ヤマハWR125R(2026年1月30日発売)は、オフロードテイストを色濃く残しながらも、現代的な装備と扱いやすさを備えた125ccトレールモデル。フルサイズの車体に本格的なサスペンションストローク、そしてVVA(可変バルブ機構)を搭載した水冷エンジンを採用。単なるエントリーモデルに留まらず、「しっかり走れる125」としての完成度を狙った一台である。

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストローク単気筒OHC4バルブ
変速機:6段リターン
最高出力:11kW(15ps)/10,000rpm
最大トルク:11Nm(1.1kgf・m)/6,500rpm
シート高:875mm
車両重量:138kg
発売日:2026年1月30日
税込価格:53万9000円
今回はモーターサイクリスト編集長・太田が、西伊豆を中心に約150kmを走行。その実力をじっくりと確かめてきた。

125ccとは思えない存在感と走りの質感
まず跨って感じるのは、125ccの枠を超えた車格の大きさだ。フルサイズトレールらしいプロポーションで、所有感は十分。タイヤはフロント21インチ、リヤ18インチ。シートはかなり高い。

走り出してもその印象は変わらず、エンジンはVVA(Variable Valve Actuation:可変バルブ作動機構)の効果もあり、低回転域から扱いやすく、高回転までスムーズに伸びていく。125ccとしてはパワー感もあり、一般道では不足は感じないだろう。
ただし上り坂では、さすがに排気量なりの限界は見える。正直に言えば、もし150ccや155cc仕様が存在するなら、そちらを選びたくなる場面もあった。6速ミッションを活かし、常に回転数をパワーバンドに入れていれば、なかなか力強く加速していく。感覚的には5,000回転ほど回っていれば、ワインディングでもキビキビとした走りが楽しめる。VVAの切り替えは7,000回転前後で、高回転の伸びも気持ちいい。絶対的なパワーはないため、アップダウンや速度に合わせてのギヤチェンジはやや忙しくなるが、それもまた「操っている感覚」と捉えれば楽しい。ディスプレイにタコメーター(回転計)が表示されているのも本格感があって好印象だ。

軽さが生む爽快感 トレールならではの快適性
WR125Rの大きな魅力は、全体的な軽さにある。細い道やくねくねとした峠道でもヒラヒラと向きを変え、オンロードバイクとは違う切り返しの軽快さが心地いい。西伊豆のタイトなワインディングでは、この特性が大きな武器になった。
サスペンションストロークが長めなこともあり、路面の荒れや段差を乗り越えた際の衝撃が非常にマイルド。アスファルトがデコボコで穴が空いているような路面でも、背骨や腰にくるあの嫌な突き上げ感はうまく消されていた。街乗りだとサスペンションが若干硬く感じたが、ワインディングでは適切なしっかり感だと感じられた。
一般道の制限速度内であれば流れに遅れることもなく、60km/h巡航は問題なし。当然高速道路は走行不可なので高速域は気にする必要はない。今回、マスツーリングで大型バイクと走ったが、意外なほど自然についていけた。

現代装備と実用性
現代的な装備としては、スマートフォン連携のYコネクトを搭載。走行データを確認できるのは、今の時代らしい便利さだ。
燃費も良好で、表示上は42.4km/Lを記録。8.1Lタンクと組み合わせれば、300km以上の航続距離が期待でき、給油の頻度が少なくて済むのもツーリング向きと言える。

一方でシートはスリムで硬めのため、快適性は正直いまひとつ。ただし乗車中にお尻の位置を変えやすく、スタンディングもしやすいので、長距離ではこまめに立ち上がることで対処できる。また、荷掛けフックなどは皆無で積載性は良くないので、荷物を積む人はリヤキャリヤなどを検討したほうがいいだろう。

シート高875mmは乗り手を選ぶが、ワイズギアにはローダウンシート(マイナス30mm)やローダウンリンク(マイナス40mm)が用意され、最大70mmダウンの805mmまで対応可能。身長に不安がある人でも、現実的な選択肢は用意されている。

高速道路こそ走れないが、それを補って余りある軽快さと楽しさがWR125Rにはある。オフロードバイクならではの自由な走りを、改めて教えてくれる一台だ。
まとめ

WR125Rは、125ccという枠に収まりきらない完成度を持ったトレールモデルだ。フルサイズの車体と軽快なハンドリング、路面状況を選ばない足まわりは、ツーリングでもワインディングでも確かな楽しさを提供してくれる。もちろん、林道などに分け入るアドベンチャー的な用途にも最適で、冒険ツーリングに挑戦したいライダーにもお薦めできるモデルだ。
原付二種というカテゴリーや排気量なりの制約はあるものの、それを補って余りある「走らせる面白さ」があり、高速道路を使わなくても旅は十分に成立する。扱いやすさと本格感を両立した一台として、WR125Rは125ccクラスの新たな基準になり得る存在だ。



なお、今回のインプレッションの模様は、実際の走行シーンを交えた動画としてYouTubeにも公開している。文章だけでは伝えきれないWR125Rの軽快な走りや車体の雰囲気も確認できるので、気になる方はぜひあわせてチェックしてほしい。
まとめ●ぴの子





































