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3月に入り、日中の気温も上昇してポカポカとした陽気の日も出てきた昨今。もう少し待てばバイクツーリングの時期がやってきますね。
なかにはケ○ッグコ○ボばりに「もう我慢できないっ!」と走りに行っている人も多いのではないでしょうか?(ネタが古いw)
しかし、油断は禁物。
平地では問題なくとも、向かった先に予想もしていなかった危険が潜んでいる可能性はまだまだあるのです。
今回は「大丈夫だろう」と油断した結果、とんでもない悲劇に見舞われてしまったライダーさんの実例をご紹介しましょう。
大丈夫と思ったら…愛車のニンジャがぁ!!
「雪解けてきたから大丈夫だろうと油断するとこうなります」
1月下旬、意味深なつぶやきとともに愛車の走行動画を投稿したのは、Twitterユーザーの獅子糖@Panigale&Ninjaさん(@sishit0)。
動画を拝見すると、当初は少々ウエットという程度で走行には問題ない路面状況だったのですが……。数分後に現れたのは山陰で溶け残っていた雪!
しかも前走車が通り過ぎてみれば、轍にあったのはクルマによって踏み固められた圧雪……。あああ、為す術がないっ!!
普段から“スポーツバイクで林道”や“日帰り1200kmの旅”など、なかなか無茶なツーリングを行っている獅子糖さん。今回の動画は「また無茶をしてこんな目にあったから皆も気を付けてねという、若干自虐も込めた啓発動画」なのだとか。いや、なにもそんな身を挺してやらなくても……(汗)。
いったい現場はどのような状況だったのか、詳しく解説していただきましょう。
わずか3分で路面状況が激変
獅子糖さんが今回の事件に遭遇したのは1月上旬、山口県岩国市の国道187号線、清流線河山駅付近を愛車のニンジャ250で走行中のこと。
「最初は暖かくなり始めて雪も解けてきたので、路面が危うくなったら引き返せばいいやと思いつつ、山のほうの様子を見に行くつもりで走っていました。ほぼ好奇心ですが、最悪転倒することも覚悟していました。」(獅子糖さん)

しかしこの数分後、路面状況は一変します。
あれよあれよと言う間に路肩へ残雪が現れ、気がついたらわだち以外残雪だらけの状況になってしまうのです。

「ドラレコから解析すると、雪の無い路面から雪道に変化するまで、わずか3分弱の出来事でした。路肩は雪で引き返すスペースも無ければ、センターラインにも固まった雪がありUターンもできず、前進するしかない状況で焦っておりました」(獅子糖さん)
目の前に凍結した路面が……っ!!
前走車が通り過ぎた場所に凍結した路面を発見したのはその直後のこと。
獅子糖さんはタイヤをロックさせないようエンジンブレーキで減速をかけましたが間に合わず……。

「低速で凍結したわだちに突っ込みました。なんとかバランスをとろうとしましたがすぐにリアが左方向に滑り、ちょうど右へドリフトするような姿勢になりました。1秒弱は体重移動で耐えたと思うのですが、車体が右へ傾いてこれ以上は耐えられないと判断。バイクから地面へと、ヘッドスライディングのような姿勢で飛び降りました」(獅子糖さん)
愛車のニンジャ250が無残な姿に……
幸いなことに、路面が氷とシャーベットが混ざったような状態だったため大きなケガはなく、ヘルメットのあご部分が傷ついた以外はウエアの損傷もなかったという獅子糖さん。
とはいえ、もちろん愛車のニンジャ250の損害は免れませんでした。

「損傷個所は右エンジンガードが曲がり、右カウルの一部が割れました。タンデムステップのサイレンサー取付位置にマフラーガード装着していたので、衝撃でステーが折れてサイレンサーがエキゾーストに刺さっているだけの状態になりました」(獅子糖さん)

自走可能だったのでそのまま走行して帰宅したという獅子糖さん。
「路肩などを見て少しでも雪の気配がしたり、万が一不意に雪道に入ってしまった場合はすぐに停車し、サイドスタンドなどを使ってでもその場で方向転換をすればよかったかもしれません。山間部に限らず、日陰になりやすい部分は暖かくなっても凍結の可能性があるのでそもそも行かないということと、直前までは綺麗な路面でも一瞬で変化する可能性があるということはとても勉強になりました」(獅子糖さん)

現在は復活したニンジャ250でキャンプツーリングを楽しむなど、変わらずバイクライフを楽しんでいる獅子糖さん。
トラブルに見舞われた直後は「また無駄な出費が増える…」や「また馬鹿な事をした」と後悔したそうですが、雪道での挙動を体感できたことはよい経験だったとポジティブに考えているそうです。
3月になっても降雪や路面凍結の可能性はまだまだ残っています。
獅子糖さんのような事件が起こる可能性は十分考えられますので、「ヤバイかも……」と感じたら即座に引き返すくらいの心持ちで、早春のツーリングを楽しみたいものですね。
レポート●モーサイWEB編集部/画像提供●獅子糖さん