新型コロナウイルス感染症による影響はあるものの、休日ともなれば有名キャンプ場は満杯となるなど、キャンプブームは今なお継続中だ。
その流れを受け各メーカーから様々なアイテムがリリースされているが、特に注目を集めているのが「100均」こと100円ショップで展開されているキャンプギアである。
そのなかでも、発売直後からSNSなどで話題となり、瞬く間に完売となったアイテムがある。国内外に店舗を展開する100円ショップのDAISO(ダイソー)が販売した「メスティン(ハンドル付き)」だ。
販売計画の2倍以上の人気で即完売

DAISOで販売中のアルミ飯ごう「メスティン(ハンドル付き)」。価格は驚愕の500円(税別)!!
メスティン(ハンドル付き)はDAISOが販売したキャンプギアのひとつ。
ソロキャンパー必携のアイテムであることやメスティン料理本が好調であること、アウトドアショップでも高い人気があることなどから、自社開発したメスティンの導入を決定したという。
同製品は2020年6月下旬に販売を開始したが、熱伝導性の高いアルミを採用した本格的な作りながら、500円(税別)というコストパフォーマンスのよさが注目を集めて瞬く間に完売。
DAISO広報課によれば、「当初の販売計画の2倍以上」という売れ行きで、複数の店舗をまわっても購入できなかったという人が続出。SNS上では「どこにも売っていない!」という嘆きの声があふれかえるほどの人気となったのである。
女性にも扱いやすいサイズで使い勝手を考慮

メスティン本体はアルミ製で、ボディ厚みは約1mm。重量は103グラムと非常に軽量だ。
いったい、どのようなポイントがキャンプ愛好家の心を掴んだのだろうか?
メスティン(ハンドル付き)のサイズは幅150mm×奥行き80mm×高さ50mm(※注1)と、一般的といわれるサイズのメスティン(170mm×95mm×62mm)と比べてもひとまわりコンパクト(※注1:展開したハンドルを含めないサイズ)。

一般的なメスティンよりもひとまわり小さいサイズ。内部寸法は幅145mm×奥行き77mm×高さ50mm。
これは「女性が使用した場合でもちょうど良いサイズであること」と、「省スペース・コンパクトに収納できること」を追求した結果導き出されたサイズであるという。
そのため飯ごうとして使用する場合の炊飯目安は約1合と、一般的なメスティン(1.8合)の約半分程度であるが、ソロキャンプを行う場合にはジャストフィットといえるサイズとなっているのだ。

仕上げがしっかりしているため、一般的なメスティンでは必須の作業といえる、縁部分のバリ取りが必要ないのはうれしいポイント。
また、一般的なサイズのメスティンのなかに収納できる寸法であることも大きなポイント。
かさばらずに持ち運びできるだけでなく、メインのメスティンで料理している間、別の料理を作るサブ調理器具として使用することが可能。
こういった点も、キャンプ愛好家から人気を集めたポイントといえるだろう。

ハンドルは取り外し可能。
メスティンだから固形燃料でカンタン炊飯もOK!

実際に屋外にてメスティンの調理を実施。はたしておいしく炊けるのか……?
では、実際の使い勝手はどうなのだろうか?
筆者も東京、千葉、埼玉のDAISOをまわってみたがすべての店舗で完売していたため、運よくメスティンを入手できたキャンプ愛好家から現品をお借りして、実際に炊飯してみることにした。

今回はオーソドックスにカレーを作ってみる。ルーはレトルトをもちろんDAISOで購入。無洗米は近所のスーパーで調達した。
無洗米1合と水200ccをメスティンに入れて(※注2)、DAISOで販売しているコンパクトストーブ用固形燃料の火にかけること約20分。
(※注2:お米と水をメスティンに入れたら、20分ほど置いてお米に水を吸わせるとなおおいしく炊きあがる。ぜひお試しを!)

お米一合に対して水200ccを入れる。お米1合でハンドル取り付け部のアルミリベットの下側あたりまで入った。
固形燃料の火が消えたらメスティンごとひっくり返し、タオルなどにくるんで15分程度蒸らしてみると……。一般的なメスティン同様に、ほとんど手を加えずともおいしいご飯が炊けたのである。

火が消えたらメスティンごとひっくり返してタオルなどにくるみ、じっくり蒸らせばカンタンにご飯が炊きあがる。ただし、この日は風が強く、わずかばかり芯の残る仕上がりになった。

炊飯中にメスティンの上へレトルトパックを載せておくと、意外なほど温まる。メスティンのご飯を半分出して、そこにルーを流し込めばカレーライスの完成だ!
サイズがコンパクトなので用途は限られるかもしれないが、価格以上の使い勝手を誇っているDAISO製メスティン。なるほど、これならば人気が出るのも頷けるというものだ。
しかもこのサイズであれば、ソロキャンプツーリングなどで荷物を極力軽量化したいときなどにも重宝する。
極論だがDAISO製メスティンとコンパクトストーブ、お箸類さえあれば調理器具は十分なので、コンパクトにパッキングしたいときに大いに活躍してくれるだろう。

屋外で食しているというのもあるかもしれないけど、これがホントおいしいのですよ。
DAISOでは今後もアウトドアグッズも展開予定
大人気となったDAISO製メスティンは現在完売状態だが、7月後半と8月に再入荷を予定しており、11月末まで販売する予定だという。6月入荷分を入手できなかった人は、この機会に探してみるといいだろう(※編集部注:店舗によって品揃えが異なるため、在庫がない場合もあるので注意)。
また、大創産業では今後もアウトドアグッズを展開する予定とのこと。DAISO広報課によると、キャンプ場で重宝するキャリーやガストーチバーナー、さらにはテント(!)も展開予定だというから楽しみだ。
リーズナブルながらバリバリに使えるものが多い100均系キャンプギア。DAISOの商品展開からは、しばらく目が離せなさそうだ。

ダイソー製メスティン炊飯のお米で作ったカレーライス、のおいしゅうございました♪これは筆者もなんとかして購入せねば!
text:モーサイWEB編集部・日暮
photo:舞草 壮
取材協力:DAISO