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レンタルバイク旅行は「台湾」が穴場!! 標高3275mまで行けて、物価は日本の約2/3、景色と料理も◎

「コロナが明けたら〇〇したいね!」が定型のあいさつ文となってから早1年以上……。
日本ではいまだ収束の兆しが見えずにいる新型コロナウイルス感染ですが、ワクチンの普及により2021年の間に状況は大きく改善するかもしれません。
このコロナ禍で、密を避けて遊べるバイクに注目が集まっていますが、とはいえ積極的に遊び歩ける環境ではないですし、長距離を移動する本格的なツーリングは自粛しているなんてライダーもいるはず。そこで、アフターコロナを夢見つつ、そうなったときにオススメしたいバイク旅を提案します!

国内ではバイクに乗れても海外渡航は難しいコロナ禍

このコロナ禍で大きく制限されたことのひとつが、日本国外への渡航。
その国や地域の在留資格や居留証などを持っていないと、入境を許可してくれないことが非常に多く、在留資格なしで入境できたとしても、ワクチン接種が大前提とか、ビジネス渡航に限るとか、事前にPCR検査をして入境後には1週間以上の隔離生活を送り……など、国や地域ごとにさまざまな制約が設けられています。
海外旅行好きな方々はこの約1年半、「あ~、どこか行きたい!」と定期的につぶやいてきたはず。筆者もそのひとりですが、現状では海外旅行は非現実的な遊びです。

ちなみにこの記事で話題にする台湾は2021年5月19日から、台湾の有効な居留証を所持しない非台湾籍者の入境を停止中(2021年7月3日現在)。
東京から3時間半前後、大阪から3時間前後のフライトで到着し、沖縄の与那国島から直線距離でわずか110kmと近いのに、いまはトランジットですら台湾に上陸することはできません。
日本国内では、緊急事態宣言などの発令で都道府県をまたぐ移動の自粛が呼びかけられることはあっても、基本的には「行けない場所」はありません。
モラルや主義主張に関することを除けば、どこでも自由にツーリングできます。でもほとんどの日本人にとって海外でのツーリングは、コロナが収束してくれないと実現できない夢なんです……。

花蓮市の東大門夜市。2015年に整備された観光夜市。「いつでもまた来れるから、がっつかなくていいや」は間違いでした!

台湾のレンタルバイクの料金は日本より安め

正直なところ、海外ツーリングネタってバイクメディアではあまりウケがよくありません。
費用とか言語などいろいろハードルが高いという先入観や、そもそも日本国内ですら憧れのまま行けていない場所があるから……なんていうのが、大きな理由のようです。でも、台湾ツーリングに言語と費用の問題はあまり当てはまりません。

まず、台湾の公用語は北京語をベースとした中国語。
一番大きな都市となる台北市街でも、英語が話せる人の数はそれほど多くなく、日本人と同じくカタコト程度です。英語コンプレックスのある人でも、台湾ならどうせ英語はあまり通じないので問題ナシ(←どんな理屈?)。
しかも台湾なら、日本が統治していた時代があったことやコロナ禍までは多くの日本人が観光で訪れていたことなどから、日本語が少しわかる人もたくさんいます!

また、使われている漢字は、繁体字という画数が多いタイプ。日本の旧漢字のようなもので、やたらと複雑なのですが、目に力を入れると意味が想像できることも……。まあそもそも、最近は翻訳アプリも飛躍的に性能が向上しているし、言葉の問題はあまり気にしなくて大丈夫です。

台湾をツーリングするなら、レンタルバイクを利用するのが一般的かつ現実的。まあ、アナタが何ヵ月も旅するような本物の冒険ライダーでもない限り、世界中どこをツーリングするんでもレンタルバイクを使うほうが賢明ですし、ハードルもグっと下がります。

そして台湾の場合、レンタルバイクの費用は日本の7~8割程度というイメージ。600ccクラスのホンダ車を2019年に台北市内のスズキ系ショップでレンタルしたときは、ベースとなる費用が1日1万円程度で、あとは走行距離に応じて1kmあたり25~40円くらいを払う設定でした。1泊2日で400kmくらい走って3万円以下。免責額が40~50万円程度もあるのがデメリットなのですが、この料金には車両補償も含まれています。

そもそも費用ということでは、往復の航空券やエア+ホテルのパック料金がこれまで安めに設定されてきた点も、台湾の魅力です。これ、アフターコロナがどうなるか予想は難しいと思いますが、きっと世界中で旅行誘致合戦がスタートすると思うので、リーズナブルな状態に戻るのでは?

