トピックス

【2025年の全日本ロードレースJSB1000を振り返る】 外車勢が5勝するも、ヤマハYZF-R1の中須賀が5勝で13度目の戴冠

■前戦の岡山大会でJSB1000クラスのタイトルを獲得したヤマハYZF-R1に乗る中須賀克行選手(#2・ヤマハファクトリーレーシングチーム)写真は菅生大会から

2025年シーズンの締めくくり「第57回MFJグランプリ スーパーバイクレースin鈴鹿」開催

土曜日曜ともに雨のレースとなった最終戦鈴鹿はドカティ・パニガーレV4Rに乗る水野選涼手(#3・ドカティチームカガヤマ)が2レースを優勝で締めくくった

2025年10月25日から26日にかけて三重県の鈴鹿サーキットで「第57回MFJグランプリ スーパーバイクレースin鈴鹿」が開催されました。このレースは2025年の全日本ロードレース選手権を締めくくる最終戦でもあります。

国内トップカテゴリーのJSB1000クラスは、土曜のレース1(転倒車の影響で途中で終了)、日曜のレース2ともに雨が降るコンディションの中、ドカティ・パニガーレV4Rに乗る水野涼選手(#3・ドカティチームカガヤマ)が優勝。2位にはBMW・M1000RRの浦本修充選手(#31・オートレース宇部レーシングチーム)が入りました。

レース1では鈴鹿を得意とする日浦大治郎選手(#14・ホンダドリームRTサクライホンダ)が、レース2では野左根航汰選手(#4・アスティモプロホンダSIレーシング)と、それぞれホンダCBR1000RR-Rに乗るふたりが3位に入賞しています。

最終戦は欠場するも、ヤマハYZF-R1の中須賀選手が13回目のチャンピオンに

外車勢強しの印象が強く残った最終戦でしたが、JSB1000クラスは最終戦を待たずに、前戦の第6戦岡山大会でヤマハYZF-R1に乗る中須賀克行選手(#2・ヤマハファクトリーレーシングチーム)のチャンピオンが決定しています。

中須賀選手は今シーズン5勝をマークし、前戦の岡山大会まではすべてのレースで表彰台に乗っています。今回は自身13度目の全日本チャンピオン獲得であり、JSB1000クラスでの優勝回数を94まで伸ばしています。

その中須賀選手は、最終戦直前となる木曜日の練習走行中に転倒。最終戦は怪我の影響でなんとかバイクに跨ることができる状態でしたが、予選では2番手のタイムをマークしました。ところが決勝前に雨が降り出し、チームは怪我をしている状態の出走は危険と判断して欠場となりました。

最終戦は欠場となったがYZF-R1とともに13度目のJSB1000クラスタイトルを獲得した中須賀選手。JSB1000の通算優勝回数は94回となった

ドゥカティ・パニガーレV4Rの水野選手とBMW・M1000RRの浦本選手の躍動

開幕戦と最終戦を制してランキング2位となったドカティ・パニガーレV4Rに乗る水野選手。菅生での転倒が悔やまれます

今年はシーズン前に予想された通り、外車勢の活躍が目立つJSB1000クラスとなりました。特に、ドカティ・パニガーレV4Rと水野選手は2年目のシーズンですが、開幕戦のもてぎ大会で優勝しチャンピオン候補の筆頭に躍り出ました。

ところが第2戦菅生大会の事前テストでクラッシュし、大事なパニガーレV4Rのファクトリーマシンが炎上してしまいます。このときは難を逃れた水野選手でしたが、別の転倒で両肩を骨折して菅生大会を欠場。結局、ここで勢いが断ち切られてしまいます。それでも年間ランキングは2位に入っただけに、菅生のクラッシュが悔やまれます。

一方、逆に勢いに乗ったのはBMW・M1000RRの浦本選手。8月のもてぎ大会では土曜、日曜の決勝2レースで優勝。スペインのスーパーバイク参戦で成長し、全日本に戻ってきた浦本選手とM1000RRの組み合わせは、各レースで驚くような速さを見せてくれました。

