「GB350やW800、トライアンフ ボンネビルなどオーセンティックなバイクが人気で、弊社のユーザーにもそれらのオーナーが増えています。アーカナシリーズはそんなライダーに向けて企画しました」と語るのは、開発を手掛けたクシタニの企画生産管理部、鷺澤 亨さん。従来のクシタニ製ジャケットとは一線を画すレトロなデザインだが、同社は単なるノスタルジーではなく、そこに新しさを持ち込んだ。それが杢調ダイヤ柄リップストップ生地だ。
リップストップ生地とはキャンプ道具などにも使われる引き裂きに強い織物で、ライディングウエアに使われることは珍しい。それを実現したのが生地の開発環境。実はクシタニ製ライディングウエアは全て、同社のオリジナルの生地を採用している。そのため、どんな素材を使うか、織り方はどうするか、どのくらいの防水性を持たせるかといった細かな仕様を自由に決められるのだという。
アーカナシリーズの個性的な生地は、そんな開発環境があったから実現できたもの。優れたストレッチ性により着心地は非常にライトだが、1万mmの初期耐水圧と1万g/㎡・24Hの透湿性を持ち、オプションのウィンドブレーカーや既存ウエアのインナージャケットも装着できるため快適なロングツーリングが楽しめる。
「肩肘張らず気軽に羽織っていただけるようプロテクターはあえてベンチレーションソフトパッドとしていますが、別売りのCEプロテクターにも交換可能なので、例えばスーパースポーツのユーザーがドレスダウンして着るというシーンにも問題なく対応できます。ネオレトロやビンテージバイクだけでなくさまざまなバイクと合わせて、自由に着こなしていただきたいですね」
高い防水透湿性能やストレッチ性を付加した、斜め45度のラインが交差するダイヤ柄リップストップ生地は、独自設計が可能なクシタニにしかできないユニークな素材だ。
ファスナーには通常よりも大きなタイプを採用。オーセンティックバイクはもちろん、アドベンチャーバイクなどにも似合う、無骨さを感じさせるデザインに仕上げている。
後部が一段高くなる襟は、技術のある工場でなければ作れないものだという。その下にはさりげなくクシタニカフェのウィングマークが入る。
肩や胸に入るクシタニのエンブレムは専門の職人が作る金属製。本物感を付加することで、オーナーの満足度を高める、粋なアクセントだ。
まとめ●モーサイ編集部 photo●永田まさお
クシタニ
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