現役で活躍している主な白バイ4車種
車両の後方から白色のバイクが追い上げてくると「うわ、白バイがきた……!」と、身構える人が多いでしょう。しかし、海外の映画やドラマを観てみると、白色ではなく、黒色や青色のバイクに乗って颯爽と登場する警察官が描かれていますよね。
アメリカの州警察、イングランドの地方警察など、海外では自治体の数だけ警察組織が独立していることも多く、バイクのカラーリングやデザインはさまざまなのです。
では、日本の警察はなぜ「白色」を採用しているのでしょうか? なにか白色でなければならない理由でもあるのでしょうか?
2022年現在、全国各地の警察で活躍している主な白バイは4車種あります。
- ホンダ VFR800P
- ホンダ CB1300P
- ヤマハ FJR1300P
- スズキ GSF1200P
いずれも販売されている車種がベースとなっていますが、最後に「P」(Police)という文字が入る白バイ仕様です。「P」は警察相手の入札・発注でしか販売されていないので、もちろん一般人には購入できません。

上記4車種のほかにも、サイドカー仕様のホンダ ゴールドウイング、オフロード仕様のヤマハ セローなどがありますが、すべてのカラーリングは白色で統一されています。
白バイが白い理由は「法令で定めているから」
白バイが白いのは「平和と清潔」をあらわす色だから……というのが警察側の答え(愛知県警察のホームページにて)ですが、ほかにも白色にした理由があります。国土交通大臣が定めた「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第153条3号には、次のとおり明記されています。
「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第153条3号 緊急自動車)
なお、第153条4号には「車体の塗色の大部分の塗色が前号に規定する塗色である場合は、前号の基準に適合するものとする」とも明記されています。
車体のほとんどが白色なら保安基準的にはクリアで、白バイとして運用可能ということですね。だから、わざわざ警察側で白色に塗らなくてもいいように各メーカーが白バイ仕様を生産しているわけです。
法令で色を定めているなら一部警察の「黒バイ」は?

実は、国内には白バイならぬ「黒バイ」が存在しています。
和歌山県警察では、暴走族対策としてホンダ VFR800PやCB1300Pのほか、隊員の服も黒に統一した部隊を結成しており、神出鬼没の「黒豹隊」として恐れられているとか……。
しかし、法令で消防自動車以外は「白色」という決まりがあるなら、和歌山県警の黒バイは「違法なのでは?」という疑問が生じますよね。この点は、前出の告示第153条3号に但し書きがあります。
「ただし、警察自動車、検察庁において犯罪捜査のために使用する自動車(中略)にあっては、この限りでない」(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第153条 緊急自動車)
この例外でもっともわかりやすいのが「覆面パトカー」です。刑事が捜査で使用している覆面パトカーは、周囲から警察車両だとわかりにくいようにする必要があるので、白色にする決まりから除外されています。
つまり、和歌山県警の黒バイは暴走族取り締まりという交通事件捜査を目的としているため、覆面パトカーと同じ扱いで例外的に黒が認められているのです。
このようにちゃんとした理由があれば緊急自動車でも、赤色や黒色を採用していいという法令があるのなら、今後はどんな色が出てくるのか楽しみですよね。
レポート●鷹橋 公宣 編集●モーサイ編集部・小泉元暉

元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、noteでは元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。





































