東京・大田区の夫婦坂(めおとざか)に本店と工房を構えるPAIR SLOPE(ペアスロープ)。職人が作る革製品が主力だが、今春の新作はデニム製のMA-1だ。
MA-1とは1950年代に米軍が採用したフライトジャケットで、オリジナルは素材にナイロンを使うが、ペアスロープでは牛革製のモデルを作り好評。次いで登場したのがこのデニム製だ。
ペアスロープらしく経年変化を楽しめる国産の高品質デニムを採用し、しかも肘に信州鹿の革パッチという大胆なアレンジも加えた。スタンダードなジャケットを作るにしても、オリジナリティを込める。そんな心意気を感じさせる逸品だ。
素材のデニムはストレッチ性もあるから窮屈さはなく、上半身を楽に動かせる。バイクの運転はもちろん街着としても着心地が良く、旅先での散策でも悪目立ちしない。それでいて素材の意外性や仕立ての良さに目を引かれる。
胸部にはHYOD(ヒョウドウ)製D3Oプロテクター「エアチェストプロテクター」(1万890円)を装着する面ファスナーを設けるほか、ペアスロープ製防寒サンステートライナー(1万1550円)も装着可能な拡張性を備えている。
鹿革は水に強いので、家庭で手洗いできる。ネットに入れて手洗いモードにすれば、洗濯機も使える気軽さがうれしい。エイジングを楽しみながら、長く付き合おう。
MA-1D デニムディアフライト
価格:4万5100円
カラー:インディゴブルー、カーキ
サイズ:M、L、LL、3L
プロテクター:胸(オプション)





ニットは経年で伸びやすいパーツで、袖が伸びると防寒性が低下し、腰はスタイルが崩れる。そこでMA-1Dのニットには丈夫な国産品を採用し、耐久性を確保。長年の愛用でも機能とスタイルを維持する
職人の手作業で作られる
月夜野工房はペアスロープが縫製を委託している布地専門の職人集団だ。MA-1Dの製作では、野生鹿の肘パッチの裁断などをペアスロープ本店の夫婦坂工房で、布地の縫製を月夜野工房で行った。群馬と東京の熟練の職人たちが、それぞれの得意を生かした合作がMA-1Dなのである


貴重な信州鹿を肘パッドに
今回「信州鹿 ショート」などのグローブ用に入手した貴重な信州鹿の革を、MA-1Dにも採用した。昨今は害獣として駆除されている信州の野生鹿から採れる革は、グローブなら1頭で1双分。MA-1Dの肘パッチなら1頭で約2着分。大小まちまちで、小キズも避けられない。それが野生の証拠であり革の個性なのだが、そのため製品化には困難が多く、数年がかりでようやく実現できたという。

report●山下 剛/編集部
photo●ペアスロープ
model●サン コウキ



























