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受講費0円で女性白バイ隊員が直接指導!!  超贅沢な「クイーンスターズライディングスクール」の内容は?

クイーンスターズライディングスクールは「安全に」「正しく」走れるようになることが目的

バイクの乗り方を教えてくれるライディングスクールには沢山の種類がありますが、女性白バイ隊員に直接指導してもらえる超贅沢なスクールがあるのをご存知でしょうか。

スクール開始前に会場に並べられていた白バイ。これだけ数が揃ったところはなかなか見られず圧巻。

それが、11人の女性白バイ隊員で構成される「クイーンスターズ」の隊員が講師を務める警視庁主催のライディングスクール「クイーンスターズライディングスクール」です。このスクールは都内を中心に年に数回開催され、参加費はなんと無料(傷害保険料200円のみ)となっています。

今回講師として参加した7名のクイーンスターズ隊員と4名のベテラン男性指導員。

この記事では、2020年12月6日に開催された「クイーンスターズライディングスクール」に参加した際の体験をレポートします。

開催場所は東京都世田谷区喜多見にある「交通教育センター」。クイーンスターズライディングスクールは警視庁の主催で、不定期に女性ライダー限定の回、初心者ライダー限定の回など様々なテーマを設定して開催しています。

東京都世田谷区喜多見にある「交通教育センター」と筆者。筆者の参加車両はホンダ VTR(250cc)。

筆者が参加した回は、二輪免許取得から3年以内の初心者を対象とするスクールでした。それもあってか、今回の受講者の年齢は10代から20代が中心で、男女比は男6:女4程度と、他のライディングスクールと比較すると年齢層が若め、かつ女性の構成比が多くなっていました。

取材時(12月6日)の受講者は35名(集合写真に写っていない受講者もいます)。途中で車両トラブルがあり1名が離脱した以外は、大きな転倒や事故もなく過ごすことができました。

当日は35人の参加者に対して、7人のクイーンスターズ隊員が参加、更に補助としてベテラン男性指導員が4人加わって講師陣は計11人という充実のサポート体制でした。

身振り手振りを交え、体全体を使って指導してくれたクイーンスターズ隊員。ときにはバイクと並走して走りながらアドバイスする場面も。スクールの進行表をよく長靴の中に仮置きしていたことからも、その忙しさが伺えます。

開会式では「このスクールはバイクに慣れてもらうことが目的です」との言葉がありました。「早く」「上手く」走ることよりも「安全に」「正しく」走ることをテーマとしたスクールなので、初心者でも気構えることなく参加できます。

スクール開始前にはベテラン男性指導員が待機する受講者のバイクを見て回り「チェーンの替え時だよ」「あと〇〇km位走ったらタイヤ交換かな」と、車両整備と保安に関するアドバイスをしていました。

開始早々に他のライディングスクールと「QSライディングスクール」の違いを感じたのは、スクールの進め方とカリキュラムです。一般的なライディングスクールでは「バイクにまたがってからスタート」ということが多いと思いますが、今回参加したQSライディングスクールでの最初の課題は、バイクの取り回し方法と乗車前の車両点検の方法でした。

白バイを使ってタイヤ点検の方法を解説するクイーンスターズ隊員。センタースタンドを立てるコツも解説してくれました。

受講者は準備体操の後、白バイの回りに集まってバイクの取り回しと、車両点検では「ねんおしゃ(燃料、オイル、車輪)・ちえぶく(チェーン、ブレーキ、クラッチ)・とうばしめ(灯火類、バッテリー、締付け)」の確認方法を見て学びます。その後、受講者は各自のバイクに戻り、白バイで見た手本と同じように各自の車両を点検します。

走行課題の前に、受講者は各自のバイクを点検。

バイクの点検から始まり、基礎的な動作をしっかり確認

バイクの点検が終わると、いよいよ走行課題が始まります。慣らし走行の後は定番の8の字走行、ブレーキング練習、坂道発進練習と続きます。

ハンドサインを交えた指示とアドバイスが非常にはっきりとしていて分りやすいものでした。

走行課題の合間には「右直事故検証」が実施されました。これは、実際の四輪車を使って、「クルマの視点から走行するバイクがどう見えているのか」を体験するものです。加えて、隊員が運転する車両による実演で、走行するバイクとクルマの速度の見え方がどう違うのかということも体感します。

「右直事故検証」の様子。

バイクは正面から見た際に見える面積が小さいために、実際よりも走行スピードが遅く、且つ遠くにいるように感じられ、クルマとの右直事故(右折する車両と直進する車両がぶつかること)を起こしやすいということを学びました。

最後には白バイの先導に付いてコース走行をします。これまでの走行課題で指導されたことを意識しながら走ると、はじめの慣らし走行でコースを走ったときよりも、曲がり角やカーズをスムーズにクリアできているように感じました。

