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原付二種クラスのサイズ感とスタイリッシュな外観にこだわったe-アドレス


二輪の世界戦略車第1弾と銘打たれ、インドでは2025年3月に発表、4月に発売されたEVスクーター「e-ACCESS」が日本へも参考出品車として上陸。車名は日本で馴染みの深い「e-アドレス」に変更されて、ジャパンモビリティショーのスズキブースへ展示された。
スズキは同車を、十分な航続可能距離と洗練された外観を持つ、実用性に優れた原付二種相当のスクーターとアピールし、「日常生活をよりスマートに過ごすアイテム」 として浸透させたいねらいを持つ。
e-アドレスと名付けられていても、外観は先ごろ発表されたアドレス125とは別物の専用設計。エンジンの代わりとなる動力用バッテリーが大きなスペースを取るのだから当然だが、ボディサイズは原付二種相当のスクーターを意識し、鈍重にならないスタイリッシュなデザインを心がけたようだ。
「車重は122kgで、100~125ccのガソリン車よりも15~20kgほど重いので、多少ずっしりした感じはあると思いますが、車格はガソリン車のサイズ感を崩さないようにまとめました」と、同車のチーフエンジニア横山誠二さんは語る。そして、125ccクラス並みの車格としながら、17L容量のシート下収納スペースを確保したのも工夫のひとつ。そのためもあり、バッテリーは着脱式ではなく、急速充電に対応でき、車両レイアウトを効率よく作り込める固定式(車体側給電口に直接充電する方式)とした。


3つのパワーモードを持つ動力ユニットで、航続距離は83kmを確保

EVバイクで気になることのひとつが航続可能距離だが、これはWMTC値で83kmを公称。発進・加速・停止といった実際の使用状況に近い走行パターンで測定された数値のため、かなり現実的な線だというが、片道10km以内の通勤ならば3~4日は連続使用が可能なはず。そして家庭用電源でまかなえる充電はゼロ~100%で6.7時間、急速充電器では2.2時間ほど。定格出力は0.98kWと公称されており、これは原付二種クラスに相当する出力だ。

また、e-アドレスでは3つの走行モード(エコ/A/B)とリバースモードを選択でき、各特性はエコ=最高速度55km/hまでで回生ブレーキ強め、A=最高速度71km/hまでで回生ブレーキ強め、B=最高速度71km/hまでで回生ブレーキ弱めという設定だが、WMTCモード値の航続距離83kmは、どのモードでもほぼ当てはまる数値だという。

気になる発売時期、価格だが「価格はショーへ来場された方々のご意見も拝聴したい」

また、e-アドレスのもうひとつの特徴が、リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーの採用だ。これは、スマホなどに使われる三元系リチウムイオンバッテリー(コバルト・ニッケル・マンガンといったレアメタルをバッテリーの正極に使用)と比較し、過放電や過充電による熱暴走のリスクに対して利点があり、長期間の使用でも寿命の面で有利だという。
「充電回数は一般的に三元系リチウムイオンバッテリーで1000回だとすると、リン酸鉄系だと2000回以上は可能だと思います」と電動パワートレイン担当の田中さんは語る。
「バッテリーコントローラーとビークルコントローラーで適切な充電を行い、過充電の防止にも配慮した装置を装着しているので、安心して乗っていただけます。また、スズキは走る、曲がる、止まるの基本性能をとことん追求した上に、過負荷な試験も経て製品を送り出していますし、e-アドレスはEVの動力性能のほか、走行フィール、剛性も十分に試してきたので、意のままに走れるようになっています」と、前出の横山さんは自負する。
気になるのは、未発表の発売時期、販売価格だが、この点はもちろん口が堅い。
「そうですねぇ……、今はお答えできませんが、このモビリティショーの会場で、いくらならこのクルマを買ってもらえるのか、来場された方に聞く貴重な機会にしたいと思います」(横山)とのこと。ただし、同クラスで先行登場しているEVスクーターのホンダCUVe:の価格(52万8000円)は、大いに意識している様子だった。

まとめ●モーサイ編集部・阪本 写真●スズキ、モーサイ編集部





