ちなみに、海外でバイクやクルマを運転するためには、運転免許センターや警察署で国際運転免許証を発給してもらうのが一般的ですが、これはジュネーブ条約に基づいた国際的な取り決めによるもの。ところが台湾は、この条約に加盟していません。一方、国際間の運転免許に関する取り決めにはウィーン条約に基づくものもあるのですが、こちらは台湾が加盟しているのに対して日本は非加盟です。

そこで日本と台湾は独自の取り決めを結んでいて、日本の運転免許証を持っている場合、日本の免許証に加えてその中国語翻訳文を所持携帯していれば、日本で運転が認められているのと同等の車種が運転できることになっています。この中国語翻訳文は、JAF(日本自動車連盟)で発給されたものに限られ、1通3600円で取得できます(詳しくはこちら)。

夜市のメニュー。ほら、目力をマックスにすれば、どんな料理かわかりそうですよね?!
筆者がバイクを借りた、台北市街のややはずれにあるスズキのバイクショップ。販売と修理がメインです。
こちらがレンタルバイクの料金表(2019年当時)。1ニュー台湾ドルは約4円となっています。
スズキのバイクショップですが、レンタル車両としてあてがわれたのはホンダのCB650Fでした。

親日、グルメ、右側走行、3000m級の峠道が台湾ツーリングの魅力

最近では日本から台湾へのワクチン提供なんてニュースもありましたが、地震被害などで常に支え合ってきたのが台湾と日本。

そのため台湾には、日本人に対して優しくしてくれる人たちが大勢います。というより、島全体が親日と言ってもいいレベル。
筆者が旅行した限りでは、大都市部で若者も多い台北より、ややのどかな台南のほうが親日を感じる瞬間は多く、夜市(屋台村)でそこらを歩いているお客さんが我々のために値引き交渉をしてくれたり、エビ釣り堀で釣り方を教えてくれただけでなくベストスポットを譲ってくれたり、博物館で中学生くらいの女の子に「日本人ですか?日本大好きです」と突然話しかけられたこともあります。

そんな親日の台湾では、グルメも魅力。前述の夜市では食べ歩きが楽しいですし、魯肉飯(ルーローファン)やマンゴーかき氷や火鍋など、名物も山ほどあります。基本的には中華料理ですが、香辛料はキツすぎず日本人の口にも合いやすい味つけがされていることが多いです。

そして台湾では、バイクやクルマが右側を通行するルール。
まあ、世界的には右側通行を採用する国と地域のほうが圧倒的に多いのですが、台湾はそれを体感できる国と地域の中で日本からかなり近い距離にあります。
クルマの場合、左側通行は右ハンドル、右側通行は左ハンドルが基本なので、交通の流れだけでなくクルマの操作や乗車する場所の違いにも慣れないといけないのですが、バイクの場合は左側通行だろうが右側通行だろうが設計は同じ。
日本で普段からバイクに乗っていて操作がカラダに沁みついている人なら、ただただ右側を走ることに集中できるので、すぐに慣れると思います。それでいて、やっぱり右側通行というのは我々日本人にとって「異国情緒」たっぷり。その非日常感に心が躍ります!

極めつけは、台湾なら標高3000mオーバーの高所まで、自分でバイクを運転してたどり着けるというところ。これだけは、日本では絶対に体験できません!

台湾で定番の「夜遊び」として知られるエビ釣り。ゲットしたエビはその場で焼いて食べることもできます。
安くてうまい、台湾名物の魯肉飯。煮込んだ豚肉を白米の上にのせた、屋台などで食べる庶民派グルメです。
台湾はバイクやクルマが右側を通行。もっとも頭が混乱するのは左折時(日本の右折時と同じ状態)ですが、意外とすぐ慣れます。
当然ながらワインディングも右側通行。日本では対向車のことを考えて公道ではまずできない「右コーナーインベタ走行」もできます。まあ、逆に左インベタは危ないんですけどね。

台湾道路最高峰「武嶺」は標高3275m!