浦本選手とチームは、ボルドール24時間耐久レースに出場するために第5戦オートポリス大会と第6戦岡山大会を欠場(ボルドールでは4位を走行するも23時間を前にリタイア)。結果的に今シーズンは2勝をマークし、年間ランキング3位に入りました。

BMW・M1000RRのファクトリーマシンで参戦する浦本修充選手(#31・オートレース宇部レーシングチーム)は2勝してランキング3位

スズキ・CNチャレンジの全日本参戦と8人の表彰台登壇者

2位が4回、3位が1回と上位に食い込みランキング4位のホンダCBR1000RR-Rに乗る野左根航汰選手(#4・アスティモプロホンダSIレーシング)
今年JSB1000クラス2年目の参戦。オートポリスでは嬉しい初表彰台ゲット、25歳の伊藤和輝選手(#9・ホンダドリームRTサクライホンダ)はランキング5位
上位グループを掻き回しレースを盛り上げた、39歳でいまだ伸び盛りのホンダCBR1000RR-Rに乗る岩田悟選手(#8・チームATJ)はランキング6位

ランキング4位には野左根選手、5位には伊藤和輝選手(#9・ホンダドリームRTサクライホンダ)、そして6位には3岩田悟選手(#8・チームATJ)のホンダCBR1000RR-R勢が入賞しています。

ランキング7位には3回の3位入賞を得たチームスズキCNチャレンジの津田拓也選手(スズキGSX-R1000R)、8位には参戦2年目で初表彰台を獲得したダンロップレーシングチームウィズヤハギの長島哲太選手(ホンダCBR1000RR-R)となりました。

そして9位には、サンメイチームタロープラスワンの関口太郎選手(BMW M1000RR)、10位にはチームATJの鈴木光来選手(ホンダCBR1000RR-R)がそれぞれ入賞しています。

環境負荷低減をテーマに鈴鹿8耐に参戦するスズキCNチャレンジと津田拓也選手は、全日本にもフル参戦。3位に3回入賞しランキング7位となった。バイクはスズキGSX-R1000R
ダンロップタイヤの開発を務める長島哲太選手(ダンロップレーシングチームウィズヤハギ)は、自身初のJSB1000初表彰台を獲得。バイクはホンダCBR1000RR-R
プライベーターながらBMW M1000RRで参戦するサンメイチーム太郎プラスワンの関口太郎選手は、ランキング9位を獲得

MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦・JSB1000決勝結果
【レース1】※順位/ライダー/マシン
1.水野 涼/ドゥカティ パニガーレV4R
2.浦本修充/BMW M1000RR
3.日浦大治朗/ホンダCBR1000RR-R
4.渥美心/スズキGSX-R1000R
5.野左根航汰/ホンダCBR1000RR-R
6.岩田悟/ホンダCBR1000RR-R
7.阿部恵斗/ホンダCBR1000RR-R
8.関口太郎/BMW M1000RR
9.伊藤和輝/ホンダCBR1000RR-R
10.中村竜也/カワサキZX-10R

【レース2】※順位/ライダー/マシン
1.水野 涼/ドゥカティ パニガーレV4R
2.浦本修充/BMW M1000RR
3.野左根航汰/ホンダCBR1000RR-R
4.岩田悟/ホンダCBR1000RR-R
5.阿部恵斗/ホンダCBR1000RR-R
6.日浦大治朗/ホンダCBR1000RR-R
7.渥美心/スズキGSX-R1000R
8.津田拓也/スズキGSX-R1000R
9.長島哲太/ホンダCBR1000RR-R
10.関口太郎/BMW M1000RR

最終戦のJSB1000クラスの表彰台。レーシングスーツ姿の左から、浦本、水野、野左根の各選手。一緒に並ぶプレゼンター(一番右)はAMAスーパーモトクロスチャンピオンの下田丈選手です

2025年全日本ロードレース選手権【JSB1000】年間ランキング(10位まで)