白バイの先導に付いてコース走行をする受講者。

隊員による事故検証まで盛り沢山だった講習メニューですが、なんと、参加予定者から事前に集めた「曲がり角で曲がるのが不安」「取り回しが苦手」などの声を考慮して、講師陣が毎回手作りでカリキュラムを作っているそうです。

加えて指導する上での工夫として、各受講者に対して担当する講師を決め、インカムを使って講師同士が連携を取り合うことで、各講師が半日を通して継続的に同じ受講者の動向を追いかけることができるので、その時限りでない指導ができるようになるそうです。成長度合いを追いかけられているというのは心強くうれしいような、恥ずかしいような気持ちでした。

インカムを通じ、受講者の走行の様子は担当の指導員に筒抜け。ブレーキングの練習をしてスタート位置に戻ってきたら、ゴール地点を見ていないはずの指導員から的確なアドバイスが。なぜバレているのでしょう……。

また、走行課題の前にクイーンスターズの隊員が行う模範演技では、二輪車がもともと持つ不安定感を微塵も感じさせず、隊員は常にほほえみさえ浮かべていて、早く走ることよりも美しく丁寧に走ることのカッコよさを感じる瞬間がたくさんありました。

どんなときに見ても背筋をピンと伸ばし、微笑みさえ浮かべてバイクを操るクイーンスターズ隊員。

参加しての感想と講師陣の想い

バイクを趣味として楽しむ人の男女比は8:2と言われています。よって、他のライディングスクールでは講師が男性というパターンが圧倒的に多いのです。

筆者(女性、身長159cm)からすると、「こうやってバイクを引き起こします」「停車時にはしっかり足をついて」「バイクは力で操るものではない」と指導されても「そりゃあ、先生は身長と力があるからできるんじゃないの……?」と斜に構えてしまうのが正直なとこころだったのですが、クイーンスターズの隊員の中には筆者より小柄な女性もいました。

そうなると、できないことを身長や力のせいにはできないので自分の中でできない「イイワケ」をしなくなるというのも、気を気を引き締められる大きな要因になりました。

バイクは二輪の乗り物であるということを忘れるくらい安定した走りを見せてくれるクイーンスターズ隊員だが、よくよく見ると足つきはつま先のみ。努力とテクニックを感じさせる。

指導員のチーフを務めた甲池巡査長は「今日のカリキュラムは、受講者の皆さんから事前に挙がっていた、停止発進が不安とか取り回しが難しい等という声を参考にして、バイクに慣れてもらうことを念頭に基本的な動作を確実に行えるようになることを目指して組みました。受講者さんにアドバイスをする際には、相手の経験値や車両のタイプを考慮して伝え方を変えるように工夫しています。バイクは楽しいものですが、安全に走れてこそ、楽しさを感じることができるのです。今日の受講者さんは若い方が多かったですね。今日学んだことを忘れずに、他のライダーの規範になるようなライダーになってほしいと思います」と話しました。

指導員のチーフを務めた甲池巡査長。

甲池巡査長に話を聞いている間にも、後ろにはスクールを終えた受講者が質問に来ていました。質問を受けた講師は、乗車姿勢の見本を見せながら、全身を使って質問に答えていました。

ハンドサインを交えたわかりやすい解説が特徴。全身を使い、ときにはバイクとともに走って的確なアドバイスをしてくれる。

クイーンスターズの主な任務は東京マラソンやパレードの先導、交通安全啓蒙活動など、セレモニー色の強いものが多くなっていますが、当然男性隊員と同様の厳しい訓練を受け、各交通機動隊や所轄で実務経験を積んだ後に選ばれた隊員たちです。悲しい事故を1件でも減らしたい、全てのライダーに安全に走ってほしいという思いが強く伝わってきました。

これまでバイクで走行中に白バイを見つけると「あれ、交通ルールこれで大丈夫だったよね……?」なんて心配をして、ちょっと走りにくさを感じてしまっていた筆者ですが、クイーンスターズを始めどの白バイ隊員も、本当にライダーの安全を考えてくれているのだなと思うようになりました。

女性隊員の腕章は縁がピンクで可愛らしいデザイン。

次回のクイーンスターズライディングスクールは?

今回のスクールは二輪免許取得後3年未満の初心者が対象でしたが、クイーンスターズライディングスクールは女性ライダーのみを対象としたもの、一般ライダーを対象としたものなど、複数の種類があります。各スクールの日程や応募要項は警視庁ホームページと警視庁交通総務課公式ツイッターで確認できます。

クイーンスターズの旗。今回のスクールでは胸部プロテクターの装着が必須だったが、旗に描かれた警視庁のマスコット「ピーポくん」もしっかり胸部プロテクターを付けている。

現役白バイ隊員の卓越した走りを間近で学び、安全運転技術を身につけることのできる貴重な機会である「QSライディングスクール」。ぜひ、自分に合ったテーマの回を見つけて、受講してみてくださいね!

レポート●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●飯田康博

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