ニューモデル

カワサキ Z H2が電子制御サス装備で超進化! 世界最速ネイキッドに上級グレード「Z H2 SE」が追加!!

スーチャー+電制サスのハイパーネイキッド

カワサキ自身が公式に謳うことはあまりないが、「世界最速」というキーワードは、カワサキのマシンに秘められた重要なコンセプトだ。998cc水冷並列4気筒エンジンにスーパーチャージャーを搭載する世界最速ネイキッド「Z H2」が登場してからおよそ1年、ショーワ製電子制御サスペンションを装備した上位グレード「Z H2 SE」が、2021年4月1日に発売されることが明らかになった。

カワサキ・Z H2 SE(メタリックディアブロブラック×ゴールデンブレイズドグリーン)217万8000円

メーカー希望小売価格は217万8000円で、これには1ヶ月目点検のほか3年間の定期点検とオイル交換費用が無償になる「カワサキケア」が含まれている。

カワサキの伝統であり象徴的存在である「Z」の最新にして最強、そして最速となるZ H2 SEの概要を見ていこう。

路面追従性と安定性を高めるカワサキとショーワの電制サス

ショーワ製φ43mm倒立式SFF-CAフロントフォークとBFRC lite

Z H2 SEは、スーパーチャージドエンジンを搭載するH2シリーズの6車種目となるモデルで、ネイキッドであるZ H2の上位グレードとなるニューモデルだ。エンジンやフレームはZ H2と同一で、違いとなるのは下記の3点だ。

・KECS(カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション)
・ブレンボ社製フロントブレーキキャリパー
・ブレンボ社製フロントブレーキマスターシリンダー

KECSはショーワと共同開発した電子制御サスペンションで、スカイフックテクノロジー(後述)により路面状態や走行状況に応じて減衰力を最適化するシステムだ。減衰力設定はインテグレーレッドライディングモードと連動しており、スポーツ・ロード・レイン・ライダー(好みに設定できるマニュアルモード)のモード毎にそれぞれ適切な設定に自動変更される。

サスペンションを制御する機構には、より高速でダイレクトなソレノイドバルブを採用し、ミリ秒単位(0.001秒)で減衰力を調整している。減衰力はこれらの各コントロールユニットから送信される情報を総合的に判断して決定される。

・フロントフォークとリヤショックのストロークセンサーが検知するストローク速度と位置情報
・IMU(慣性計測装置)が検知する車体の加減速情報
・FI ECU(フューエルインジェクション エンジンコントロールユニット)が検知する前後輪回転数
・ABS ECU(アンチロックブレーキシステム エレクトリックコントロールシステム)が検知するフロントブレーキキャリパーのブレーキフルード液圧

これらのデータはすべて0.01秒単位で検知され、KECS ECUへ送信される。そして最適な減衰力を演算し、0.001秒の反応速度でソレノイドバルブを駆動させることで路面や車両の状態に応じて前後サスペンションの減衰力を調整する仕組みだ。

車両を安定させるスカイフックテクノロジー

スカイフックテクノロジーとは、セミアクティブサスペンションの代表的な方式である。これは車両を架空のワイヤーに吊るして安定させ、バネ下(つまり車輪)だけを路面に追従させるという考え方が基本になっている。
たとえるなら、道路を走る車輪付きロープウェイのようなものだ。もちろん道路上にワイヤーを張り巡らせることは現実的にできないが、擬似的にそのような状態を作り出す仕組みがスカイフックテクノロジーで、バイクの電子制御サスペンションの主流でもある。

Z H2に採用されているスカイフックテクノロジー。凹凸の激しい荒れた路面でもKECSの働きによって上下動の少ないスムーズな走行を実現した

このようにしてKECSは路面追従性を高めるとともに、減速時のピッチング(フロントフォークが沈み込むことによる前下り状態)を抑制し、軽快なハンドリングを生み出すことに成功している。
また、レインモードに設定した場合、前述した情報群に加えて垂直加速度とピッチレート情報も参照しすることで、濡れて滑りやすい路面での安定性を高めているのも特徴だ。なお、サスペンションのハードウェアはもちろんショーワ製で、φ43mm倒立式SFF-CAフロントフォークとBFRC liteを採用している。

最新ブレンボ製システムで制動力も強化

フロントにはブレンボ製高性能ブレーキキャリパー「Stylema」を採用。

ブレンボ製ブレーキキャリパーはZ H2にも採用されているが、Z H2 SEでは上位グレードとなる「Stylema」を装備している。これはピストンやブレーキパッド周辺をさらに小型化したもので、これによってブレーキフルード経路の容積が減少。よりダイレクトなブレーキタッチとコントロール性を実現した高性能モデルだ。

また、キャリパー本体の容積が減少したことでバネ下重量軽量化にも貢献。さらにブレーキパッド周辺の空気流量増大、ピストン周辺のスペース拡大、さらにセンターブリッジから空気を排出する開口部の増設により、ブレーキキャリパーの冷却効果が大幅に高められ、激しいブレーキングでも安定した制動力を発揮する。
さらに、Stylema採用に合わせてブレーキマスターシリンダーもブレンボ製としたほか、ブレーキホースはステンレスメッシュ製を採用している。

マスターシリンダーもブレンボ製の上位グレードを装備。ステンレスメッシュ製ブレーキホースも採用した

Sugomiデザインの堂々たるフラッグシップネイキッド

前述したように、Z H2とZ H2 SEの違いは、電子制御サスペンションとブレーキシステムのみだ。スーパーチャージド998cc水冷並列4気筒エンジン、高張力鋼トレリスフレームの仕様は同一で、車重はわずか1kg増の241kgにとどまっている。

電子制御サスペンション「KECS」を採用しつつも、Z H2と比較して重量増はわずか1kgに抑えている

また、全長、全高、キャスター角、トレール量、ホイールベース、シート高も同数値で、全幅のみが810mmから815mmとなっている。

もちろんスタイルはZシリーズの「Sugomi」を継承。電子制御サスペンションとブレーキシステムの強化によって、走行安定性と制動力をグレードアップした。Z H2 SEは、フラッグシップたる堂々としたスタイルと走行性能を持つ最新のカワサキだ。

フルカラー液晶パネルを採用したメーターはZ H2と共通で、Bluetoothによるスマートフォンとの連携機能も備える。右側フロントフォークのトップキャップには、KECSの文字とワイヤーが見える

カワサキ・Z H2 SE諸元

カワサキ・Z H2 SE

【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク76.0mm×55.0mm 圧縮比:11.2:1 総排気量998cc 最高出力147kW<200ps>/1万1000rpm 最大トルク137Nm<14.0kgm>/8500rpm 変速機:6段リターン

【寸法・重量】全長:2085 全幅:815 全高:1130 ホイールベース:1455 シート高830(各mm) 車両重量:241kg タイヤサイズ:F120/70ZR17 R190/55ZR17 燃料タンク容量:19L

text:山下 剛/photo:カワサキモータースジャパン/まとめ:モーサイWEB編集部

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