時代を駆け抜けたモーターバイク展
期日●19年4月17日(水)~29日(月曜祝)
場所●安城市市民ギャラリー(愛知県安城市安城町城堀30)
興隆と淘汰の歴史を見る
日本のバイクメーカーと言えばホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキの4社である。
しかし1950年頃には、軍需産業から平和産業への転換や、オートバイが生活の足として浸透し、その需要が高まったことなどから、雨後の竹の子の如き勢いで二輪メーカーが増加。その数は150社とも200社とも言われている。
が、メーカーの乱立に伴い市場での生存競争が激化していき、50年代も半ばに差し掛かるころには高い技術力を持つ会社がシェアを独占。それに伴い誕生したメーカーのほとんどが1960年を迎えることなく倒産ないし、二輪事業からの撤退することになったのである。
全国各地で開催される旧車イベントに足を運べば、メグロやラビット、ライラックほか、そうした撤退メーカーの車両を見る機会はあるものの、それはごく一部のメーカーのみ。50年代早々に市場から姿を消した会社のほうが多く、そうしたメーカーが生き残りを掛けて世に送り出した名車(迷車?)たちは中々お目に掛かれない。

●毎年5月末に宇都宮市・ろまんちっく村にて開催される旧車イベント「パイオニアラン」での一葉。メグロやラビット、ヤマグチなどの撤退メーカー車が散見される。
「日本にも色んな面白いバイクがあったんだぞ!」ということを知ってもらい、次世代を担う趣味人を増やしたい。そんな想いから、地元趣味人たちが企画し、4月17日より行われているのが「時代を駆け抜けたモーターバイク展」。会場には、自転車にエンジンを取り付けた文字通りの「原動機付自転車」(通称:自転車バイク、バタバタ)から、500㏄を超える大排気量車まで、23台を展示。

●会場となった安城市民ギャラリーに並べられた車両たち。展示車は’50年代車に限定され、そのほとんどが撤退メーカーのもの。これらは主に150〜250㏄クラスの車両たちである。

●会場入ってすぐに展示されるのは自転車に補助エンジンを搭載した、「原動機付」自転車たち。ホンダやスズキなど、現存メーカー車が展示される唯一のブース。

●出口付近に展示されるのは500〜750㏄までの大排気量車。写真では1台しか展示されていないが、地元みづほ自動車製のキャブトンは3台置かれている。年式ごとに違うタンクエンブレムも注目ポイント。
車両以外にも当時の販促ポスターやパンフレット、雑誌広告にタンクエンブレム、エンジンなど、車両以外のアイテムも多数展示しており、28日(日)には同年代のバイクのデモ走行(※雨天中止)の開催も予定されている。

●販促ポスターやカタログ、タンクエンブレムなど、当時の希少なアイテムがズラリと陳列、資料性抜群である。

●車載状態では伝わり辛いエンジンのサイズ感を伝えるため、39㏄〜90㏄までと、500㏄のエンジン単体で展示。どれがどの車両に載っていたかを考えるだけでも楽しい。

●市民ギャラリー中庭でのデモ走行中のワンシーン。トヨモーター・T9(1995)を軽快に走らせる山田里偉さんはまだ20代の若いオーナーである。
入場無料で、開催は29日(月曜祝)まで。日頃イベントではまず見られない希少車たちに会える数少ないチャンス。旧車ファン必見のイベントと言えそうだ。
CONTACT
問い合わせ先 | 安城市民ギャラリー |
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住所 | 〒446-0026安城市安城町城堀30番地 |
電話番号 | ☎0566-77-6853 |
URL | www.city.anjo.aichi.jp/shisei/shisetsu/kyoikushisetsu/shimin-gallery.html |