SHOOTING LANDSCAPES ー憧れの絶景を堪能しようー①
北海道の魅力はいろいろあるけれど、ライダーにとっては、本州では味わえない広大さが筆頭に上がることだろう。
ただの真っ直ぐな道という点では、高速道路と大差ないと思う人もいるかもしれないけれど、直線路の左右にはたいてい広大な景色が広がっているもの。そんな景色の中で風を切って走ることは、間違いなく北海道だからこそ味わえる喜びと言えるだろう。
ここでは、北海道らしさを堪能できる絶景の直線道路を、「きた北海道」と「ひがし北海道」を中心に10本紹介しよう。
1 天に続く道
斜里町(オホーツク総合振興局管内)
知床半島の付け根、斜里町にある直線路で、オホーツク海に面した斜里町のウナベツスキー場南側の高台から眺めれば、国道334&224号などが、まるで天に続いているかのように延びている。
ビューポイントは直線路の東端。海側へ曲がる国道から外れて町道を進んだ先。近年、SNS等で存在が知られたこともあり訪問者が増えたことから、昨年には駐車場や展望台も設置されている。
視界が霞みやすいのと、比較的交通量が多いので、直線路を独り占めしたいなら早朝などが狙い目だろう。
2 ジェットコースターの路
上富良野町(上川総合振興局管内)
上富良野町道西11線の通称で、JR美馬牛駅付近の国道237号から南西へ延びる約2.5kmの直線路。
本来は普通の農道に過ぎないが、急なアップダウンが繰り返し続くことから付けられたキャッチーな愛称が注目を集めメジャースポットとなり、時に撮影の順番待ちができることも。
アップダウンは国道237号側(東側)が大きく、西側は平坦路に変わるので、撮影も東側からが人気。道の最高地点からは十勝連峰を見渡すことができる。
3 エサヌカ線
猿払村(宗谷総合振興局管内)
オホーツク海に面した浜頓別町と猿払村の間を、国道238号とほぼ平行に海側を走る村道で、途中に直角の曲がり角はあるものの、約8kmにわたり延々と直線が続く。
起伏がなくほぼフラットであること、左右に木々がほとんどなく、延々と牧草地が広がる景色はエサヌカ線ならでは。
路肩に反射ポールは設置されているものの、電柱や民家などの大きな人工物が皆無のため、もう密な最果て感を味わえる。交通量が少ないので落ち着いて撮影もできる。
4 道道106号
稚内市~天塩町(宗谷総合振興局管内)
国道232号(日本海オロロンライン)が内陸へと進路を変える天塩町から稚内市へと北上する道道で「宗谷サンセットライン」とも呼ばれる(広義ではオロロンラインの一部でもある)。
サロベツ原野の西端を海に沿って延びる区間は、高低差の少ない原野を突っ切るダイナミックな景観が魅力だが、荒涼としたある意味寂しげな雰囲気が特徴で集落もほとんどない。
好天に恵まれれば利尻富士の眺めも素晴らしい。宗谷岬を目指すなら絶対走っておきたい道のひとつ。
5 ミルクロード
中標津町(根室振興局管内)
ビュースポットでありライダーの聖地でもある開陽台近くを抜ける、アップダウンの続く直線路として広く知られる道。
「牛乳を出荷するタンクローリーが走る道」というのが名前の由来で、正式名称には中標津町道北19号道路。有名な割には交通量は少ないので撮影もしやすいはずだ。
道東らしい広大さはあまり感じられないが、この道の周囲にはほかにも多くの直線路があるので、お気に入りの道を探してみるのもいいだろう。
6 国道273号
上士幌町・十勝三股付近(十勝総合振興局管内)
十勝の帯広市とオホーツク沿岸の紋別市を結ぶ国道が273号。
特に人気なのは原生林の中を走る糠平温泉から、シラカバ林の中を走る三国峠の直線路。途中の十勝三叉に小さな喫茶店がある以外はなにもない豊かな自然の風景に包まれるのが魅力だ。
ただし、上士幌から国道39号と交差する上川町までの間にはガソリンスタンドがないので注意しよう。
7 パノラマロード江花
上富良野町(上川総合振興局管内)
標高が50mほど低い富良野盆地へと向かって延びる約5㎞の直線。道道581号沿いにある小さな標識が目印。
ジェットコースターの道と同様、「かみふらの八景」のひとつだが、人気はまだまだこれから。
しかし起点となる丘の上からは大雪の山々が望め、眺望の点ではこちらのほうが素晴らしい。そこから50mほど低い富良野盆地への道は爽快の一語だ。
8 国道12号
美唄市~滝川市(空知総合振興局管内)
札幌市と旭川市へ、石狩平野を突っ切る国道。
道央自動車道と並走することから、最近はツーリングライダーの利用率は少ないかもしれないが、美唄市光珠内跨線橋から滝川市国道38号交差点間は、29.2kmという日本で一番長い直線区間として昔から知られてきた。
市街地が多く、直線路を走る醍醐味はまったくないのだが、話のネタに一度は走っておきたいスポットだ。
9 十勝牧場
音更町(十勝総合振興局管内)
独立行政法人家畜化医療センター十勝牧場が正式名称。
家畜基地内への立ち入りや見学はできないものの、展望台までの幹線道路は解放されており、白樺並木の中を抜ける1.3kmの直線路は素晴らしい景観。
また展望台からの望める広大な景色も一見の価値があるが、アクセス路のほとんどはダートなのでロードバイクのライダーは注意しよう。
10 白銀の丘
幌加内町(上川総合振興局管内)
きた北海道エリアのほぼ中央に位置する幌加内町は蕎麦の産地として有名で、国道275号を北上して町内に入ると左右に蕎麦畑が広がる。
その国道沿いの看板を目印に左折するとすぐに現れるのが白銀の丘。なだらかな丘陵地帯に咲き誇る白い花畑の中を抜ける直線路は、まさに幌加内町ならではの景色。
見頃は7月下旬~8月中旬だ(写真は残念ながら9月)。
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