ヒストリー

世界的人気車のホンダCB750Four でも中古車市場で最初期モデルは敬遠されていたってホント?

初代の登場から半世紀、最終型の生産終了から40年以上が経過した現在でも、世界中で根強い人気を維持しているCB750フォア。今回は2輪業界の勢力図を塗り替えた並列4気筒車の魅力にじっくり迫っていきたい……が、じつは最初期型のモデル、つまりK0は、当初中古車市場では敬遠されていたのだというではないか。

文/中村友彦  写真/岡 拓、山内潤也、編集部
取材協力:ガレージクライム TEL:045-534-0750  http://garageclimb.blog.fc2.com
オーナー●飯田 正

※本記事は旧車二輪専門誌 モーターサイクリストCLASSIC2019年6月号に掲載されているものを再編集しています。

 

GPレーサーと市販車に共通項が少なかった1960年代

GPレーサーと一般公道用量産車の距離、という視点で2輪の歴史を振り返るなら、CB750フォアがデビューする直前は、両者の距離が最も遠かった時代かもしれない。

例えば1900年代初頭は、GPレーサーの大半が量産車の改造車だったし、現代ではその気になれば、モトGPレプリカと言うべきYZF-R1やパニガーレV4などを購入できる。

だが’60年代は、世界GPでDOHCヘッドの4スト多気筒車が猛威を奮っていたにもかかわらず(2ストは水冷化が進み、ヤマハとスズキはV4レーサーを開発)、大排気量スポーツバイクの覇権は、’40~50年代に基本設計が行われた欧米のOHVツイン勢が握っていたのだ。

そんな状況下、GPレーサーを彷彿(ほうふつ)とさせる量産車として、CB750フォアが登場したのである。
しかも超高額車だった並列4気筒車の先達、MVアグスタ600GTやミュンヒ・マムートとは異なり、CB750フォアの価格は常識的だった。
主要市場である北米市場の価格は、ブリティッシュツイン勢と同等で、BMWのR69SやハーレーXLH900より安い1495ドル。
余談だが、同年に登場したカワサキ500SSは995ドルだった。

もっとも2気筒全盛期だった当時において、ホンダは並列4気筒が量産車の主役になるとは考えていなかったようだが、’60年代後半の状況を振り返ってみると、このモデルが世界中で爆発的な人気を獲得したのは、どう考えても当然のこと……と思えるのである。

 

CB750Four・K0は不人気車だった?

’69~77年の9年間で、数十万台が生産されたCB750フォアは、現在でも根強い人気を維持し、補修部品のほとんどがそろうので、維持で困ることはないと言われる。

近年の日本における中古車相場は、K0が200万円~、K1が150~200万円、K2以降が50~150万円ほど。
年式が古くなるほど価格が高くなる傾向は、同時代の旧車と同様だ。とはいえ、’70年代をリアルタイムで体感したライダーなら、近年の相場に違和感を覚えても不思議ではない。

何と言ってもかつてのK0は、4本引きのスロットルが重い、張り出したサイドカバーとオイルタンクのせいで足つき性が悪い、クランクケースが砂型鋳造の前期型はオイルにじみが多い(?)などという理由で、敬遠されることが少なくなかったのだから。

そんなK0が特別な車両として、マニアから注目を集めるようになったのは’80年代に入ってからで、以後は年を経るごとに価格が上昇。
ただ、あまりに高価になり過ぎたためだろうか、最近は純正にこだわることなく、リプレイスパーツを用いてK0ルックに変更したK1以降のモデルで、CB750フォアを楽しむライダーも増えているようだ。

ちなみにここで登場している車両は、ガレージクライムのお客さんである飯田さんから借用したK0砂型で、コンディションは素晴らしく良好。前述したスロットルの重さはまったく気にならなかったし、オイルにじみはどこにも見当たらなかった。

この車両のコンディションがどれだけ素晴らしいかは、別の機会に紹介することにしよう。

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