※順位/ライダー/チーム名/マシン/獲得ポイント
1.中須賀克行/YAMAHA FACTORY RACING TEAM/ヤマハYZF-R1/185pt.
2.水野 涼/DUCATI Team KAGAYAMA/ドゥカテイ パニガーレV4R/141pt.
3.浦本 修充/AutoRace Ube Racing Team /BMW M1000RR/132pt.
4.野左根 航汰/Astemo Pro Honda SI Racing /ホンダCBR1000RR-R/124pt.
5.伊藤 和輝/Honda Dream RT SAKURAI HONDA/ホンダCBR1000RR-R/108pt.
6.岩田 悟/Team ATJ /ホンダCBR1000RR-R/100pt.
7.津田 拓也/Team SUZUKI CN CHALLENGE/スズキGSX-R1000R/97pt.
8.長島 哲太/DUNLOP Racing Team with YAHAGI /ホンダCBR1000RR-R/85pt.
9.関口 太郎/SANMEI Team TARO PLUSONE /BMW M1000RR/67pt.
10.鈴木 光来/TeamATJ /ホンダCBR1000RR-R/59pt.

Photo&Report●柴田直行

CONTACT

2025年JSB1000クラス年間ランキング
https://drive.google.com/file/d/1Tp7nVMR6KyYJaG8q0wXY4P19aawNk3BJ/view

  1. 原付免許で運転できる『新基準原付』4車種の価格と発売日が決定!『スーパーカブ110 Lite』『クロスカブ110 Lite』『Dio110 Lite』『スーパーカブ110プロ Lite』が新登場!

  2. 自分の愛車に合った「エンジンオイル」ってどうやって選べばいい?

  3. 愛車をもっと自分好みにするなら?世界的にカスタム人気の高い『CL500』がお手本にピッタリかも!

  4. 大排気量ツアラー一筋だったベテランライダーがXL750 TRANSALPに乗って感じた自由と楽しさとは?

  5. 原付二種相当のEVスクーター『CUV e: 』ってどんなバイク? 足つき性や航続距離など実際に触れて「わかったこと」を解説します!

  6. のんびりツーリング最強の大型バイク『CL500』がアップグレード!新色にも注目です!

  7. 【嘘だろ】2025モデル『GB350 C』が突き抜けカラーに!? これまで以上に「新車で買えるバイク」だと思えなくなって新登場です!

  8. XL750 TRANSALPで本気のオフを楽しむ!使って走ってなんぼのオーナーのバイクライフが自由だった

  9. Hondaが『EVスクーター』の普及に本気を出してきた!? 新型EVスクーター『CUV e: 』登場!

  10. 【新型登場】大人気『GB350』と『GB350 S』が大胆に変身! NEWカラーもスゴいけど……メーターやテールランプも「カスタムバイク」みたいになった!?

  11. 通勤・通学、二人乗りもOKの遊べる125cc『ダックス125』は初心者の人も安心!

  12. レブル500ってどんなバイク? 燃費や足つき性、装備などを解説します!

  13. ストリートとワインディングで感じた『CBR650R E-Clutch』の素晴らしさ。もうマニュアルクラッチに戻れる気がしない

  14. 免許取り立ての女性ライダーが「スーパーカブ110」と「リード125(LEAD125)」に乗ってみた感想は都内の普段遣いにベストな選択

  15. 50歳からライダーデビュー。エネルギッシュな女性ライダーが考える悔いのない人生

  16. 大きなバイクに疲れた元大型ライダーが「Honda E-Clutch」で体感したある異変とは?「バイクの概念が変わりました」

  17. 新型『NX400』ってバイク初心者向けなの? 生産終了した『400X』と比較して何が違う?

  18. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  19. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける

  20. CL250とCL500はどっちがいい? CL500で800km走ってわかったこと【ホンダの道は1日にしてならず/Honda CL500 試乗インプレ・レビュー 前編】

おすすめ記事

カワサキ【ニンジャH2 SX SE】2025年モデルが312万4000円で3月1日発売、カラー変更&価格改定 「青くなったRC213V」レプソルホンダが2024年MotoGPマシンを発表! メグロ S1 カワサキ カワサキ メグロS1「230ccで72万円は高い論」に物申す! 実はエンジンまで専用仕上げ、そのこだわりに驚愕する

カテゴリー記事一覧

  1. GB350C ホンダ 足つき ライディングポジション

ピックアップ記事