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北海道は「1000人あたりの速度超過検挙数」が全国イチ
北海道は本州とは違い車道の幅が広く、何十kmにも渡って直線道路が続く場所が多いので、クルマやバイクのスピードが上がりやすい環境だと言えます。
その上「道内」と言っても他県の人が想像する「県内」や「都内」とは全くスケールの違う広大な土地を移動することも多いため移動距離も伸びがちで、目的地に早く着きたい一心からついアクセルを踏みがちです。
筆者が普段道内を走っていると、制限速度を20km以上超過している車も少なくありませんし、観光客や農耕車両が制限速度を守って走行しているのを数台まとめて一気に追い越していくクルマを見かけることもあります。
この傾向は、統計情報にも表れています。「最高速度超過検挙件数」を「その都道府県の運転免許保有者数」で割った1000人あたりの最高速度超過検挙件数は29.88件で、北海道が全国ワースト1位となっています(出典:警察庁「令和元年度の犯罪」「運転免許統計」)。
これから夏になると、本州から北海道へツーリングにくるライダーも多くなると予想されます。長い直線道路を走る際にはついついスピードが上がらないよう、また飛ばしている地元のクルマにもご注意ください。
雪国ならでは!? 交差点進入時「止まらない」判断
また、北海道のドライバーはスピードを出し過ぎるだけでなく黄色信号で止まらず、赤信号に変わっても強引に進行する傾向もあると本州の人からよく言われます。
もちろん北海道だけ道路交通法が異なるわけではありませんので、黄色信号であっても原則的には交差点に進入してはいけません。
では、なぜ北海道のドライバーは上記のような運転をすることがあるのでしょうか?それには、雪国北海道の道路事情が影響していると言われています。
冬の北海道の道路は、ほぼずっとアイススケートリンクのように凍っています。クルマはスタッドレスタイヤを装着しているので雪道でも運転可能ですが、凍結していない道路と比べると制動力の低下は否めません。
また、バイクに関してはスタッドレスタイヤが一般的ではないので基本的には雪の上を走れないのですが、北海道の冬は長く、冬季を完全に避けていると1年の半分くらいしかバイクに乗れないため、多少の雪道であれば走ってしまうというライダーも少なくありません。
そのように凍結した道を走る際に急ブレーキを踏むと滑ってしまってかえって危ない場合もあるので、凍結していない道なら止まるようなタイミングの黄色信号でも止まらず進行するという判断をすることが多々あります。
前述したように北海道の冬は長いため、凍結が溶けてもでもその感覚が残り「ギリギリのタイミングの黄色信号や赤信号でも進む」運転になってしまうというわけです。
雪国北海道ならではの交通の現状を紹介しましたが、どんな背景があっても制限速度や信号は守らなければならないものです。
北海道に行った際は、ローカルルールに引きずられることなく「全国共通の交通規則」に立ち返って、正しい運転を心がけたいですね。
レポート●又村考幸 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実