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【元警察官】が解説!道路工事現場、ガードマンの赤棒には強制力も責任もない!運転者自身が最終確認を!

■「ガードマンの交通誘導って……」

ガードマンの交通誘導に従って事故を起こした!責任は誰が負うのか?

道路工事の現場でほぼ必ず見かけるのがガードマン(警備員)の姿です。
ガードマンは道路に立って進行・停止などの交通誘導をおこないますが、では、ガードマンの交通誘導に従って進行したのに衝突などの事故に遭った場合、ガードマンや警備会社が責任を負ってくれるのでしょうか?

ガードマンの交通誘導に従う義務はない

まず覚えておいてほしいのが、ガードマンの交通誘導には「従う義務がない」という点です。
道路工事の現場などで見かけるガードマンは警備員という職種にあたり、警備業法という法律に基づいて業務を遂行します。警備業法には「警備業務を行うにあたっては、特別に権限を与えられているものではない」旨が明記されており、ガードマンには法律上なんらの権限もありません。
さも当然のように「止まれ」「あちらへ進め」と指示しているようにも感じられますが、じつは「止まってください」「あちらに進んでもらってもよいでしょうか?」とお願いをしているにすぎないのです。

法律上の権限がないならガードマンの交通誘導は無視してもいい?

とくに法律上の権限はないのだから、たとえばガードマンに停止を求められてこれを無視したからといって、道路交通法などの違反に問われることはありません。このように説明すると「じゃあこれからは無視してもいいんだ」と考える方がいるかもしれませんが、果たして本当に無視してもいいのでしょうか?

工事現場などのガードマンは、道路や周囲の交通の状況などを確認しつつ、ガードマン同士で連携を取りながら交通誘導をおこないます。もし、片側交互通行の現場でガードマンの交通誘導を無視して突破すると、反対車線側のクルマと正面衝突を起こすか、事故を避けられてもスゴスゴとバックで戻らなければならないという恥をかくことになるでしょう。
つまり、ガードマンの交通誘導を無視しても、なにもいいことはありません。

ガードマンの交通誘導に従ったせいで交通事故を起こした場合の責任は?

ガードマンはあくまでも人間なので、信号機のように正確ではありません。確認ミスや連携ミスを起こすこともあります。
では、ガードマンの交通誘導に従ったところ、何らかのミスによって交通事故につながってしまった場合は、ガードマンの責任になるのでしょうか?
じつは、交通誘導をしているガードマンには交通事故の責任はないというのが基本的な考え方です。「行ってもいいって合図を出したから進んだのに事故になった!」と運転者は憤ってしまうはずですが、そもそもガードマンに法律上の権限もないのだから、責任の範囲も限られてしまいます。

ガードマンの交通誘導に従うかどうかは、各ドライバーの自由に委ねられています。そして、その結果によって交通事故を起こしたとしても、それは「漫然と交通誘導に従って、みずから注意することを怠った」というドライバーのミスになるのです。
もっとも、ガードマンの交通誘導に重大なミスがある場合は、ガードマンも責任を負うことがあります。実際に、横断歩道の歩行者と、交差点を右折するクルマの両方に「進んでも大丈夫」と誘導を出してしまい、クルマが歩行者をはねて死亡させてしまったケースでは、ガードマンにも「運転者に準ずる責任がある」として有罪判決が下されました。

こういったケースが存在することを考えると、決してガードマンも無責任というわけではありません。ただし、この事故でも、ガードマンは運転手に準ずる責任を認定されただけで、ドライバーは「誘導を妄信して自己による安全確認が不十分だった」と有罪判決を受けています。
ガードマンが全責任を負ってドライバーは責任を回避できるという可能性はほぼないと心得ておいてください。

実際に事故が起きたときの対応は?警備会社に聞いてみた

ガードマンの存在が絡む交通事故でも、事故の責任はドライバーが負うというのが定石です。とはいえ、ドライバーの立場としては法律上の義務がないといってもガードマンの交通誘導を疑ってかかるのも難しいので、誘導ミスなどがあればガードマンや警備会社の責任を追及したくなるのは当然でしょう。

誘導ミスなどが原因で交通事故が発生した場合、実際はどのように対応するのか、警備会社に質問しました。
「たとえガードマンの交通誘導に従っていたとしても、その結果で事故に発展した場合はドライバーの責任になります。ガードマンによほど大きなミスがない限り、法的にもガードマン自身や警備会社が責任を負う立場にはなりません。
ただし、ドライバーとしてはやはり「誘導が悪かった」と主張したくなるものだし、そのクレームはガードマンや警備会社ではなく工事をおこなっている施工業者に向けられます。警備会社としても施工業者からの評価を落としたくないので、弊社ではドライバーとの示談を進めるのがセオリーです。この場合、警備会社が負うのは、損害額の10〜20%程度だと考えてよいでしょう」

つまり、法的には責任がないといっても、実際には警備会社もある程度は譲ったスタンスで損害の一部を補償してくれる可能性がある、ということになります。とはいえ、あくまでも事故の責任はドライバー自身にあるので、かならず警備会社が一部の責任を負ってくれるとは限りません。過度の期待は禁物でしょう。

また、ガードマンや警備会社が責任の一部を負ってくれたとしても、ドライバーの責任が軽くなるのは民事責任、つまり「お金による賠償」だけです。
先ほど紹介した死亡事故の事例のように人身事故に発展した場合、ガードマンや警備会社にも責任があるという結論に達したとしても、ドライバーの刑事責任を回避できるわけではありません。
刑務所に収容されたり、罰金を支払うことになったりといった罰だけでなく、社会的な責任を追及される事態にもなると心得ておいてください。

工事現場などの近くでは、ガードマンの交通誘導に従ったうえで、ドライバー自身もハンドルを握っている責任を自覚し、安全確認を徹底しましょう。

レポート●鷹橋公宣 画像●モーサイ編集部

Profile

◯鷹橋公宣(たかはし きみのり)
元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、「note」では元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。

 

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