「50ccスポーツ」の牙を削いだのは1983年の60km/h速度リミッター!【1980〜2000年代に起こったバイクの改変 その1】

82年の登場から2年を経た84年、吸排気系とミッションの6速から5速への変更で、最高出力は7.2から5.6psへとデチューンされたMBX50。価格は3000円高の18万9000円となったマイナーチェンジ車は当然人気が上がるはずはなかった。
ホンダより先に60km/h速度規制に対応すべく、吸排気系とミッションの5速化で、機械的に上限7.2psから4.6ps仕様へデチューンしたカワサキAR50IIは、83年11月登場。ビキニカウル標準装備で、初期81年型の15万3000円から16万5000円に値上げとなった。
ワークスレーサーRG-Γの雰囲気をまとったスズキRG50Γは82年登場。角型フレームやANDF機構、リヤのフルフローターサス装備などで、写真の初期型は18万9000円。速度規制対応の84年型(価格据え置き)は点火カットでの制御だが、アフター品へのCDI変更などで解除しやすいこの手法が速度規制の主流となった。
81年に初の水冷エンジン搭載で登場のRZ50は、他社が速度規制対応車を出す中、一時生産停止。85年に最後発で規制対応のRZ50(車名はRZ50S)を投入するが、スズキと同じく7.2psを維持しつつ点火カットで規制した仕様。商品性を維持すべくアッパー&アンダーカウルを装備したものの、初期の17万6000円から19万3000円へのアップは、ユーザーに受け入れ難かった。
80年代半ば以降、一部にフルサイズのギヤ付きスポーツは存在したものの、時代の雰囲気は50ccは50ccらしくと言おうか、ミニサイズが人気を集めていく。とりわけヒットしたのが、500ccワークスレーサーを4分3スケールで凝縮したようなミニレーサーレプリカ。ヤマハYSR50は86年に発売。
87年にホンダがNSR50を発売し、ミニバイクレースブームに貢献。
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