【釧路の絶景を堪能する!】
サバンナのような釧路湿原へ
「北海道ふっこう割」が始まりました! 当初の宿泊のみの割り引きから、交通手段も含む旅行商品にまで範囲が拡大され、最大で3万5000円も割り引かれるというものです。例えば、4万円の旅行商品であれば50%オフのなんと2万円で購入可能に。秋の北海道ツアー料金は夏季に比べそもそも割安ではありますが、さらにそれが半額になるのです。
震災は甚大な被害をもたらしましたが、一部の地域を除き、北海道は震災前と何ひとつ変わらないというのが真実です。つまり、現地で何ひとつ我慢する必要がないのに、通常の半額で回れるなんてとてもお得です。
ふっこう割で道東へ!
そこで、今回はぶらり道東へ。あ、最近は「ひがし北海道」と呼ぶほうが一般的かもしれません。確かに、旅慣れた人を除けば、この方がイメージしやすいですよね。
この時期のひがし北海道をお薦めする理由は、まず天気が安定していること。夏場は涼しく避暑地としてはいいのでしょうが、霧が出やすく大事な景色が楽しめない日が少なくないようです。人口が少なく面積が広大なひがし北海道の観光は、街というよりは自然がメイン。であれば、空気が澄んでいてヒット率が高い秋の方が楽しめるというわけです。
ひがし北海道の広大さを実感できる釧路湿原
釧路といえば、まずは釧路湿原でしょう。湿地の保存に関する国際条約であるラムサール条約の登録湿地であり、全体が国立公園に指定されていて、その範囲は東西約25km、南北35kmに及びます。面積はなんと東京・山手線内の面積約5000haの優に5倍、約2万8000haもの広大な湿地です。夏には観光列車「のろっこ号」が運行されていたり、釧路川でのカヌーも人気のアクティビティです。確かに6、7月は花も見頃ではあるのですが……アフリカのサバンナのような景観の秋もお薦めです(雪が点在した冬の景色も美しいですよ)。
釧路湿原を眺めるために今回訪ねたのは、釧路湿原の西側に位置する「釧路湿原展望台」。この展望台は、地元出身の建築家、毛綱毅曠(もづなきこう)氏の設計により、1984年に建てられました。1Fはホールとレストラン、2Fは湿原を再現したジオラマや幻の魚イトウなどが展示されていて、3F展望室と屋上の展望台からは湿原や釧路の町、そして反対側に目を向けると、雄阿寒岳、雌阿寒岳、そして遠く知床の山々を一望することができます。
釧路湿原といえば、屈斜路湖を源流に湿原の中を蛇行する釧路川と湿原のコンビネーションを眺めたいよいう人も少なくないことでしょう。残念ながらこの西側からは釧路川が遠いので、どうしてもという方は、湿原東側に位置する「細岡展望台」へ向かうといいでしょう。
ひがし北海道への今回の訪問は、私にとっては2年ぶりですが、釧路湿原は実に15年ぶり。前回はこの釧路川と湿原が演出する日本離れした美しさに引き込まれて、クルマを走らせては写真を撮ってを繰り返したのものですが、今回の再訪でも、やはり広い景色に感動を覚えました。何度訪ねても、この手つかずの自然には癒やされます。音を立てず悠々と流れる釧路川を見ると、悠久という言葉が頭に自然と浮かんできます。あくせくした日常が、些細なことのように思えてきて、悩みも吹き飛ぶ思いです。
●釧路湿原展望台
住所:北海道釧路市北斗6-11
TEL:0154-56-2424
営業時間:8:30〜18:00(5〜10月)、9:00〜17:00(11〜4月)
定休日:年末年始
アクセス:JR釧路駅よりクルマで約30分、釧路空港よりクルマで約18分
入館料:大人471円、高校生250円、小中学生120円
※1Fの売店と食堂部分は入場無料
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>>「北海道ふっこう割」で ブラッと旅するひがし北海道-2
【「北海道ふっこう割」とは?】
2018年9月6日に発生した平成30年北海道胆振東部地震による北海道の観光被害は356億円、宿泊予約のキャンセル数は114万9000人分に上るといいます(9月末時点)。このほとんどが、本当は通常どおり観光できるのに震災の影響が波及した、いわば風評被害。そう、北海道はほとんどのエリアでは普通に旅が楽しめます。この風評被害を払拭するための道や国の復興支援事業として、10月より「北海道ふっこう割」がスタートしています。当初は宿泊のみの割り引きでしたが、現在では交通手段も含む旅行商品にまで範囲が拡大され、最大で3万5000円オフに。例えば、4万円の旅行商品であれば50%オフの2万円で購入購入可能! 詳しくは特設サイトをご参照下さい。
北海道ふっこう割特設サイト
report●五十嵐重明 photo●岡田ナツ子/編集部
取材協力●北海道観光振興機構