新基準原付という新しい枠組みの登場で、原付の世界は大きな転換点を迎えています。
今回は、新基準原付として新たに生まれた「クロスカブ110Lite」に女性ライダー「ぴの子」が試乗! 従来の「クロスカブ50」と同時に走行し、走り比べてみました。
新基準原付とホンダ「Lite」シリーズ
皆さん既にご存知のことかと思いますが、新基準原付とは2025年4月1日から新たに設けられた原付一種の区分で、排気量50cc超125cc以下、かつ最高出力が4.0kW(約5.4PS)以下に制限されたバイクのことです。従来の原付と同じ原付免許で運転できます。110ccクラスのエンジンをベースにすることで、排ガス規制に対応しつつ、従来の50ccより余裕ある走りを実現しています。


ホンダのLiteシリーズは、この新基準に合わせて開発されたモデル群。クロスカブ110Liteは、その中でも走る楽しさや使い勝手を重視した一台です。
【クロスカブ110Lite】決定的な違いは走り出し

まず発進してすぐに感じたのは、クロスカブ110Liteのほうが圧倒的に気を使わないということ。アクセルを軽く開けるだけでスッと前に出てくれるため、発進がとても穏やか。

街中のストップ&ゴーでは、50ccはどうしてもワンテンポ遅れる場面があります。
信号からの発進や、流れの速い道路では、少し気を使うことも。クロスカブ110Liteはその点、加速に余裕があり、交通の流れにスムーズに乗れます。
特に差が出たのが登り坂。50ccではアクセルを開け続けないと速度が落ちてしまう坂でも、110Liteはエンジン音に余裕を残したまま登っていきます。この差はかなり分かりやすく感じました。
【クロスカブ110Lite】ギア操作の回数が圧倒的に少ない
クロスカブ110Liteはクロスカブ50とは比べものにならないほど余裕があります。今回は通常のクロスカブ110には乗っていませんが、試乗経験者や各種インプレッションを見る限り、出力を抑えたLite仕様であっても、走りの印象は通常のクロスカブ110と大きく変わらないという声が多く聞かれます。
対してクロスカブ50は決して速いバイクではなく、常に回転数を意識しながらこまめなギアチェンジが必要で、走っていてどこか忙しさを感じます。その点110Liteは、2速のままで法定速度である30km/hに達してしまうため、エンジンにもライダーにも余裕があります。
アクセル操作やシフト操作に追われることがなく、周囲の流れを見ながら落ち着いて走れる。結果として運転がとても楽で、「ただ移動する」だけでなく、走る時間そのものを楽しめる原付だと感じました。
シート高が超重要!女性ライダー視点での扱いやすさ比較
扱いやすさに関しては人によって大きく評価が分かれるポイントです。
クロスカブ50
- 前後14インチホイール採用の専用車体のため、車格がコンパクト。そのため押し引きが楽! 車体重量は約100kg
- シート高740mmで足つきがよく、安心感が高い
- 初心者や小柄な人でも気軽


クロスカブ110Lite
- 現行クロスカブ110と車体を共用しているため、大柄。車体重量は約107kgでやや重い
- シート高約784mmで足つきは悪化
- 取り回しには慣れが必要


特に、身長160cm以下の女性はこのシート高「44mm」の差はかなり大きい! 筆者は身長154cm(+厚底ブーツ)ですが、クロスカブ50は両足がつき僅かに踵が浮くぐらいの足つきに対し、クロスカブ110Liteの方はつま先が付く程度。
女性ライダーや初心者にとっては、50ccのほうが「扱いやすい」と感じる場面も多いと思います。
価格と制度面のギャップ
価格は、以下。
- クロスカブ50:約30万円(税込)
- クロスカブ110Lite:約40万円(税込)
性能差を考えれば納得できる部分もありますが、原付として見ると約10万円のアップで高額になりました。にも関わず、クロスカブ110Liteほどの余裕ある走りでも30km/h制限は変わりません。二段階右折は従来通りで、もちろんタンデムもできません。性能と制度のミスマッチは、実際に走ると強く感じます。

新基準原付でツーリングするライダーが増える!?
クロスカブ110Liteは、少し遠くまで走りたくなるバイク。
一定速度での巡航が安定しているため、距離を走っても疲れにくいと感じました。
「原付でも、走る時間を楽しめる」
「無理なく、遠くへ行ける」
二輪免許を取得するほどではないけれど、「バイクで旅をしてみたい」と思っていた原付免許(または普通自動車免許)ユーザーが、新基準原付でツーリングを楽しむ姿を目にする日も、そう遠くないのかもしれません。

対してクロスカブ50は、近距離移動や街乗りが得意。軽くて取り回しがよく、「ちょっとそこまで」が気楽です。なお、50ccバイクはすでに新車での生産が終了しており、今後は中古車市場が中心になります。今回試乗したクロスカブ50のくまモンバージョンについても、中古市場では価格が上昇するのでは、という声が聞かれています。気になっている方は、在庫があるうちに早めに中古バイクショップをチェックしてみるのがおすすめです!
文●ぴの子
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