そもそも、台湾は小さな島というイメージも抱きがちですが、実際には日本の九州に迫る面積。
平地が多いのは首都の台北などに限った話で、本島の東側には南北約340kmにもわたって標高3500m前後の山々で構成された中央山脈がそびえます。
台湾はユーラシアプレートとフィリピン海プレートが交差する位置にあり、これにより多くの山々が形成されたと考えられています。
まあ、地震が多いのもそのためですが……。それはともかく、台湾の中央付近に位置する最高峰の玉山は標高3952m。日本の富士山よりも高いんです!

ただし、道路を走り自分の運転でアプローチできる台湾最高地点は、この玉山ではなく合歓山の主峰と東峰に挟まれた鞍部にある武嶺。
その標高は3275mにもなります。日本では、2003年に乗鞍スカイライン&エコーラインにマイカー規制が導入されて以降、バイクで合法的かつ道路の走行で行ける最高地点は、富士山スカイラインの登山区間終点となる富士山富士宮口5合目の標高2380m。
仮に乗鞍が走れたとしても2700m級で、台湾の武嶺には500m以上も負けています。

さてその武嶺には、太平洋に近い太魯閣(タロコ)渓谷東端から、省道8号(省道=台湾の主要道路)およびこれと接続する省道14甲号の山岳道路を90km近く走ってアプローチできます。
島の東側やや北部に位置する太魯閣渓谷は、台湾随一の絶景エリアとしてコロナ禍の前には海外観光客からの注目度が高まっていた場所。大理石の岩盤を河川が浸食して形形されていて、断崖絶壁や滝などが美しい自然の風景をつくっています。ほぼ海沿いの場所からこの太魯閣渓谷を狭くてツイスティなワインディングで抜けると、途中から標高がグングンあがるようになり、そして目的の3275m地点へ。ここまで来ると、なんだかとても空気が澄んでいて空はより青く、雲までを見下ろすよう。展望台からは中央山脈の山々を一望でき、周辺はどこを走っても絶景です。

太魯閣渓谷の東端からアプローチした場合、標高1000~2500mの間は42kmもあるのに、2500~3000mは6kmほどで一気に上がります。最後に待つこのアトラクション感もたまりません!

太魯閣渓谷に向かうルートの東端にある、「東西横貫公路」と書かれた赤門。定番の記念写真スポットです。
太魯閣渓谷を通るワインディングは、狭くてツイスティ。岩肌が間近に迫る場所も多く、迫力満点です。
これはまだ、比較的麓のほうにある標高1000m地点の看板。標高1500mが11km先、2000mが25km先と示されています。
こちらは、間もなく標高2500mを迎えるあたり。しばらく霧の中を走り、雲の上にまで抜けてきたところです。
標高3000mの案内看板は、なぜかそれまでのモノより控えめ……。横に写るのはホンダ・グロムに乗る台湾ライダー。
そしてついに、標高3275mの武嶺に到着。途中の道は狭く険しいのですが、クルマの一般観光客もけっこういました。

台湾ツーリングのおすすめルート

台湾観光のメインとなることが多い台北を起点とした場合、スクーター大国ということもあり市街地を抜けるまでは交通量の多さにちょっと気を遣いますが、市街から東に向かって30分も走らないうちにワインディングがスタート。台北市の南側から茶の産地として知られる新北市坪林を抜けて海沿いの宜蘭市に至る約40km区間や、宜蘭市南側から花蓮市北部にかけて海沿いを走る約70km区間は、走りごたえのあるワインディングです。台北市から200kmほど走ると花蓮市。ここで1泊して、翌日は少し戻って(北上して)太魯閣渓谷から武嶺を抜けて台中までも再び200km。台中から台北へは、ほぼ全域で片側2車線の路面がよい緩やかなワインディングが続く省道3号をメインに走って約160kmといったところです。

台湾ではバイクが高速道路を走れないし、いつもと違う道路環境ということもあり1日の走行距離は伸ばしづらいですが、それでも2泊3日あればこのルートで十分に台北から武嶺を狙えます。ちなみに筆者は、台中泊を省略して1泊2日で巡りました。

台湾観光のついでに、自分の運転で標高3000m越え。日本人にとって、これがもっとも簡単にできる地は間違いなく台湾です。もちろん、このコロナ禍が収束したらの話ですが……。そのときを夢見て、まずはグーグルマップで妄想ツーリングなんていかが?

標高3000mオーバーの場所にある絶景道路。コロナが収束して再び訪れる日が早くやってくることを願っています!

レポート/●田宮 徹 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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