレーム、ケースカバーも黒塗装とされ、シックなトーンでまとめられている。
なお、従来型で登場した「SP」もCB1300スーパーフォア/CB1300スーパーボルドールともども新環境規制適合車が登場。
スタンダードモデル同様に電子制御の搭載が行われたほか、シートに赤いステッチが追加され、よりスポーティな装いとなった。
レポート●中村友彦(1992年型〜2009年型)/飯田康博(2014年型〜2021年型)/上野茂岐
写真●ホンダ/岡 拓 編集●上野茂岐
*当記事は八重洲出版『PROJECT BIG-1 Honda CB1000-1300』(2012年刊)の一部記事を抜粋、追記編集したものです。