登場から40周年! スズキの名車・GSX1100Sカタナの歴史を振り返る【2021年で“○○周年”のモデルたち】

日本刀をモチーフにしたカタナのデザインスケッチ。実車では高速域での風圧を低減すべくスクリーンが追加されて、シート形状も変更するなど、フォルムを極力崩さないように細心の注意を払いながらの修正が加えられた
1980年に発表されたGSX1100S プロトタイプ。造形設計はターゲットデザイン社によるもの。前年にドイツの二輪誌が主催したデザインコンペ向けに製作したMVアグスタベースの「Rosso Raptor」に日本刀のモチーフを加えたような造形が特徴。
MVアグスタの依頼で製作した「Rosso Raptor」とカタナプロトタイプのツーショット
1981年に満を持して登場したGSX1100S カタナ。市販型ではシート形状を変更、風圧低減を目的としたスクリーン追加などの修正が加えられた。以後細かい仕様変更はあるものの最後まで大きな変更は加えられておらず、完成度の高さがうかがえる。
登場から40周年を迎えたスズキ・GSX1100Sカタナ。※写真は1984年式モデル
モーターサイクリスト1981年8月号における1100S公道初試乗で東京・上野のバイク街に立ち寄った際の様子。かねてから話題になっていたモデルがついに公道に現れたとあって衆目を集めている
TSCC(2渦流燃焼室)により世界最高レベルの性能を実現したGSX1100E用がベース。94年の国内向けから最高出力が95馬力となり、ファイナルエディションまで95馬力のまま。
左が1100Sで右はGSX1000S。1000SはAMAスーパーバイクのレギュレーションに合致させるためエンジンをボアダウン(72.0→69.4㎜)し排気量を998㏄としたモデルだが、AMAやTT-F1も排気量上限が1000㏄から750㏄へと下げられたことによって需要が減り、短命に終わった
240㎞/h、1万2000回転スケールのコンビネーションメーターもカタナの特徴的な装備のひとつ。後に登場したGSX250SカタナやGSX400Sカタナにも受け継がれている。
カタナプロトタイプと共に1980年ケルンショーで公開された“もう1台のカタナ”。 フロントは普通の丸型ヘッドライトだが、タンクやサイドカバーにGSX1100Sと共通する造形が見られる。エンジンは673㏄空冷並列4気筒DOHC2バルブ。駆動方式はシャフトドライブ。後期型はハンス・ムートらしさにあふれるビキニカウルを装備している。
1982年に登場のカタナの国内仕様となるGSX750S。“KATANA”の名が外されスポイラーやスクリーン(オプション。後に標準装備化)を省略、アップハンドル装着。多くのユーザーがハンドルを違法改造し“刀狩り”と呼ばれた検挙も頻発した。
左は国内仕様の750Sで最高出力69馬力。右は輸出仕様の750Sで最高出力は81馬力もしくは82馬力。一見すると1100Sと同じように見えるが、リヤホイール径が1100Sの17インチに対し750Sは18インチとなるほか、クランクシャフトが組み立て式から一体鍛造になるなどの違いが見られる
国内仕様の750Sは車名に"KATANA"が入らず、サイドカウルに入る刀ロゴもユーザー自らが貼る仕様となっていた。また、"耕うん機ハンドル"は1100Sに比べて前輪に掛かる荷重が少なく、高速域では不安定感も増大
1982年に登場のGSX400Eカタナ。空冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンを採用したGSX400Eの後継で、GS650Gと同様の流麗なデザインを採用、83年にはビキニカウルを装着して6本スポークホイールに変更された。同様のデザインをしたGSX250Eカタナやシリーズ末弟でOHC単気筒エンジンを搭載するGS125Eカタナも82年に登場している。
1983に早くもモデルチェンジを受けたGSX750S。依然としてアップハンドルではあるが形状を変更するとともに、ホイールを前後19 /18インチの星形から、16 /17インチの6本スポークに変更。最高出力も69馬力から72馬力へと向上している。
通称“3型カタナ”と呼ばれるGSX750Sカタナは1984年に登場。全面変更を受け、GSX750E用を改良した角断面スチールフレームと最高出力77馬力のエンジン、リヤサスも1本ショックのフルフローターを採用。スズキ初のリトラクタブルヘッドライトも採用された。
1991年登場のGSX250Sカタナ(写真右)。エンジンはバンディット250の水冷並列4気筒DOHC4バルブがベースで、専用設計のダブルクレードルフレームに搭載。サイドカバーなどにGSX1100Sと共通となる外装パーツを使いつつフロント周辺は専用設計とし、忠実にプロトタイプを再現。前後17インチホイールにより、現代的な走行性能を有した。
250に続いて92年に登場したGSX400Sカタナは、GSX1100Sの再現性がさらに高められた。 エンジンはバンディット400の水冷並列4気筒をロングストローク化することでカタナらしさを追求。前後輪は前18、後ろ17インチとして、星型キャストホイールを採用。リヤタイヤは1100よりも太い140㎜幅で、迫力あるスタイルとなっている。
2000年に登場したGSX1100Sカタナ ファイナルエディションはフレーム補強やチューブレスタイヤ(それまでの指定はチューブタイヤ)の採用、フロントブレーキキャリパーの4ポット化など、限定車とは思えないほどの改良が施された。
17年11月開催のEICMAに「KATANA3.0」と名づけられたGSX-S1000ベースのカスタム車が登場、19年より「KATANA」として市販化された。写真は21年1月より先着100人限定販売の「KATANA特別色」
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